法人別リリース Fri, 22 Nov 2024 14:00:00 +0900 hourly 1 平安時代に生きた人々の祈り ー年末・お正月も秘仏に会える!! /release/202411180145 Fri, 22 Nov 2024 14:00:00 +0900 上原美術館 大河ドラマで注目が集まる平安時代―紫式部や藤原道長が生きたこの時代は、都の貴族がつづった日記や書物を手掛かりに、当時の信仰や人々の生き方、習俗を今も知ることができます。しかし都から遠く離れた地方の様子...  仏教館では、当館の長年にわたる伊豆半島の仏像調査から、平安時代に造られた仏像に注目し、地方に生きた人々の信仰を、仏像から探る特別展『仏像でみる伊豆の平安時代』を開催します。
 近代館は企画展『ものがたりをよむ』を同時開催いたします。当館コレクションから、新収蔵・初公開となる小林古径≪井筒≫を中心に、画家たちが魅了され生み出された、さまざまな物語を描いた絵の世界をご紹介いたします。
 
展覧会概要 1)展覧会名 【仏教館】 特別展 仏像でみる伊豆の平安時代
       【近代館】 企画展 ものがたりをよむ
 
2)会期   2024年10月5日(土)~2025年1月13日(月・祝)101日間
      *会期中無休 年末・元日も開館
 
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
 
4)会場   上原美術館 仏教館・近代館
       〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
       ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)ギャラリートーク
  展覧会をより深くお楽しみいただける、学芸員による作品解説を行います。
  開催日時 展覧会会期中の毎月第3土曜日
       【近代館】10:00~ 【仏教館】11:00~ 各回約45分
  参加方法 時間になりましたら展示室へお集まりください。※要入館券
    
 
―展覧会の見どころ 【仏教館】 仏像でみる伊豆の平安時代  

 
■ 仏像から平安時代の地方の息吹を感じる
 平安時代に造られた仏像は伊豆各地に伝えられています。本展では、往時の信仰を考える糸口となるような仏像の数々をご紹介します。
 三島市安久・長福寺には等身大の仏像が3体伝わっています。今までほとんど知られることがなかった本像は、当館の調査から平安時代に造られた仏像ということが分かりました。寺外で3体すべてそろっての公開は本展が初めてとなります。本像が伝わった三島市安久は大場川の近くに位置し、近辺では仏面が描かれた平安時代の土器が発掘されており、本像とのかかわりも考えられます。
 
■ 秘仏や非公開の仏像が登場!
 河津町峰・善光庵の十一面観音像(静岡県指定文化財)は伊豆の横道三十三観音霊場の霊場第16番札所の本尊です。近くの同町谷津・南禅寺の仏像群(国指定重要文化財)との関連もある本像は、伊豆を代表する10世紀彫刻です。
 南禅寺の周辺地域には古仏が点在し、本展で出品される下田市須原・法雲寺の如意輪観音像もそうした作例の一つです。10世紀に造られた如意輪観音像としては、東日本最古を誇る仏像で、当時の伊豆南部地域の信仰を考える上で貴重な作例です。
 松崎町に伝わる薬師三尊像(指川区)、不動三尊像(松尾区)もふだんは公開されていない仏像です。本展では、60年に一度に開帳される秘仏や非公開の仏像を展示いたします。
 
【近代館】 ものがたりをよむ  

 
■ 画家たちを魅了した豊かな物語の世界
 古くから人々に親しまれてきた「ものがたり」は、歴史や文化を越えて、自由に想像の世界を楽しむことができます。そして、そこに広がる豊かな世界に心ひかれた画家たちによって、多くの魅力的な絵画が生み出されてきました。本展では、新収蔵・初公開となる小林古径≪井筒≫を中心に、画家たちが描き出した物語の世界をご紹介いたします。
小林古径≪井筒≫は、平安時代に著された歌物語『伊勢物語』に主題をとった作品で、二人の幼子が井戸の周りで遊ぶ姿が描かれています。将来を誓い合う二人の無垢な様子を、古径は柔らかな色彩で瑞々しく表現しています。
 
―主な出品予定作品 [仏教館] 
1.≪十一面観音像≫ 平安時代 河津町峰・善光庵 ※静岡県指定文化財
2.≪薬師如来像≫ 平安時代 三島市安久・長福寺 ※寺外初公開
3.≪如意輪観音像≫ 平安時代 下田市北の沢・法雲寺 ※通常非公開
4.≪不動明王像≫ 平安時代 伊豆市大平・金龍院 ※静岡県指定文化財  ほか
 
[近代館]
1.小林古径≪井筒≫ 昭和25(1950)年頃 紙本着色 49.3×63.5㎝ ※新収蔵・初公開
2.小林古径≪芥川≫ 大正15(1926)年頃 紙本着色 47.5×75.0㎝ ほか
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画家が見つめる、静物画のふしぎ ー愛らしい伊豆の仏像も展示 /release/202406142174 Fri, 21 Jun 2024 10:00:00 +0900 上原美術館  上原美術館のコレクションから、よりすぐりの作品をご紹介する上原コレクション名品選。近代館で開催する企画展『もののありか―静物画のふしぎ』は、画家のまなざしを通じて捉える静物画の不思議な魅力に迫りま...  仏教館は、当館の仏教美術コレクションとともに、伊豆に伝わるのびやかな造形の仏像をご紹介いたします。
 
もののありかー静物画のふしぎー
 
展覧会概要 1)展覧会名 【近代館】 企画展 もののありか ―静物画のふしぎ
       【仏教館】 企画展 都の祈り 伊豆の祈り
2)会期   2024年4月27日(土)~9月23日(月・休) 146日間 *会期中無休
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
4)会場   上原美術館 近代館・仏教館
       〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
       ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
6)ギャラリートーク
   展覧会をより深くお楽しみいただける、作品解説を行います。
   開催日時 展覧会会期中の毎月第3土曜日
        【近代館】10:00~ 【仏教館】11:00~  各回約45分
   参加方法 時間になりましたら展示室へお集まりください。※要入館券
    
―展覧会の見どころ 【近代館】もののありか ―静物画のふしぎ ■ ものとは何か―画家の「もの」へのまなざしと豊かな静物画の世界
 近代館は画家たちが描く「もの」へのまなざしに着目し、静物画のふしぎに迫る展覧会を開催します。ポール・セザンヌ≪ウルビノ壺のある静物≫は、布の上に置かれた果物と西洋トマト、色鮮やかなマヨルカ焼の壺が描かれています。壺は真正面から捉えられ、背景に大きな影を映します。右奥にあるカーテンは、模様が生き生きとした筆致で描かれ、布の上のモティーフと呼応するかのようです。再び果物や壺に目を移すと、それらは空中に浮かび上がるかのように不思議な存在感を放ち始めます。
 本展ではそのほか、セザンヌの影響を色濃く受けた安井曽太郎≪静物≫(1912[明治45/大正元]年)、果物の立体感と装飾模様の平面性が対照的なアンリ・マティス≪果物皿の傍に立つオダリスク≫(1924年、新収蔵・初公開)などをご紹介いたします。画家たちが描き出す「静物画のふしぎ」をお楽しみください。
 
ポール・セザンヌ≪ウルビノ壺のある静物≫1872-73 当館蔵
     
【仏教館】都の祈り 伊豆の祈り ■ 調査にもとづく伊豆ののびやかな造形の仏像
 上原コレクションのみやびな仏教美術とともに、当館が長年調査を行ってきた伊豆の仏像から、のびやかで、造形力ゆたかな近世の仏像を紹介いたします。当館所蔵の≪二天像≫は、平安時代後期に造られたボリューム感あふれる姿が魅力の仏像。一方、河津町・普門院に伝わる江戸時代の≪二天像≫は、ガラスの目玉をはめこみ、怪獣のような獅噛(しがみ/ベルト飾り)を着けたややユーモラスな姿。同じ≪二天像≫でも、時代や地域で表現が異なります。本展では定朝様(じょうちょうよう)の≪薬師如来像≫(当館蔵)、素朴な彫りが魅力の≪毘沙門天像≫(下田市吉佐美)などをご紹介いたします。
 
二天像(江戸時代)河津町・普門院蔵
 
―主な出品作品 [近代館] 
1. ポール・セザンヌ≪ウルビノ壺のある静物≫ 1872-73年 油彩、カンヴァス
2. ピエール・オーギュスト・ルノワール≪果物の静物≫ 1902年頃 油彩、カンヴァス
3. 安井曽太郎≪静物≫ 1912(明治45/大正元)年 油彩、カンヴァス
4. アンリ・マティス≪果物皿の傍に立つオダリスク≫1924年 リトグラフ、紙
※新収蔵・初公開  ほか
[仏教館]
5. ≪二天像≫ 江戸時代 河津町・普門院蔵
6. ≪二天像≫ 平安時代後期 当館蔵  ほか
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―伊豆。絵画でたのしむ、春の訪れ /release/202403057557 Wed, 06 Mar 2024 17:00:00 +0900 上原美術館      上原美術館の収蔵品から選りすぐりの作品を紹介する上原コレクション名品選を開催いたします。  近代館の企画展「春の訪れ」は、上原コレクションから麗らかな春の空気が漂う作品を中心にご紹介します...
 
 上原美術館の収蔵品から選りすぐりの作品を紹介する上原コレクション名品選を開催いたします。
 近代館の企画展「春の訪れ」は、上原コレクションから麗らかな春の空気が漂う作品を中心にご紹介します。戦時中の昭和20(1945)年頃、安井曽太郎が疎開先の埼玉県寄居町で、明るい日差しの中、満開の桜を描いた≪桜と鉢形城址≫や、幽玄な美を感じさせる須田国太郎≪枝垂桜≫など、あたたかな春の訪れを予感させる絵画の数々をお楽しみください。
 仏教館では、「時の結晶 仏教美術」と題して、開館40周年をしめくくる仏教美術コレクション展を開催いたします。昭和58(1983)年に開館以来、仏教美術の収集も行ってきた当館のコレクション第1号は平安時代の十一面観音菩薩像でした。ここから仏像、古写経、仏画などコレクションは今にいたるまで広がりを見せ始めます。本展では、当館が収集した珠玉の仏教美術をご紹介します。
 
展覧会概要
1)展覧会名  【近代館】 企画展 春の訪れ
        【仏教館】 企画展 時の結晶 仏教美術 ―上原コレクションの40年―
 
2)会期   2024年1月20日(土)~4月14日(日)  86日間
       *会期中無休
 
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
       
4)会場   上原美術館 近代館・仏教館
       〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
       ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)ギャラリートーク
   展覧会をより深くお楽しみいただける、学芸員による作品解説を行います。
   開催日時 展覧会会期中の毎月第3土曜日
        【近代館】10:00~ 【仏教館】11:00~  各回約45分
   参加方法 時間になりましたら展示室へお集まりください。※要入館券
 
―展覧会の見どころ
【近代館】 春の訪れ
 ■ 絵画に広がる春の麗らかな光景
 花の香り、鳥の声、風の肌触り。身の回りにある自然は、わたしたちに春の訪れを知らせます。そして、絵の中にもその季節のうつろいが秘められています。
 安井曽太郎≪桜と鉢形城址≫は、安井が戦時中、疎開先の埼玉県寄居町で、戦国時代に築かれた鉢形城址の前に広がる満開の桜を描いた作品。明るくのびやかな色彩は、のどかな春の空気を思わせます。
 安井は1944(昭和19)年夏に美術展審査のため、満州へ渡り、北京に立ち寄って制作をしました。その年末、病にかかり、かの地で療養し、翌年3月に帰国します。安井は帰国すると埼玉県寄居町に疎開しました。そして、間もなく描いたのが本作です。その美しい眺めには、鉢形城址の下を流れる荒川のせせらぎ、鼻をくすぐる春の香り、空を吹き抜ける風の肌触りをも感じさせます。戦争が続く困難な時代にも季節は流れ、新たな春が訪れます。
 本展では本作のほか、西伊豆に吹く冬の西風が春の気配を告げる梅原龍三郎≪江ノ浦、残月≫、暗がりの中から桜が浮かび上がる須田国太郎≪枝垂桜≫、横山大観≪夜桜≫、あたたかな季節の香りを感じさせるピサロ≪エラニーの牧場≫や、モネ≪藁ぶき屋根の家≫、新たな季節の喜びを歌うマティス挿画『シャルル・ドルレアン詩集』など、春の訪れを感じさせる絵画をご紹介します。上原コレクションより、新たな季節の訪れをお楽しみください。
 
   
【仏教館】 時の結晶 仏教美術-上原コレクションの40年-
 ■ 開館40周年をしめくくる仏教美術コレクションの数々
 本展では上原コレクションの名品を通じて、上原美術館の40年にわたる仏教美術の収集の軌跡を振り返ります。当館の前身の一つ、上原仏教美術館が平成元(1989)年、初めて収蔵した古美術は、平安時代(10世紀)の≪十一面観音菩薩像≫。千年の時を経た本像は、現在、当館を代表する仏像の一つとなりました。平成19(2007)年には、平安時代後期に作られたきらびやかな紺紙金銀字経、≪中尊寺経≫を収蔵したことから、古写経の収集も始まりました。近年収蔵した≪法華経 巻五(平基親願経)≫は、見返絵に美麗な彩色が施された童子が舞う姿が美しい作品です。
 またコレクションは古い絵画作品にも広がりました。本展で新収蔵・初公開となる≪諸尊図像集断簡(八大童子図)≫は鎌倉時代、北条実時が設立した金沢文庫伝来の貴重な作品で、日本洋画の巨匠、梅原龍三郎の旧蔵品でもあります。長い時を経て集積した、結晶のような仏教美術コレクションをご紹介します。
 
 
―主な出品予定作品
[近代館]
1.安井曽太郎≪桜と鉢形城址≫ 1945(昭和20)年頃 油彩、カンヴァス 60.2×72.7㎝
2.須田国太郎≪枝垂桜≫ 1953(昭和28)年 油彩、カンヴァス 37.8×65.5㎝
3.カミーユ・ピサロ≪エラニーの牧場≫ 1885年 油彩、カンヴァス 54.5×65.5㎝
 
[仏教館] 
4. ≪十一面観音菩薩像≫ 平安時代(10世紀) ※重要美術品
5. ≪阿弥陀如来像≫ 鎌倉時代(13世紀) 
6. ≪諸尊図像集断簡(八大童子図)≫ 鎌倉時代 ※新収蔵・初公開
 
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年末もお正月も開館! 上原仏教美術館40年の調査成果を一堂に! /release/202312134248 Tue, 19 Dec 2023 10:00:00 +0900 上原美術館  昭和58(1983)年5月29日、上原美術館の前身の一つである上原仏教美術館が下田の地に開館して今年で40年を迎えました。開館の翌年より伊豆南部の寺院調査に着手し、伊豆に数多くの優れた仏教美術や文...  

 
 
 近代館では、上原コレクションのストーリーをご紹介します。上原美術館の中核をなす多彩な絵画は、大正製薬名誉会長の上原昭二が蒐集したものです。上原が39歳の時に初めて手に入れた油彩画ドラン≪裸婦≫をはじめ、モネが富士山に見立てて描いた油彩画、ゴッホ幻の初期作品など、上原コレクションの絵画それぞれが辿って来たエピソードをご紹介します。
 

 
 
展覧会概要
展覧会名 
1)【仏教館】 特別展 伊豆仏に出逢う ―上原美術館の40年
  【近代館】 特別展 絵画は語る ―上原コレクションのストーリー
 
2)会期   2023年10月7日(土)~2024年1月8日(月・祝)  94日間
       *会期中無休
 
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
        ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更となっております。
 
4)会場   上原美術館 仏教館・近代館
       〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
       ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)販売物  
近代館:開催中の展覧会に合わせて、関連書籍『絵画は語る―上原コレクションのストーリー』を発行しました。
*販売価格:1,500円/サイズほか:B5変型判、144頁、オールカラー
【購入方法】
購入ご希望の方は、カタログ名と冊数、金額、ご住所、氏名、お電話番号をご記入の上、現金書留で代金をお送りください。発売日以降に送料無料でお送りいたします。
*代金受領のご連絡は、図録の発送をもって代えさせていただきます。
 
7)ギャラリートーク
   展覧会をより深くお楽しみいただける、作品解説を行います。
   開催日時 展覧会会期中の毎月第3土曜日
   【近代館】10:00~ 【仏教館】11:00~  各回約45分
   参加方法 時間になりましたら展示室へお集まりください。※要入館券
    
 
―展覧会の見どころ 【仏教館】 伊豆仏に出逢う ―上原美術館の40年 ■ 開館40年の歴史の中で出逢った仏像の数々
 上原仏教美術館が伊豆の仏像調査を開始したのは昭和59年のこと。以来、さまざまな仏像に出逢ってきました。美術館正面にある向陽寺(下田市)から見いだされた阿弥陀如来像もその一つで、本像は当館が最初に出逢った伊豆の平安仏です。現在知られているものとして、伊豆最古の10世紀に造られた阿弥陀如来像で、丸い面貌に小さな口を刻む可愛らしい表情が特徴です。
 松崎町吉田区の吉田寺阿弥陀三尊像、毘沙門天像は昭和62年の調査で発見された仏像です。当館の発見から、さまざまな仏像の研究者が調査に携わったのち、本像は伊豆を代表する鎌倉仏として、静岡県指定文化財となりました。
 伊豆半島の仏像、仏教美術調査は現在も継続中です。最新の成果として、三島市・成真寺に伝わる薬師三尊像が寺外初公開となります。箱根神社より移されたという伝承をもつ本像は、御神体のような独特の雰囲気をまとうお像です。
 

   
 
■ 幕末下田の仏師・松本雲松(うんしょう)の書画・仏像を紹介
 伊豆半島の仏像や仏教美術の調査の中で見出した、幕末下田の仏師、松本雲松も当館の継続調査対象の一つです。ほぼすべての作品に銘文を遺した雲松は、仏像、書画あわせて120点を超える作品があります。現在も調査中に雲松の作品が見つかることがあり、一人の仏師、絵師が生涯にどれほどの作品を造り続けてきたかを知る貴重な作例になっています。本展では、多目的室で雲松の自画像や、仏像をご紹介いたします。
 

   
 
【近代館】 絵画は語る ―上原コレクションのストーリー ■ 絵画が物語るエピソードを紹介
 上原コレクションの中核をなすのは、大正製薬名誉会長・上原昭二が蒐集した絵画です。長年にわたって集められたその作品は、コレクターのやさしく、穏やかなまなざしが感じられます。上原コレクションのはじまりとなるアンドレ・ドラン≪裸婦≫は、上原が39歳のときに初めて手に入れた油彩画。当時、同居していた両親に「分不相応」と叱られることを恐れて、この絵を押し入れに隠し、たまに取り出して眺めていたといいます。のちに上原が「足長お嬢さん」と呼び愛蔵した本作品は2000年に開館した上原近代美術館(上原美術館の前身の一つ)へ収蔵されました。そのほか、モネやゴッホ、須田国太郎らの絵画に秘められた物語をご紹介します。
 

 
 
展覧会動画
 
仏教館:『伊豆仏に出逢う―上原美術館の40年』
https://youtu.be/NWfY5rqJA_A?si=ypZGgokPgCgv9_EI
 

 
 
近代館『絵画は語る―上原コレクションのストーリー』
https://youtu.be/2pSHIfN8D_E?si=To1-73sIo6XWzKBn
 

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伊豆の愉快な江戸仏(えどぶつ)が大集合! /release/202307187202 Fri, 21 Jul 2023 09:00:00 +0900 上原美術館      上原美術館では伊豆の仏教美術調査を40年継続してきました。伊豆には平安時代や鎌倉時代の古い仏像が多く残されていますが、その周囲には調査でも見過ごされる小さく魅力的な仏像がたくさんあります。...
 
 上原美術館では伊豆の仏教美術調査を40年継続してきました。伊豆には平安時代や鎌倉時代の古い仏像が多く残されていますが、その周囲には調査でも見過ごされる小さく魅力的な仏像がたくさんあります。本展は、上原美術館が所蔵する平安・鎌倉時代の「きれいな仏像」と、調査で見出した伊豆の「愉快な江戸仏」を合わせてご紹介します。
 例えば、河津町・林際寺に伝わる誕生仏は、拳を振り上げるプロレスラーのようにも見えます。南伊豆町・青龍寺に伝わる不動明王像は、木材の前面のみを彫り出していて、トーテムポールのような力強さがあります。河津町・小峰堂に伝わる地蔵菩薩像は、地元の石で造られた愛らしい姿が印象的です。それらは彫刻史の文脈からはとらえられませんが、のびやかで愛らしいその姿には江戸時代の人々の祈りが込められています。本展では伊豆の「愉快な江戸仏」21体をご紹介するほか、当館が新たに収蔵した鎌倉時代の阿弥陀如来像など、「きれいな仏像」をご紹介します。
 
 近代館では、新収蔵・初公開となる鏑木清方(かぶらき きよかた)《木母寺夜雨(もくぼじよさめ)》を中心に、松林桂月、小林古径、牛島憲之など、上原コレクションの絵画15点から「雨をたのしむ」作品をご紹介いたします。
 
―展覧会概要 1)展覧会名 【仏教館】 企画展 きれいな仏像 愉快な江戸仏
       【近代館】 企画展 上原コレクション名品選 雨をたのしむ
2)会期   2023年4月29日(土・祝)~9月24日(日)  149日間
       *会期中無休
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
       ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更となっております。
4)会場   上原美術館 仏教館・近代館
       〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
       ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
6)販売物  仏教館の企画展「きれいな仏像 愉快な江戸仏」の関連企画として、小冊子『愉快な江戸仏』を発行します(8月中旬発売)。仏像大好きアナウンサー久保沙里菜さんをナビゲーターにお迎えして、フォトブック形式で伊豆の江戸仏の魅力をご紹介します。
       *販売価格:700円/サイズ:17.0×19.0cm/ページ数:72頁/発行:8月中旬予定
       *詳細はホームページをご参照ください。
7)ギャラリートーク  展覧会をより深くお楽しみいただける、作品解説を行います。
           開催日時 展覧会会期中の毎月第3土曜日
           【近代館】10:00~ 【仏教館】11:00~  各回約45分
           参加方法 時間になりましたら展示室へお集まりください。※要入館券    
 
―展覧会の見どころ 【仏教館】 きれいな仏像 愉快な江戸仏 ■ ゆるくてかわいい、伊豆の「愉快な江戸仏」21体が大集合!
 伊豆には平安時代や鎌倉時代の古い仏像が多く残されていますが、その周囲には調査でも見過ごされる小さく魅力的な仏像がたくさんあります。本展では普段は見ることの少ない江戸仏(えどぶつ)21体を展示し、その魅力をご紹介します。
 河津町・林際寺に伝わる誕生仏は、拳を振り上げるプロレスラーのようにも見えます。南伊豆町・青龍寺に伝わる不動明王像は、木材の前面のみを彫り出していて、トーテムポールのような力強さがあります。河津町・小峰堂に伝わる地蔵菩薩像は、地元の石で造られた愛らしい姿が印象的です。それらは彫刻史の文脈からはとらえられませんが、のびやかで愛らしいその姿には江戸時代の人々の祈りが込められています。
 
■ 新収蔵・初公開!鎌倉時代の阿弥陀如来像
 当館の仏像コレクションに新たに鎌倉時代の阿弥陀如来像が加わりました。本像には「文永七年」(1270年)の造像銘(仏像が造られた由緒を記した銘文)があり、仏像の年代観を知る貴重な基準作です。穏やかな表情を浮かべる面貌は、浄土への救いを求める鎌倉時代の人々の願いを感じさせます。本展では、同じく文永7(1270)年に制作された大日如来像も展示、鎌倉時代の美意識を見ることができます。
 そのほか上原コレクションを代表する仏像の一つである十一面観音像(平安時代/10世紀、重要美術品)など、「きれいな仏像」を奥の展示室で公開します。「愉快な江戸仏」との違いをお楽しみください。
 
【近代館】 雨をたのしむ ■ 鏑木清方《木母寺夜雨》ほか新収蔵作品に注目!
 上原美術館では、新たに鏑木清方の≪木母寺夜雨≫、≪待乳夜雨≫、≪初冬の雨≫を収蔵、本展にて初公開します。清方は雨を愛した画家ですが、本展で出品する作品はいずれも傘を持つ女性が描かれています。本展では、鏑木清方の作品7点のほか、松林桂月や小林古径、牛島憲之、ピエール・ボナールなど、画家たちが描き出した雨にまつわる絵画15点をご紹介します。雨に濡れるからこそ一層美しく輝く情景がとらえられた作品の数々をお楽しみください。
 
―主な出品予定作品 [仏教館]
1. ≪誕生仏(木造)≫ 江戸時代 河津町・林際寺蔵
2. ≪不動明王像≫ 江戸時代 南伊豆町・青龍寺蔵
3. ≪地蔵菩薩像≫ 江戸時代 河津町・小峰堂
4. ≪阿弥陀如来像≫ 鎌倉時代(文永7[1270]年) ※新収蔵・初公開
 
[近代館]
1.鏑木清方≪木母寺夜雨≫ 1936(昭和11)年 絹本彩色、軸装 126.6×41.9㎝ ※新収蔵・初公開
2.ピエール・ボナール≪雨降りのル・カネ風景≫1945年 油彩、カンヴァス 51.6×64.6㎝ ほか
 
―広報用画像 本展紹介記事等を記載される場合、以下の画像と展覧会チラシデータをご提供できます。
電話、またはメールにてご連絡ください。
※画像掲載をする場合、作品クレジットの明記をお願いいたします。
1.≪誕生仏(木造)≫江戸時代 河津町・林際寺
2.≪地蔵菩薩像≫江戸時代 河津町・小峰堂
3.≪不動明王像≫江戸時代 南伊豆町・青龍寺
4.≪阿弥陀如来像≫鎌倉時代(文永7[1270]年) ※新収蔵・初公開
5.鏑木清方≪木母寺夜雨≫1936(昭和11)年 ©Kiyoo Nemoto2023/JAA2300051 ※新収蔵・初公開
 
 
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梅原龍三郎が描く伊豆の風景、4月16日まで! /release/202303284335 Wed, 29 Mar 2023 16:00:00 +0900 上原美術館 日本洋画の巨匠・梅原龍三郎がみた伊豆    上原美術館では特別展「梅原龍三郎と伊豆」を開催しております。近代洋画を代表する画家のひとりである梅原龍三郎は伊豆と深い縁がありました。梅原は20代後半に熱...  
 上原美術館では特別展「梅原龍三郎と伊豆」を開催しております。近代洋画を代表する画家のひとりである梅原龍三郎は伊豆と深い縁がありました。梅原は20代後半に熱海を訪れて以来、熱海や江ノ浦、大仁、三津など、生涯を通じて伊豆の地を訪れ、制作を重ねます。そこで生まれる雄壮できらびやかな作品群は梅原の代表作として広く知られるようになりました。本展では、当館にて新収蔵しました《江ノ浦 残月》や《富士山図》、疎開中や戦後に大仁で描いた《冨士》のほか、梅原龍三郎の日記など資料から、梅原龍三郎と伊豆の関係を紹介し、梅原芸術の全体を概観します。
 仏教館では企画展「きれいなお経 かわいいお経」を同時開催しております。本展では新収蔵した《荒川経》、《善財童子絵断簡(善知衆芸童子)》ほかを中心に、美しい紙を用いた装飾経や、経典の扉に描かれるかわいらしい挿絵を上原コレクションの中からご紹介いたします。
 
―展覧会の見どころ
 
【近代館】 梅原龍三郎と伊豆  
■梅原が伊豆周辺で描いた絵画21点と、伊豆で記した日記を展示 (第1展示室)
梅原は40代のときに、熱海にある友人の別荘に家族で度々滞在して、代表作を生み出していきます。≪紅良像≫(個人蔵)はその代表的な作品です。
新収蔵初公開となる≪江ノ浦 残月≫は、静浦の一角で描かれました。発表当時に話題となり、「神品」とも呼ばれた本作は、光を色彩で捉える梅原の画風をよくあらわしています。三津では、高台にある知人の別荘を借りて、内浦湾と淡島の向こうに見える勇壮な≪富士山図≫(個人蔵)を描き出します。
大仁は、梅原が疎開した場所です。世間から離れて静かに制作した梅原は、そこで富士山シリーズを生み出します。
また、新発見となる伊豆疎開時につけていた梅原の伊豆日記を本展にて初公開します。しばしば空襲警報が鳴る様子や、沼津空襲が大仁から見えたことなど、当時の情勢がうかがい知れるほか、日々、静かに制作をしていた様子が買い見えます。
 

 
 
■パリ留学時の梅原とルノワールの関係を紹介 (第2展示室) 
梅原は20歳でパリに渡り、老齢のルノワールに会って、直接教えを受けました。「絵を成すのは眼でない手だ。自然をよく御覧なさい」というルノワールの言葉は、生涯を通じて梅原芸術の指標となります。フランス滞在時の代表作である≪黄金の首飾り≫(東京国立近代美術館蔵)は、赤い壁紙をパリのアパートに貼って描いたといいます。見えるものを描くという徹底した態度は、装飾的な画風の中に繊細な光が宿る富士山の作品にも見ることができます。
 

 
 
■天衣無縫の梅原芸術 (第3展示室)
梅原晩年の奔放な画風は、「天衣無縫」という言葉であらわされます。第3展示室では、梅原がコレクションした李朝の白磁青花壺とそれを描いた≪ひまわり≫(個人蔵)を並べて展示。梅原の観察眼と自由な表現を比較します。
 


 
 
【仏教館】 きれいなお経 かわいいお経  
■≪善財童子絵≫ほか、計4点の新収蔵初公開となるお経を初公開!
≪善財童子絵≫(鎌倉~南北朝時代、新収蔵初公開)は、菩薩道を志す善財童子が、各地の先人を訪ねて、教えを受ける姿が愛らしく描かれています。≪一字宝塔法華経断簡≫(平安時代、新収蔵初公開)は、宝塔の中に一字ずつ法華経の文字が書写された美しいお経です。その他、藍で染めた紙を銀箔とともに漉き込んだ≪雲紙法華経断簡≫(平安時代、新収蔵初公開)、平安時代の代表的な紺紙金字経の一つ≪荒川経≫(平安時代後期、新収蔵初公開)など、さまざまな古写経をご紹介します。
 


 
展覧会概要
 
1)展覧会名  【近代館】 特別展 梅原龍三郎と伊豆
        【仏教館】 企画展 きれいなお経 かわいいお経
 
2)会期   2023年1月21日(土)~4月16日(日)  86日間 ※会期中無休
 
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
        ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更となっております。
 
4)会場   上原美術館 近代館・仏教館
       〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
            ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)販売物  近代館の特別展「梅原龍三郎と伊豆」では展覧会図録を販売しております。(B5変型判、116ページ、56作品)
      販売価格1,000円 。
      ※仏教館の展覧会図録発行はございません。
 
7)関連イベント
■ギャラリートーク(作品解説) ※開催中の展覧会や作品を担当学芸員が解説します。
 開催日:展覧会会期中の毎月第3土曜日
 時 間:近代館)10:00~ 仏教館)11:00~ ※各45分程度
参加方法:要入館券、時間になりましたら展示室へお集まりください。
 
展覧会動画
・近代館『梅原龍三郎と伊豆』
 

 
 
・仏教館『きれいなお経 かわいいお経』
 

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文化財指定のない「無冠」の仏像、寺外初公開の平安仏など約20点を展示 /release/202211179976 Wed, 23 Nov 2022 12:00:00 +0900 上原美術館  仏像ブーム、国宝ブームと言われて十数年。日本美術の人気は衰えを知りませんが、ブームの主役は国宝や重要文化財で、こうした指定文化財に多くの方の関心が集中しているようです。ところで現在、文化財指定を受...  近代館は企画展「まなざしをみるー画家とモデルの隠された視線」を同時開催いたします。本展では画家やモデルのまなざしに注目して、絵画の中に広がる不思議な空間へと入っていきます。まなざしが導く豊かな絵画の世界をどうぞお楽しみください。
 
展覧会概要
1)展覧会名 【仏教館】 特別展 無冠の仏像-伊豆・静岡東部の無指定文化財
       【近代館】 企画展 まなざしをみるー画家とモデルの隠された視線
2)会期   2022年10月8日(土)~2023年1月9日(月・祝)  94日間
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
        ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更となっております。
4)会場   上原美術館 仏教館・近代館
       〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
       ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
6)販売物  仏教館特別展「無冠の仏像」は展覧会図録を発行予定です。
※発行時期・価格はSNS, ホームページでお知らせします。詳細はお問合せください。
※近代館の展覧会図録発行はございません。
 
 
当館では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご来館のお客様へ以下のご協力をお願いしております。
―ご入館時のお願い
・マスクの着用をお願いいたします。(お持ちでない方には、マスクをお渡ししています)
・手指消毒の徹底をお願いいたします。(アルコール消毒液をご用意しております)
・「検温」にご協力ください。
※体調不良の方には、入館をご遠慮いただく場合がございます。
・「3密」を避けるため、やむを得ず入館制限をする場合がございます。
・ラウンジでのお飲み物のサービスを当面の間、休止させていただきます。
―当館での取り組み
・職員は毎日検温し、マスク着用にて応接させていただきます。
・感染症拡大防止のため、受付への飛沫防止アクリル板の設置、手指消毒液の設置、マスクの準備、定期的な館内清掃を強化しております。
 
 
―展覧会の見どころ
【仏教館】 無冠の仏像―伊豆・静岡東部の無指定文化財 ■ 文化財指定の陰にかくれた名品  当館では開館以来、39年に渡り継続して伊豆を中心に静岡県内各地の仏教美術調査を行い、貴重な仏像や神像が多数存在することを明らかにしてきました。本展では造形的に優れた像でありながら、文化財指定を受けていない仏像の数々をご紹介いたします。
 三島市安久の長福寺に伝わる十一面観音像、如来形像(いずれも平安時代)は当館の調査によって見出された仏像です。等身大のこの二像は、三島市に伝わる平安仏としては、ほとんど知られておらず、今回初めて寺外で公開されます。薬師如来像(今回未出品)とともに三尊として祀られていますが、由来など詳しいことはまだ分かっていません。
 下田市須原・法雲寺の如意輪観音像(平安時代)は10世紀に造られた古い如意輪観音像として、関東一円にも例がないほどの貴重な仏像です。膝には大きな襞と小さな襞を繰り返す翻波式衣文が見られるなど、平安時代の特徴を残しています。本像は本来、文化財指定を受けるべき仏像ですが、信仰上の理由によって指定を受けておらず、今も30年に一度開帳される秘仏として地元の方々が守り続けています。
 
■ 寺外初公開!平安時代の毘沙門天像  裾野市公文名の光明寺には平安時代に造られた毘沙門天像、不動明王像、室町~江戸初期に造られた阿弥陀如来像、大日如来像が伝わっています。本展ではこのうち不動明王像以外の3体を展示いたします。毘沙門天像は等身大の大きな像で、やや腰をひねり邪鬼を踏みつけた姿をしています。仏像の表面は長い年月によって風化しているものの、身に着けた甲冑や衣の襞が一部残っており、本像のみどころの一つです。当初はこの毘沙門天像、不動明王像を従えた中尊がいたと考えられますが、造像に関わる伝承は失われています。
 
■ 美しきみほとけの断片 破損仏  数多く造られてきた仏像も、すべてが完全な形で現在まで伝えらえてきたわけではありません。伊豆の国市長岡・宗徳寺には平安時代に造られた等身大の神王像や、節が多い材を用いた僧形像などの破損仏が人知れず伝わってきました。これらの像は元々どこに安置されていたか分からず今も多くの謎に包まれています。
 伊豆の国市韮山・国清寺には中世に造像されたと考えられる仏像の断片が数多く残されています。残された足や持物から、等身大を超える仏像が寺院内に林立していたと考えられます。これら仏像の断片は、造形的な魅力もさることながら、土地の歴史や信仰を知るてがかりとなる貴重な文化財です。
 
 
【近代館】 まなざしをみる―画家とモデルの隠された視線 ■ 絵画に隠された様々なまなざし  うっすらとした影の中からこちらを見つめるドラン《婦人像》。そのまなざしは、見るものに何かを語りかけるかのようです。絵の中のまなざしをたどってみると、そこには時や場所を越えて、描かれた人との交流が生まれます。絵画には、画家自身のまなざしも隠されています。マティス《鏡の前に立つ白いガウンを着た裸婦》は、大きな鏡の左端にカンヴァスとイーゼルが映り込んでいます。それらは画家の存在を暗示し、明るい色彩の中に複雑で豊かな空間を立ち上がらせます。
 一見、何の変哲もない静物画にも画家のまなざしを見ることができます。セザンヌ《ウルビノ壺のある静物》は立体感をなくすかのように静物が真正面からとらえられています。セザンヌは同じ配置のモティーフを斜め上からも描いていますが、その試みは絵画における平面と立体の関係性を問うかのようです。
 鏑木清方《みぞれ》は、樋口一葉の小説「たけくらべ」の一場面です。うつむきがちのまなざしは、大人への成長の中で揺れ動く主人公の内面をあらわすかのようです。本作は新収蔵、初公開となる作品です。
 
―主な出品予定作品
[仏教館] 
1. ≪十一面観音像≫平安時代 一木造・彫眼・漆箔 三島市安久・長福寺 ※寺外初公開
2. ≪毘沙門天像≫平安時代 一木造・彫眼・素地 裾野市公文名・光明寺 ※寺外初公開
3. ≪如意輪観音像≫平安時代 一木造・彫眼・素地 下田市須原・法雲寺
4. ≪観音菩薩像≫鎌倉時代 一木造・玉眼・截金 河津町沢田・林際寺 ※寺外初公開
ほか
 
[近代館]
1.アンドレ・ドラン≪婦人像≫1934-39年頃 油彩、カンヴァス 50.0×44.5㎝
2.アンリ・マティス≪鏡の前に立つ白いガウンを着た裸婦≫1937年 油彩、カンヴァス 46.0×38.0㎝
3.鏑木清方≪みぞれ≫ 1948(昭和23)年 絹本彩色 28.7×27.4㎝ ※新収蔵・初公開
ほか
 
―広報用画像
※画像掲載をする場合、作品クレジットの明記をお願いいたします。
※記載のないものはすべて当館蔵です。
 
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金銀が輝くきらびやかな装飾経を初公開! /release/202207073530 Tue, 19 Jul 2022 12:00:00 +0900 上原美術館     上原コレクション名品選 きん ぎん すみいろ/船と絵画    上原美術館の収蔵品から選りすぐりの作品を紹介する「上原コレクション名品選」。今回は、新収蔵品を中心に、美しい古写経の世界と、船を...
 
上原コレクション名品選
きん ぎん すみいろ/船と絵画
 
 上原美術館の収蔵品から選りすぐりの作品を紹介する「上原コレクション名品選」。今回は、新収蔵品を中心に、美しい古写経の世界と、船を描いた絵画をご紹介する展示を行います。
 仏教館の企画展「きん ぎん すみいろー新収蔵・高野大師行状絵巻断簡とともに」は、平安時代に書写されたきらびやかな装飾経や、墨色美しい古写経をご紹介するとともに、多くの経典や文物を日本へもたらした弘法大師・空海の生涯を描いた絵巻物の一部、≪高野大師行状絵巻断簡≫を新収蔵・初公開いたします。
 近代館の企画展「船と絵画―みなもに揺られて」は、上原コレクションの中から、船が描かれた絵画に注目して展示いたします。遠くの人やものを繋ぐ船は、いにしえより人々の生活のそばにあり、旅や人生を想起させます。本展ではシニャックやルノワール、マルケらの船の絵画をご紹介するほか、新収蔵となる須田国太郎≪下田港≫を初公開いたします。
 
 
 
展覧会概要
1)展覧会名  上原コレクション名品選
【仏教館】 きん ぎん すみいろ―新収蔵・高野大師行状絵巻断簡とともに
【近代館】 船と絵画-みなもに揺られて
2)会期    2022年4月29日(金・祝)~9月25日(日) 150日間 会期中無休
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更となっております。
4)会場   上原美術館 近代館・仏教館  〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
当館では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご来館のお客様へ以下のご協力をお願いしております。
―ご入館時のお願い
・マスクの着用をお願いいたします。(お持ちでない方には、マスクをお渡ししています)
・手指消毒の徹底をお願いいたします。(アルコール消毒液をご用意しております)
・「検温」および「体調確認書」のご記入にご協力ください。
※体調不良の方には、入館をご遠慮いただく場合がございます。
・「3密」を避けるため、やむを得ず入館制限をする場合がございます。
・ラウンジでのお飲み物のサービスを当面の間、休止させていただきます。
―当館での取り組み
・職員は毎日検温し、マスク着用にて応接させていただきます。
・感染症拡大防止のため、受付への飛沫防止アクリル板の設置、手指消毒液の設置、マスクの準備、定期的な館内清掃を強化しております。
 
 
―展覧会の見どころ
 
【仏教館】 きん ぎん すみいろ―新収蔵・高野大師行状絵巻断簡とともに
■ 新収蔵・初公開!中世の絵巻物断簡
 
 高野大師とは平安時代、中国で密教を学び日本へと伝えた弘法大師・空海のこと。空海の生涯をあらわした絵巻物は数種ありますが、当館ではそれらの一つにあたる高野大師行状絵巻の断簡を新収蔵しました。
 鎌倉~南北朝時代に描かれた本図は、空海が中国で集めた多くの経典や文物が大きな船に載せられ、九州・大宰府へもたらされた様子が描かれています。小さな小舟へと船人が大事そうに荷物の受け渡しをしている本図の場面からは、海外からやってきた新しい文化が日本へと受容される様子がうかがえます。
 
■きらびやかで美しい装飾経≪金銀野毛散観普賢菩薩行法経断簡≫
 
 遠く中国から日本にもたらされた仏教の経典は、やがて美しい装飾を施したものが作られるようになります。平安時代後期には貴族たちによって美麗な装飾経が数多く生み出されました。本展で初公開となる≪金銀野毛散観普賢菩薩行法経断簡≫は、金銀箔を細く切ったものを紙に散らした華やかな装飾経です。800年近い時を超えてなお美しくきらめく本作品からは、荘厳な仏の世界が浮かび上がるかのようです。上原コレクションの古写経をお楽しみください。
 
【近代館】 船と絵画-みなもに揺られて
■ 画家と船のものがたり
 
 遠くの人やものを繋ぐ船は、古くから人々の生活のそばにありました。そして、画家たちは様々な思いとともに船を描きます。新印象主義の画家シニャックは生涯30隻以上の船を所有し、海の風景を数多く描きました。≪アニエール、洗濯船≫は画家18歳の作品です。モネに憧れて絵を描き始めた若きシニャックによるセーヌ川のかがやきは、大海に船を漕ぎ出す自らの未来を暗示するかのようです。
 旅の画家マルケもまたセーヌ川などで多くの船を描きます。マルケにとって船が大きな意味を持つようになったのは1920年のことです。北アフリカのアルジェを旅したマルケは、そこで生涯の伴侶と出会いました。その後、度々地中海を渡ったマルケは、船そのものが後半生をあらわす重要な乗りものとなります。
 1954(昭和29)年に下田を訪れた須田国太郎は港の向こうに並ぶなまこ壁の家々を印象的にとらえ、船が行き交う町の風情をとらえています。本展覧会では新収蔵となる須田国太郎≪下田港≫を初公開します。その他、下田市白浜の板戸海岸を描いた牛島憲之≪雨明かる≫も展示します。
 
   
―主な出品予定作品
[仏教館] 
1.≪高野大師行状絵巻断簡≫鎌倉~南北朝時代 紙本著色 ※新収蔵・初公開
2.≪金銀野毛散観普賢菩薩行法経断簡≫平安時代 彩箋墨書 ※新収蔵・初公開
3.≪阿毘達磨倶舎論巻第二十六(中尊寺経)≫平安時代 紺紙金銀泥 重要美術品
 
[近代館]
4. ポール・シニャック≪アニエール、洗濯船≫1882年 油彩、カンヴァス 38.6×56.0㎝
5. アルベール・マルケ≪曳き舟≫1920年 油彩、カンヴァス 33.0×41.0㎝
6. 須田国太郎≪下田港≫1957(昭和32)年 油彩、カンヴァス 50.0×61.0㎝
  ※新収蔵・初公開 ほか
 
―広報用画像
※画像掲載をする場合、作品クレジットの明記をお願いいたします。
※記載のないものはすべて当館蔵です。
 
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早春の伊豆で花の絵画をたのしむ 上原コレクション名品選 花かおる絵画/祈りの文字 祈りのかたち 開催中 /release/202203118554 Tue, 15 Mar 2022 14:30:00 +0900 上原美術館    上原美術館の収蔵品から選りすぐりの作品を紹介する「上原コレクション名品選」。今回は、花をテーマにした展覧会と、作品にこめられた祈りのかたちや文字にスポットを当てた展覧会を開催します。  近代館...

 上原美術館の収蔵品から選りすぐりの作品を紹介する「上原コレクション名品選」。今回は、花をテーマにした展覧会と、作品にこめられた祈りのかたちや文字にスポットを当てた展覧会を開催します。
 近代館の企画展「花かおる絵画」は、上原コレクションの中から、花のかおりただよう絵画を集めました。ルドンが描く幻想的な≪花瓶の花≫や、林檎の花の甘い香りが田園風景に広がるピサロ≪エラニーの牧場≫など、美しい花々の競演をお楽しみください。
 仏教館は「祈りの文字 祈りのかたち」と題して、洋の東西を問わずに祈りに込められた「文字」や「かたち」に着目して作品を展示しています。江戸時代の禅僧、白隠慧鶴(はくいんえかく)が禅の境地を描いた≪達磨図(だるまず)≫や、ルオーが描いた≪キリスト≫など、さまざまな祈りの「かたち」をご紹介いたします。
 
 
展覧会概要
1)展覧会名  上原コレクション名品選
       【近代館】 花かおる絵画
       【仏教館】 祈りの文字 祈りのかたち
2)会期   2022年1月22日(土)~4月17日(日)  86日間
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
       ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更となっております。
4)会場   上原美術館 近代館・仏教館  〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
       ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
当館では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご来館のお客様へ以下のご協力をお願いしております。
―ご入館時のお願い
・マスクの着用をお願いいたします。(お持ちでない方には、マスクをお渡ししています)
・手指消毒の徹底をお願いいたします。(アルコール消毒液をご用意しております)
・「検温」および「体調確認書」のご記入にご協力ください。
※体調不良の方には、入館をご遠慮いただく場合がございます。
・「3密」を避けるため、やむを得ず入館制限をする場合がございます。
・ラウンジでのお飲み物のサービスを当面の間、休止させていただきます。
―当館での取り組み
・職員は毎日検温し、マスク着用にて応接させていただきます。
・感染症拡大防止のため、受付への飛沫防止アクリル板の設置、手指消毒液の設置、マスクの準備、定期的な館内清掃を強化しております。
 
―展覧会の見どころ
【近代館】 花かおる絵画
■ ルドンやピサロ、安井曽太郎らが描く花の競演
 「梅の花 香をかぐはしみ 遠けども 心もしのに 君をしぞ思ふ」(市川王、天平宝字2[758]年、万葉集)。これは今から1200年以上前に、梅の香りに託して敬愛の心を詠んだ歌です。古来より花の香りにはさまざまな思いが重ねられ、また花そのものの美しさも多くの人々を魅了してきました。花は絵画の題材としても親しまれてきましたが、描かれた花の香りもイメージしてみると、そこには豊かな空間が広がっていきます。
 本展では花をテーマにルドンやモネ、ルノワール、マティス、梅原龍三郎らが描いた花の香り漂よう作品をご紹介します。ルドンが描いた≪花瓶の花≫は、アネモネをはじめ、色とりどりの花が咲き乱れています。現実の花が無限の世界と合流するかのように混じりあうその香りは、パステルの不思議な色彩と相まって見る者を幻想的な世界へと導きます。
 ピサロの≪エラニーの牧場≫は、牛が草をはむのどかな牧場に林檎の花が咲き誇り、花の甘い匂いが今にもただよってきそうです。さわやかな春の空気が伝わってくる作品です。
 
■ 新収蔵・初公開となる2点の桜!安井曽太郎≪桜と鉢形城址≫と須田国太郎≪しだれ桜≫
 当館で新収蔵した花の作品2点を初公開します。≪桜と鉢形城址≫は、安井曽太郎が埼玉県寄居町(よりいまち)に疎開した1945(昭和20)年に描いた桜の風景。これまでほとんど展覧会に出品されていない大作で、「再発見された幻の名品」です。
 須田国太郎≪しだれ桜≫は、画家の円熟期に描かれた京都のしだれ桜。背景から浮かびあがる幽玄な花は西洋東洋のジャンルを越えた不思議な美が漂います。
 
【仏教館】 祈りの文字 祈りのかたち
■ 洋の東西を越えた祈りのかたち
 仏教館は洋の東西を問わず、絵や文字に込められた「祈り」に注目し、写経や仏像、キリストの聖像(イコン)などをご紹介します。
 江戸時代に活躍した沼津出身の僧、白隠慧鶴(はくいんえかく)。白隠は仏の教えを優しく解きあかし、広く人々に伝える手段として、その生涯に多くの書や絵を描きました。当館所蔵の≪達磨図≫は、ぎょろりとした目で上方をにらむかのような達磨を、画面中央に大きく描き、禅の言葉「見性成仏(けんしょうじょうぶつ)」が書き添えられています。墨のみで表現された世界は、禅の境地を伝えるようです。
 また仏の教えを伝える経典は文字一つひとつに祈りをこめて書写されました。奈良時代に書写された≪中阿含経(ちゅうあごんきょう)≫は約9mの長さの経典ですが、経文の最後まで謹厳な書体で書かれ、緊張感が伝わってくる作品です。ほかにキリスト教の東方正教会でもちいられる独特な表現で17世紀ころに描かれた≪聖母子像≫、重厚な輪郭線や個性的な色彩が魅力的なジョルジュ・ルオー≪キリスト≫、当館コレクションの顔の一つでもある≪十一面観世音菩薩像≫などの仏像もあわせて展示いたします。
   
―主な出品予定作品
[近代館]
1.オディロン・ルドン≪花瓶の花≫ 1910年頃 パステル・紙 55.0×40.0cm
2. カミーユ・ピサロ≪エラニーの牧場≫ 1885年 油彩、カンヴァス 54.5×65.5㎝
3. アンリ・マティス≪読書する女性≫ 1922年 油彩、カンヴァス 24.5×33.5㎝
4. 安井曽太郎≪桜と鉢形城址≫ 1945(昭和20)年 油彩、カンヴァス 60.2×72.7㎝ 新収蔵・初公開
 
[仏教館] 
5. 白隠慧鶴≪達磨図≫ 江戸時代 紙本墨画
6. ≪中阿含経巻五十一≫ 奈良時代(8世紀) 紙本墨書
 
 
―広報用画像
※画像掲載をする場合、作品クレジットの明記をお願いいたします。
※記載のないものはすべて当館蔵です。
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年末年始も開館! 静岡と伊豆に伝わる薬師如来、堂外初公開の平安仏など26点を展示【上原美術館】 /release/202112034445 Tue, 14 Dec 2021 13:00:00 +0900 上原美術館 ■特別展『静岡の仏像+伊豆の仏像』/『鏑木清方 築地川の世界』  ~2022/1/10まで無休で開催     静岡県は東西を結ぶ東海道、太平洋と甲斐国(山梨県)を結ぶ富士川街道など、無数の街道が縦横...  ~2022/1/10まで無休で開催 
 
 静岡県は東西を結ぶ東海道、太平洋と甲斐国(山梨県)を結ぶ富士川街道など、無数の街道が縦横に走る本州の結節点。静岡県中部は古く駿河国と呼ばれ、現在の静岡市に国府(こくふ)が置かれていました。一方、県東端の伊豆は古来、海上交通の要衝で、遠く離れている静岡市と伊豆は、同じように人とモノ、文化が行きかう重要な土地だったのです。静岡市と伊豆を仏像から見ると、興味深い共通点があります。いずれも古い薬師如来像が多く、薬師如来を中心とする群像があるのです。仏教館で開催する特別展「静岡の仏像+伊豆の仏像」では、伊豆と静岡、それぞれに伝わる薬師如来と、薬師を取り巻く群像の一部を厳選して展示。堂外初公開の貴重な仏像も公開します。
 近代館では、企画展「鏑木清方(かぶらき きよかた)≪築地川≫の世界」を同時開催いたします。当館新収蔵・初公開となる鏑木清方の画帖(がちょう)≪築地川≫を2期にわたり、全てのページを展示。画帖には明治から大正期にかけての、築地川にまつわる人々の暮らしが、少年期の清方の思い出とともに、描き出されています。本展では、他に清方が描いた挿絵など、画業の一端をご紹介します。
 
 
 
―展覧会の見どころ
【仏教館】 静岡の仏像+伊豆の仏像
■ 堂外初公開・静岡の山間にたたずむ、知られざる仏像群
 静岡市葵区の松野阿弥陀堂は安倍川の流域、谷筋に開けた茶畑の中に建っています。お堂の中には、平安時代に造られた3mを越す巨大な阿弥陀如来像を中心に、1mほどもある如来形(にょらいぎょう)と菩薩形(ぼさつぎょう)の面部、朽ちてなお美しさを湛える菩薩・天部形(てんぶぎょう)像4躯(く)が安置されています(いずれも静岡市指定文化財)。今の本尊は阿弥陀如来の姿ですが、元は薬師如来を祀る薬師堂として地域の方々に大切に守られてきました。
 また松野阿弥陀堂の山向こうにある静岡市葵区、坂ノ上薬師堂(さかのかみやくしどう)は、藁科川(わらしながわ)沿いの奥深い山々に抱かれた集落に残るお堂。ここには平安時代に造られた仏像が15体安置されています。10世紀に造られた仏像は、静岡市内でも屈指の古仏で、薬師如来を中心とした仏像群として、その構成にも注目されます。あまり知られることがなく、地域の方々が大切に守ってきた仏像群は、参拝者を圧倒する迫力です。今回は両堂から計10点の仏像を展示します。ともに堂外初公開となる貴重な機会です。
 
『静岡の仏像+伊豆の仏像』展示風景(松野阿弥陀堂の仏像群 ※静岡市指定文化財)
 
如来像 平安時代(10世紀) 静岡市葵区坂ノ上・坂ノ上薬師堂 ※静岡県指定文化財
 
■ 伊豆最古のみほとけ・火山との関係
 伊豆からは河津町谷津(やつ)に伝わる南禅寺(なぜんじ)(河津平安の仏像展示館)より、平安時代9世紀に造られた薬師如来像(静岡県指定文化財)を展示します。南禅寺には平安時代に造られた等身大の仏像・神像があわせて26体伝えられていますが、なぜ河津にこれだけの群像が存在するのか長く謎とされてきました。近年、伊豆沖の火山噴火による神の怒りを鎮めるために造像されたという説が唱えられ、再び注目を集め始めた仏像群です。節や洞(うろ)がある霊木を使用し、仏や神の姿が化現(けげん)したような、少し厳しさを湛える像が多いことも特徴です。また同じく南禅寺から、東海最古の地蔵菩薩像(静岡県指定文化財)、等身大の男神像(河津町指定文化財)も公開します。
 
薬師如来像 平安時代(9世紀)河津町谷津・河津平安の仏像展示館 ※静岡県指定文化財
 
4.地蔵菩薩像 平安時代(9世紀後半~10世紀) 河津町谷津・河津平安の仏像展示館 ※静岡県指定文化財
 
■ 神と仏のすがた 本地仏(ほんじぶつ)
 日本では昔、神と仏が一体となる神仏習合の考えがありました。本展では、神社のご神体として祀られていた薬師如来像もご紹介します。南伊豆町手石の青龍寺に伝わる薬師如来像(平安時代11世紀・南伊豆町指定文化財)は、延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)に登場する式内社(しきないしゃ)・月間(つきま)神社のご神体として信仰されてきた仏像です。月間神社の祭神である三嶋神の本地仏は、薬師如来とされており、11世紀にはすでに神仏習合の考えの元、信仰されてきたことが分かる貴重な作例です。
※本像のみ、寺院のご厚意により写真撮影が可能です。
 
【近代館】 鏑木清方(かぶらき きよかた)≪築地川≫の世界
■ 鏑木清方が描く情緒あふれる下町の風景
 当館で新収蔵となった鏑木清方≪築地川≫を初公開いたします。清方が幼い頃に暮らした東京・下町の情景を描いた画帖からは、明治期に暮らした人々の活気あふれる様子が浮かび上がります。タイトルとなっている築地川は、かつて築地を囲むように流れていた掘割の川で、その周りには多くの人々が集い生活を営んでいました。本展では美しい絵と文章でつづられた画帖≪築地川≫を中心に、新収蔵となる≪春雨≫のほか、挿絵画家としても活躍した清方の挿画などを紹介し、画家が愛した明治時代の情景をお楽しみいただきます。
 
 
5.鏑木清方≪築地川≫より「築地橋」 1941年 紙本彩色 上原美術館 ©Akio Nemoto 2021/JAA2100228
 
*十図からなる鏑木清方≪築地川≫は、中間展示替えを行い、全図をご紹介します。
 前期:2021年10月9日(土)~11月25日(木)
 後期:2021年11月26日(金)~2022年1月10日(月・祝)
 
―展覧会概要
1)展覧会名  【仏教館】 特別展 静岡の仏像+伊豆の仏像-薬師如来と薬師堂のみほとけ
        【近代館】 企画展 鏑木清方≪築地川≫の世界
 
2)会期   2021年10月9日(土)~2022年1月10日(月・祝)  94日間
       ※会期中無休(年末年始も開館します)
 
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更となっております。
 
4)会場   上原美術館 仏教館・近代館
〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)販売物  仏教館特別展「静岡の仏像+伊豆の仏像―薬師如来と薬師堂のみほとけ」の展覧会図録を販売しております。
仏像24点、資料2点の解説、書き下ろしの論考を収録。
販売価格1,000円(税込)
 
 
―主な出品予定作品
[仏教館] 
1. ≪仏面≫ 平安時代 静岡市葵区松野・松野阿弥陀堂 ※静岡市指定文化財
2. ≪十一面観音菩薩像≫ 平安時代(10世紀) 静岡市葵区坂ノ上・坂ノ上薬師堂 ※静岡県指定文化財
3. ≪薬師如来像≫ 平安時代(9世紀)河津町谷津・河津平安の仏像展示館 ※静岡県指定文化財
4. ≪地蔵菩薩像≫ 平安時代(9世紀後半~10世紀 河津町谷津・河津平安の仏像展示館 ※静岡県指定文化財
5. ≪薬師如来像≫ 平安時代(11世紀) 南伊豆町手石・青龍寺 ※南伊豆町指定文化財
 
[近代館]
1.鏑木清方≪築地川≫ 1941(昭和16)年 紙本彩色、折帖10図 34.0×42.5cm ©Akio Nemoto2021 / JAA2100228
 
 
―広報用画像
 
本展紹介記事等を記載される場合、以下の画像と展覧会チラシデータをご提供できます。
電話、またはメールにてご連絡ください。
※画像掲載をする場合、作品クレジットの明記をお願いいたします。
 
1.『静岡の仏像+伊豆の仏像』展示風景(松野阿弥陀堂の仏像群 ※静岡市指定文化財)
2.如来像 平安時代(10世紀) 静岡市葵区坂ノ上・坂ノ上薬師堂 ※静岡県指定文化財
3.薬師如来像 平安時代(9世紀)河津町谷津・河津平安の仏像展示館 ※静岡県指定文化財
4.地蔵菩薩像 平安時代(9世紀後半~10世紀) 河津町谷津・河津平安の仏像展示館 ※静岡県指定文化財
5.鏑木清方≪築地川≫より「築地橋」 1941(昭和16)年 紙本彩色 ©Akio Nemoto 2021/JAA2100228
 
 
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伊豆・下田で『陰翳礼讃』を開催中!ー暗がりで見る絵画と仏像の魅力 /release/202107127558 Tue, 20 Jul 2021 12:00:00 +0900 上原美術館 陰翳礼讃 影に浮かぶ仏の美/闇に輝く絵画の光 作家・谷崎潤一郎は昭和8(1933)年、随筆『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』を著しました。そこでは近代化の波に覆われつつある日本が直面する光と影について... 公益社団法人 上原美術館
陰翳礼讃 影に浮かぶ仏の美/闇に輝く絵画の光
作家・谷崎潤一郎は昭和8(1933)年、随筆『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』を著しました。そこでは近代化の波に覆われつつある日本が直面する光と影についての葛藤と考察が綴られています。それから約九十年後の現在、日常を取り巻く光はさらに明るさを増し、影はその存在を潜めています。しかし、身の廻りを見渡すと至るところに影の存在があることに気づきます。身近なうつわやペン、そして自分の手を改めて見つめると光の傍に影があらわれます。そして、その影に気づけば、ものの存在が今までとは異なったかたちであらわれてきます。
本展では上原コレクションの仏像や絵画から陰翳の中に潜む美の魅力に注目します。闇を柔らかく照り返すような十一面観世音菩薩像や阿弥陀如来像をはじめ、日本の物語に潜む闇を余白に描き出した小林古径の日本画、油彩画の影に独特の深い存在感をあらわした須田国太郎らの絵画などをご紹介します。また、谷崎潤一郎が旧蔵した小林古径《杪秋(びょうしゅう)》も展示します。現代の陰翳の中に浮かび上がるジャンルを越えた美の世界をお楽しみいただければ幸いです。
 
―展覧会のみどころ
・ 上原美術館で味わう陰翳の魅力
上原美術館では2017年のリニューアル以来、仏像や絵画に寄り添う光を目指しています(協力:株式会社灯工舎)。展示室は一見、暗く見えますが、ゆっくり見ていると仏像の衣文(えもん)や絵画の影の魅力が引き立ってきます。上原コレクションの美に浮かぶ繊細な光と影の魅力をどうぞお楽しみください。
 
・ 東洋と西洋の美のであい
今回の展覧会は、仏教美術と近代絵画のジャンルを越えて、仏教館・近代館の二つの建物で展覧会を開催、計67点の作品を出品します。平安時代の十一面観音菩薩像の横に須田国太郎の絵画が並ぶ、ジャンルを越えた美のであいをお楽しみください。
 
・ 新収蔵品4点を初公開!
新収蔵品の小林古径≪芥川(あくたがわ)≫と≪道成寺≫を初公開します。また、新たに収蔵した平安時代の狛犬も初公開します。メインビジュアルの一つとなる須田国太郎≪牡丹≫も新収蔵・初公開となります。
 
―主な出品予定作品
1. 須田国太郎≪牡丹≫1941(昭和16)年 ※新収蔵・初公開
2. 小林古径≪芥川≫1926(大正15)年頃 ※新収蔵・初公開
3. 小林古径≪杪秋≫1951(昭和26)年頃 ※谷崎潤一郎旧蔵
4. 小林古径≪道成寺≫制作年未詳 ※新収蔵・初公開
5. 十一面観世音菩薩像 平安時代(10世紀) ※重要美術品
6. 狛犬(吽形うんぎょう) 平安時代(12世紀) ※新収蔵・初公開
 
展覧会概要
1)展覧会名 陰翳礼讃 影に浮かぶ仏の美/闇に輝く絵画の光
 
2)会期 2021年4月29日(木・祝)~9月26日(日) 計151日間 ※会期中無休
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、開催期間が変更となる場合がございます。
開催時期、開館時間、イベント等の詳細につきましては、当館ホームページ、公式SNS等で随時お知らせいたします。
 
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
 
4)会場 上原美術館 仏教館・近代館
〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料金 一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)関連イベント
〇アトリエトーク(学芸員による展覧会のみどころ案内)
日時:会期中の毎月第3土曜日 11:00~/14:00~
講師:土森智典主任学芸員(本展担当)
会場:上原美術館アトリエ
定員:各回10名程度
申込:不要、当日先着順、聴講無料
内容:学芸員が展覧会の見どころを解説します。
これまで展覧会ごとにギャラリートークを開催しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響に開催が困難となりました。その代替として、本企画を初めて実施します。聴講無料でアトリエにて開催することにより、来館者のみならず近隣住民など、多くの方々に興味を持っていただくことを目的とします。
 
7)その他 ご来館される皆様に以下の感染防止対策にご協力いただきたく、ご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
― ご入館時のお願い
・マスク着用をお願いいたします。
・手指消毒の徹底をお願いいたします。
・「検温」及び「体調確認書」記入にご協力をお願いいたします。
*体調不良の方には、ご入館をご遠慮いただく場合がございますので、ご了承ください。
・「3密」を避けるため、やむを得ず入館制限をする場合がございます。
― 館内対応について
・ラウンジでの飲料サービスは当面の間、休止しております。
― 当館での取り組みについて
・常に情報収集に努め、感染の予防、防止に細心の注意を払います。
・スタッフは毎日検温し、マスク着用にて応対いたします。
・感染症拡大防止対策として、受付への飛沫防止アクリル板を設置し、手指消毒液の設置、
マスク準備、定期館内清掃を強化いたします。
最新の情報は上原美術館ホームページやtwitter、facebookで発信しておりますので、ご来館の際は事前にご確認いただけますと幸いです。新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、ご理解、ご協力のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
 
以上
 
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『胡蝶舞う浄土』 平安の古写経を初公開! /release/202102241406 Fri, 19 Mar 2021 15:30:00 +0900 上原美術館 胡蝶舞う浄土 ―上原コレクション名品選4    上原美術館の収蔵品を紹介する「上原コレクション名品選」。今回は、新収蔵・初公開となる平安時代の古写経と、上原コレクションを代表する作品の一つ、クロード... 公益財団法人 上原美術館
http://uehara-museum.or.jp/
胡蝶舞う浄土 ―上原コレクション名品選4
 
 上原美術館の収蔵品を紹介する「上原コレクション名品選」。今回は、新収蔵・初公開となる平安時代の古写経と、上原コレクションを代表する作品の一つ、クロード・モネ≪雪中の家とコルサース山≫を中心にご紹介します。
 仏教館は「胡蝶舞う浄土」と題して、2020年度に新たに収蔵した≪紺紙金字法華経巻五(平基親願経)≫を初公開します。平安時代後期に隆盛を誇った高位の貴族、平基親が自身の手で書写した金字経。見返絵は平安貴族の優美な姿が今によみがえるような、舞楽を舞う童子が描かれた美しい経典です。本展ではこの経典のほかに、コレクションから古写経や仏像を展示します。
 近代館は「絵画が紡ぐ物語」。本展では、絵画の生まれるきっかけとなった画家や作品との出会いが紡いだ物語を、モネたち印象派などの作品からご紹介します。印象派の画家ルノワールはモネとともにセーヌ川の風景などを描き、互いに刺激を受けながら新しい絵画表現を深めています。そのモネは≪雪中の家とコルサース山≫でノルウェーの雪山を、浮世絵を通じて夢見た富士山に見立てて描いています。本展はこうした画家と画家、画家と作品との出会いに注目し、絵画が紡ぎ出すエピソードをご紹介します。
 
―展覧会の見どころ
 
【仏教館】
1.胡蝶舞う浄土 平安貴族が愛でた美しき写経
 仏教館は、平安時代後期(治承4年/1180)に書写された、美しい紺紙金字の法華経を初公開します。 経典の見返絵には、ふくよかな頬をした童子が、蝶の羽と、鳥の羽を背に負って優雅に舞う姿が描かれ、童子の足下に刷かれた銀泥は、まるで二人にスポットライトが当たっているかのようです。本経が書写された840年前、当時の貴族の雅やかな姿を今に伝える、見どころの一つです。
 本作品は、平安時代後期に隆盛を誇った高位の貴族、平基親が自ら書写したもの。基親は治承3(1179)年に起こった後白河法皇に対する平清盛による政変で失脚、官職を追われました。基親が失意の中に書写したものが、開結あわせて十巻からなる紺紙金字の法華経です。今回、当館ではこのうちの一巻を新収蔵いたしました。
   
2.上原コレクションの古写経、仏像を公開
 紺紙金字経は、紺色の紙で浄土を彩る青い宝石の瑠璃を、金の文字で仏の住まう、まばゆい浄土をあらわすと考えられています。本展では、平基親願経の公開にあわせて、江戸時代、後陽成天皇の第十皇子、尊覚親王が承応元(1652)年に書写した紺紙金字の≪唯識三十頌≫を初公開するほか、≪阿毘達磨倶舎論巻第二十六(中尊寺経)≫(平安時代後期)など、当館で収蔵する紺紙金字経の優品を展示いたします。また仏像からは阿弥陀如来像(鎌倉時代)などを公開、浄土に住まうみほとけのお姿をご紹介します。
 
【近代館】
3.絵画が紡ぐ物語 クロード・モネ≪雪中の家とコルサース山≫を中心に
 近代館では、コレクター上原昭二が半世紀以上かけて、少しずつ集めた絵画コレクションの中から、クロード・モネ≪雪中の家とコルサース山≫を中心に、絵画が紡いだ物語をご紹介します。≪雪中の家とコルサース山≫は、モネがノルウェーに滞在した時に描いた作品。日本の葛飾北斎や歌川広重らの浮世絵を愛したモネは、雪の降り積もるコルサース山を、浮世絵に登場する富士山に見立てて描きました。モネが抱いた日本への憧憬が、絵画へと結実した作品です。
 本展ではほかに、モネの盟友オーギュスト・ルノワール≪アルジャントゥイユの橋≫や、フィンセント・ファン・ゴッホが、ミレーの描く農民の姿を模写した≪鎌で刈る人(ミレーによる)≫を展示します。上原コレクションを代表する作品の数々をお楽しみください。
 
 
―主な出品予定作品
 
【仏教館】
1. 紺紙金字法華経巻五(平基親願経) 治承4(1180)年 ※新収蔵・当館初公開
2. 阿毘達磨倶舎論巻第二十六(中尊寺経) 平安時代後期(12c) 重要美術品
3. 阿弥陀如来像 鎌倉時代(13c)ほか
 
【近代館】
1. クロード・モネ≪雪中の家とコルサース山≫1895年
2. オーギュスト・ルノワール≪アルジャントゥイユの橋≫1873年
3. フィンセント・ファン・ゴッホ≪鎌で刈る人(ミレーによる)≫1880年頃 ほか
 
展覧会概要
1)展覧会名 上原コレクション名品選4
       【仏教館】胡蝶舞う浄土/【近代館】絵画が紡ぐ物語
 
2)会期   2021年1月23日(土)~4月18日(日)  86日間 ※会期中無休
       ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催期間が変更となる場合がございます。
        開催時期・開館時間、イベント等の詳細につきましては、当館ホームページ、公式SNS等で随時、お知らせいたします。
 
3)開館時間  9:30~16:30(最終入館16:00)
 
4)会場   上原美術館 仏教館・近代館
       〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
       ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)その他  ご来館される皆様に以下の感染防止対策にご協力いただきたく、ご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 
 
― ご入館時のお願い
 ・マスク着用をお願いいたします。
 ・手指消毒の徹底をお願いいたします。
 ・「検温」及び「体調確認書」記入にご協力をお願いいたします。
 *体調不良の方には、入館をご遠慮いただく場合がございますのでご了承ください。
 ・「3密」を避けるため、やむを得ず入館制限する場合がございます。
 
― 館内対応について
 ・ラウンジでの飲料サービスは当面の間、休止しております。
 
― 当館での取り組みについて
 ・常に情報収集に努め、感染の予防、防止に細心の注意を払います。
 ・スタッフは毎日検温し、マスク着用にて応対いたします。
 ・感染症拡大防止対策として、受付への飛沫防止アクリル板を設置し、手指消毒液の設置、マスク準備、定期館内清掃を強化いたします。
 
最新の情報は上原美術館ホームページやtwitter、facebookで発信しておりますので、ご来館の際は事前にご確認いただけますと幸いです。新型コロナウイルス感染症の感染 予防・拡散防止のため、ご理解・ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
 
以上
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年末年始に楽しむ!知られざる伊豆の仏教美術 /release/202012118469 Tue, 22 Dec 2020 11:00:00 +0900 上原美術館 知られざる伊豆の仏教美術を紹介    伊豆に今も伝わる仏教美術の中には、人知れず、ひっそりと伝えられてきたものが数多く眠っています。仏教館の特別展『知られざる伊豆の仏教美術』は、こうしたあまり知られ...  伊豆に今も伝わる仏教美術の中には、人知れず、ひっそりと伝えられてきたものが数多く眠っています。仏教館の特別展『知られざる伊豆の仏教美術』は、こうしたあまり知られていない作品にスポットを当て、その魅力をご紹介する展覧会です。古くより霊地として知られる熱海市の日金山(ひがねさん)入口に祀られる地蔵菩薩像(じぞうぼさつぞう)や、戦乱を逃れて伊東に落ちのびた武士がもたらした毘沙門天像(びしゃもんてんぞう)などをご紹介します。また今も2月の涅槃会(ねはんえ)に懸(か)けられる江戸時代の涅槃図など、往時の人々の信仰が垣間見られる作品を展示します。
 近代館では、新収蔵・初公開となる鏑木清方(かぶらききよかた)《十一月の雨》を中心に、上原コレクションの日本画から、『四季の情景ー上原コレクションを楽しむ』と題した企画展を同時開催いたします。東京に生まれ、江戸から明治期の下町の風俗をこよなく愛した鏑木清方。本展で初公開となる《十一月の雨》は、小雨の降る初冬の下町の様子が描かれ、清方の生活風俗を優しく見つめるまなざしが感じられます。そのほか、上松松園《初雪》、横山大観《夜桜》など、日本画が織りなす四季の情景をお楽しみください。
 
 
展覧会概要 1)展覧会名 【仏教館】 特別展「知られざる伊豆の仏教美術」
      【近代館】 企画展「四季の情景ー上原コレクションを楽しむ」
 
2)会期   2020年10月10日(土)〜2021年1月11日(月・祝) 94日間
 
3)開館期間 9:30-16:30(最終入館は16:00まで)
      ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更となっております。
 
4)会場   上原美術館 仏教館・近代館
      〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
      ※団体10名以上10%割引
      ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)販売物  仏教館特別展「知られざる伊豆の仏教美術」は展覧会図録を発行いたします。
      図録販売開始:2020年11月中旬より販売予定
      価格:1冊500円(税込)予定です。
      ※近代館の展覧会図録発行はございません。
 
7)新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策について
 当館では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご来館のお客様へ以下のご協力をお願いしております。
ーご入館時のお願い
 ・マスクの着用をお願いします。(お持ち出ない方には、マスクをお渡ししています)
 ・手指消毒の徹底をお願いいたします。(アルコール消毒液をご用意しております)
 ・「検温」および「体調確認書」のご記入にご協力ください。
  ※体調不良の方には、入館をご遠慮いただく場合がございます。
 ・「3密」を避けるため、やむを得ず入館制限をする場合がございます。
 ・ラウンジでのお飲み物のサービスを当面の間、休止させていただきます。
ー当館での取り組み
 ・職員は毎日検温し、マスク着用にて応接させていただきます。
 ・感染拡大防止のため、受付への飛沫防止アクリル板の設置、手指消毒液の設置、マスクの準備、定期的な館内清掃を強化しております。
 
 
展覧会の見どころ 【仏教館】知られざる伊豆の仏教美術
■ 堂外初公開の仏像
 熱海・日金山(ひがねさん)は古くより霊地として信仰を集めました。その入口には、桃山時代に造られた《地蔵菩薩像(じぞうぼさつぞう)》(熱海市指定文化財)を祀る地蔵堂があり、今ではひっそりと個人宅のお堂で大切に守られています。今回、本蔵は初めて堂外で公開されます。
 また伊東市宇佐美(うさみ)の《毘沙門天(びしゃもんてん)像》(伊東市指定文化財)は、戦乱を逃れた濱崎家当主が背負って、伊東にもたらしたと伝えられる像です。本蔵も個人宅で大切に守られており、本展で堂外初公開となります。
 
■ 「病を取り去る」? 鳥抱き猿像を初公開
 南伊豆町・玄通寺(げんつうじ)に伝わる《鳥抱(とりだ)き猿(さる)像》。一説には「病をとり(鳥)さる(猿)」姿であると言われ、長崎県の郷土人形に見られますが、本像のような姿の例はほとんどありません。南伊豆の山奥にひっそりとたたずむ鳥抱き猿像も本展で堂外初公開となります。
 
■ 珍しい中世のリュックサックを初公開
 河津町逆川(さかさがわ)・普門院(ふもんいん)には、普門院開祖・模庵(もあん)禅師が背負ってきたと伝えられる《笈(おい)》(室町時代・静岡県指定文化財)が遺されています。笈は経典や小さな仏像を入れて持ち運ぶリュックサックのようなもの。状態がよく残っている中世の笈はほとんどありません。
 
■ 伊豆の涅槃図5点を公開
 年に一度、2月に開催される涅槃会(ねはんえ)という法要で公開される、釈迦の入滅を描いた《涅槃図》5点を公開します。同じような構図で描かれる涅槃図ですが、動物の描かれ方など、細かな部分が異なっている点はみどころの一つです。そのほか、伊豆南部地域の人々が諸社した《大般若経(だいはんにゃきょう)》(静岡県指定文化財)を展示します。
 
 
【近代館】四季の情景 ー上原コレクションを楽しむ
■ 鏑木清方《十一月の雨》を新収蔵・初公開
 当館で新たに収蔵した鏑木清方の美しい日本画《十一月の雨》を初公開します。時雨にけむる鮮やかな下町の様子が、初冬の空気を感じさせます。大きな掛軸で見ごたえもあり、作家自身もお気に入りの作品だったようです。
 
■ 松園、大観、栖鳳が描く四季
 上松松園《初雪》、横山大観《夜桜》、竹内栖鳳《海濱小暑》など、日本画家が描く四季の彩りを紹介します。
 
 
主な出品予定作品 [仏教館]
1.《地蔵菩薩像》桃山時代 寄木造・玉眼・漆箔
 熱海市伊豆山土沢・土沢地蔵堂 ※熱海市指定文化財
2.《毘沙門天像》南北朝時代 寄木造・玉眼・彩色
 伊東市宇佐美・個人蔵 ※伊東市指定文化財
3.《笈》室町時代 木造
 河津町逆川・普門院 ※静岡県指定文化財
4.《仏涅槃図》江戸時代 紙本著色 下田市箕作・龍巣院
5.《大般若経》南北朝時代 紙本墨書
 南伊豆町伊浜・普照寺 ※静岡県指定文化財 ほか
 
[近代館]
1.鏑木清方《十一月の雨》1955(昭和30)年 紙本彩色 54.6×81.6cm
2.上村松園《初雪》1937(昭和12)年 絹本彩色 82.5×85.5cm
3.横山大観《夜桜》1947(昭和22)年 紙本彩色 55.9×68.8cm
4.竹内栖鳳《海濱小暑》1927(昭和2)年 絹本彩色 66.8×87.0cm ほか
 
 
広報用画像 本展紹介記事等を記載される場合、以下の画像と展覧会チラシデータをご提供できます。
電話、またはメールにてご連絡ください。
※画像掲載をする場合、作品クレジットの明記をお願いします。
 
 
 
 
 
 
 
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上原コレクション名品選3 ―新収蔵品を初公開― /release/202002136751 Tue, 07 Jul 2020 12:00:00 +0900 上原美術館 上原コレクション名品選3 ー新収蔵品を初公開ー  上原美術館の収蔵品を紹介する「上原コレクション名品選」。今回は、新収蔵・初公開となる平安時代の≪二天像(にてんぞう)≫と、新収蔵の梅原龍三郎≪朝暉(... 公益財団法人 上原美術館
上原コレクション名品選3 ー新収蔵品を初公開ー  
 上原美術館の収蔵品を紹介する「上原コレクション名品選」。今回は、新収蔵・初公開となる平安時代の≪二天像(にてんぞう)≫と、新収蔵の梅原龍三郎≪朝暉(ちょうき)≫を中心にご紹介します。
 仏教館でご紹介するのは2019年度に新たに収蔵し、初公開となる平安時代後期の≪二天像≫です。内なる怒りを静かにこめた武神の姿であらわされたその像は、寺院や仏法、人々を守ります。ほぼ等身大での姿は、見るものに畏敬の念を抱かせるほどの力強さをたたえています。本展ではこの二天像とともに、上原美術館が所蔵する全ての仏像を一堂にご紹介します。
 近代館では、雄大な桜島の風景を描いた梅原龍三郎≪朝暉≫(新収蔵)を中心に、画家たちが描いた「美しき大地」の情景をご紹介します。また小企画展では、ルネサンス期の画家、アルブレヒト・デューラーの三大銅版画の一つ≪書斎の聖ヒエロニムス≫(新収蔵)を初公開します。
 新たなコレクションが仲間入りした上原コレクションをどうぞお楽しみください。
 
―展覧会の見どころ  
【仏教館】
① 平安の守護神、二天像(にてんぞう)が初公開
 仏教館は、平安時代後期に造られた、迫力に満ちた等身大の二天像を初公開します。二天像は寺院の入口にあたる山門や、本尊の左右に控え、仏と仏教徒、寺院を護る頼もしい守護神。太くがっしりとした体に甲冑(かっちゅう)を着け、かつては高く上げた片手に魔を降す武器を握っていました。腰をひねり、袖をなびかせる様で動きを表現し、斜め下をにらみ据える顔は、目鼻が顔の中央に寄り、吊り上る目とあわせて、静かに内へ込められた怒りを解き放とうとする瞬間をあらわしています。
 この度初公開する像は、頭上の髻(もとどり)の形や、浅い彫り、上半身に比して下半身が太い造形などから、平安時代後期、11世紀から12世紀の像と考えられます。900年もの時を経た魅力的な仏像が新たに上原コレクションに加わりました。
 
② 上原コレクションの全仏像が大集合!
 二天像公開にあわせて、上原コレクションが所蔵する全ての仏像を一同に展示いたします。
 平安時代の十一面観世音菩薩像(重要美術品)から、鎌倉時代の阿弥陀如来像まで、仏像全14点が揃う展示室は圧巻です。
 
【近代館】
③ 新収蔵 梅原龍三郎≪朝暉(ちょうき)≫を紹介
 近代館では洋画家・梅原龍三郎が雄大な桜島を描いた≪朝暉(ちょうき)≫(新収蔵)を中心に、「美しき大地」の表現をご紹介します。梅原が描く桜島は、画業を代表する作品の一つ。25号の大きさの力強い画面は、人々の生活する時間の感覚を超越した大地の息吹を感じさせます。
 そのほか、安井曽太郎≪十和田湖≫、アンリ・マティス≪エトルタ断崖≫などを展示、地質を通じて「美しき大地」の秘密をひもときます。
 
④ 新収蔵 デューラー≪書斎の聖ヒエロニムス≫初公開
 高い描写力にてその名を知られたルネサンス期のドイツの画家アルブレヒト・デューラー。当館ではデューラー三大銅版画の一つと言われる≪書斎の聖ヒエロニムス≫を新たに収蔵しました。エングレーヴィング(銅版に直接、線を彫る難しい版画技法)による卓越したデューラーの細密描写を、第3展示室で特集展示します。
 
―主な出品作品  
【仏教館】
1. 二天像(阿形[あぎょう]・吽形[うんぎょう]) 平安時代 ※新収蔵・当館初公開
2. 十一面観音菩薩像 平安時代 重要美術品
3. 阿弥陀如来像 鎌倉時代
 
【近代館】
1. 梅原龍三郎≪朝暉≫1937(昭和12)年
2. 須田国太郎≪農村展望(小諸風景)≫1934(昭和9)年
3. アンリ・マティス≪エトルタ断崖≫1920年
 
―関連動画のご紹介  
展覧会に出品されている主要作品につきまして、解説動画を公開しております。
 
【仏教館】
https://youtu.be/LyR0XAfLHHo
 

【近代館】
https://youtu.be/dhR0MHHiLhs
 

 
展覧会概要  
1)展覧会名 上原コレクション名品選3
      【仏教館】新収蔵・二天像と上原美術館のみほとけ
      【近代館】美しき大地―新収蔵・梅原龍三郎≪朝暉≫を中心に―
 
2)会期   2020年6月1日(月)~9月27日(日) ※会期中無休
      ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催期間が変更となる場合がございます。
       開催時期・開館時間、イベント等の詳細につきましては、当館ホームページ、公式SNS等で随時、お知らせいたします。
 
3)開館時間 9:30~16:30
      *新型コロナウイルス感染症拡大対策のために館内の消毒などを行いますので、しばらくの間、開館時間を短縮します。(通常は9:00~17:00[最終入館は16:30まで])
 
4)会場  上原美術館 仏教館・近代館
      〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料金  一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
      ※団体10名以上10%割引
      ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)その他 緊急事態宣言を受け、4月8日より臨時休館しておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策が整い、また静岡県の緊急事態宣言が解除されたことから、6月1日より開館いたします。再開におきましては、ご来館される皆様に以下の感染防止対策にご協力いただきたく、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 
      ― 受付場所・開館時間の変更について(暫定措置)
      ・受付場所を「仏教館」から「近代館」に変更いたします。
      ・開館時間は9:30~16:30(最終入館16:00)に変更いたします(消毒・清掃のため)。
 
      ― ご入館時のお願い
      ・マスク着用をお願いいたします。
      ・手指消毒の徹底をお願いいたします。
      ・「検温」及び「体調確認書」記入にご協力をお願いいたします。
      *体調不良の方には、入館をご遠慮いただく場合がございますのでご了承ください。
      ・「3密」を避けるため、やむを得ず入館制限する場合がございます。
 
      ― 館内対応について
      ・ギャラリートーク(毎月第3土曜日)は当面の間、休止いたします。
      ・ラウンジでの飲料サービスは当面の間、休止いたします。
 
      ― 当館での取組について
      ・常に情報収集に努め、感染の予防、防止に細心の注意を払います。
      ・スタッフは毎日検温し、マスク着用にて応接いたします。
      ・感染症拡大防止対策として、受付への飛沫防止アクリル板を設置し、手指消毒液の設置、マスク準備、定期館内清掃を強化いたします。
 
最新の情報は上原美術館ホームページやtwitter、facebookで発信しておりますので、ご来館の際は事前にご確認いただけますと幸いです。新型コロナウイルス感染症の感染 予防・拡散防止のため、ご理解・ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
 
― 広報用画像 本展紹介記事等を記載される場合、以下の画像と展覧会チラシデータをご提供できます。
電話、またはメールにてご連絡ください。
※画像掲載をする場合、作品クレジットの明記をお願いいたします。
※明記のないものは全て上原美術館所蔵。
 
 
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【上原美術館】新収蔵初公開 アルベール・マルケ《ルーアンのセーヌ川》 /release/202002066524 Mon, 10 Feb 2020 12:00:00 +0900 上原美術館 新収蔵初公開 アルベール・マルケ 《ルーアンのセーヌ川》    個人コレクター上原昭二のまなざしによって集められた上原コレクション。そこには、当館コレクション特有の優しく穏やかな気配が満ちています。...
 
 
新収蔵初公開 アルベール・マルケ 《ルーアンのセーヌ川》
 
 個人コレクター上原昭二のまなざしによって集められた上原コレクション。そこには、当館コレクション特有の優しく穏やかな気配が満ちています。上原コレクション名品選では、収蔵品を掘り下げながらご紹介し、その魅力に迫ります。
 
 名品選の第2弾として、近代館では、2019年度に新収蔵となったアルベール・マルケ《ルーアンのセーヌ川》を初公開します。曇りの日に鈍く輝くセーヌ川の流れが、詩情豊かに捉えられており、人々が行き交う橋や、停泊する船、河岸の賑わいがマルケの「灰色」と呼ばれる落ち着いた色彩で描かれています。その画面の色彩は、ほとんどモノトーンのようでありながらも、多彩なニュアンスを感じさせます。近代館ではマルケのほか、印象派や、ボナール、ドランが描いたセーヌ川と、画家たちが暮らしたパリ市街の風景を中心に、上原コレクションの数々をご紹介いたします。
 
 仏教館では、所蔵する写経のコレクションを一堂に展示します。千年以上経てもなお輝きを失わない《紫紙金字華厳経断簡》や、巻頭に描かれた仏画も見どころの《紺紙金字金剛三昧経巻上(神護寺経)》などとあわせて、静岡県ゆかりの写経《遺教経》を初公開します。写経を通して、仏教美術の世界観をご紹介いたします。
 
 
 
展覧会概要
1)展覧会名
企画展「上原コレクション名品選2」
 
2)会  期
2020年1月18日(土)~4月12日(日)  86日間 
 
3)開館時間
9:00–17:00(最終入館は16:30まで)
 
4)会  場
上原美術館 仏教館・近代館
〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
 
5)料  金
一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
 
6)関連イベント
〇学芸員によるギャラリートーク(作品解説)
両館の展覧会をそれぞれ学芸員がご案内します。
日時:毎月第3土曜日11:00~/14:00~(仏教館・近代館約30分ずつ)
会場:上原美術館展示室  ※要入館券 当日、仏教館にお集まりください。
 
○学芸員によるミニ講座
開催中の展覧会をより深く楽しむ講座です。画像を交えながら、担当学芸員が展覧会の内容や作品にまつわる話をします。
 
①演題:マルケとその友人たち
講師:齊藤陽介(当館学芸員)
日時:2020年2月22日(土) 13:30~15:00(開場13:00~)
 
②演題:古写経の魅力
講師:菅野龍磨(当館学芸員)
日時:2020年3月7日(土) 13:30~15:00(開場13:00~)
会場:上原美術館【近代館】会議室
定員:各回とも40名。※先着順、要予約、要入館券。
参加方法:
①お名前 ②ご住所 ③お電話番号 ④参加人数(2名様まで)⑤参加希望の講座名を明記の上、郵便はがき、もしくはEメール(info@uehara-museum.or.jp)にてお申込みください。
 
 
 
―展覧会の見どころ
【近代館】
■ 知られざる巨匠マルケの新収蔵作品を初公開
 1875年、フランスのボルドーに生まれたアルベール・マルケは、セーヌ川をはじめとした風景画などで高い評価を受けてきた画家です。今回は、新収蔵となった《ルーアンのセーヌ川》(1912年)を初公開するほか、油彩画5点、リトグラフ10点などからマルケ芸術の魅力に迫ります。
 
 ■ フランスの画家たちが愛したセーヌ川の風景をまとめてご紹介
 フランスを流れるセーヌ川は、19世紀以降、画家たちによって、たびたび描かれてきたモチーフです。今回の展示では、マルケのほか、モネら印象派の画家たち、シニャック、ボナールらが描いた個性あふれるセーヌ川の表現をお楽しみいただけます。
 
【仏教館】
■ 初公開静岡県ゆかりの写経 《遺教経》
 新たに収蔵された、静岡県ゆかりの写経である《遺教経》を初公開します。この写経は、室町時代・永享4年(1432)に「慶陽」という人物によって書写され、現在の静岡市にあたる、有度郡の八幡神社に納められたことがわかる写経です。この機会にぜひご覧ください。
 
 
 
―主な出品予定作品
【近代館】
1. アルベール・マルケ《ルーアンのセーヌ川》 1912年  ※新収蔵、当館初公開
2. アルベール・マルケ《冬のパリ、ポン・ヌフ》 1947年頃
3. クロード・モネ《ジヴェルニー付近のセーヌ川》 1894年
4.ポール・シニャック《アニエール、洗濯船》 1882年
5.ピエール・ボナール《ノルマンディー風景》 1925年  
他、全30点出品予定
 
【仏教館】
6. 《紫紙金字華厳経断簡》奈良時代(8世紀)
7. 《紺紙金字金剛三昧経巻上(神護寺経)》平安時代(12世紀)  
8.《遺教経》 室町時代(永享4年・1432年)  ※新収蔵、当館初公開  
他、全16点出品予定
 
 
 
―関連動画のご紹介
展覧会につきまして、担当学芸員による解説動画を公開しております。
 

 
 
― 広報用画像
本展紹介記事等を記載される場合、以下の画像と展覧会チラシデータをご提供できます。
電話、またはメールにてご連絡ください。
※画像掲載をする場合、作品クレジットの明記をお願いいたします。
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【上原美術館】伊豆市共同企画展「伊豆をめぐる名画ー横山大観、安田靫彦を中心にー」開催 /release/201910252640 Fri, 01 Nov 2019 12:30:00 +0900 上原美術館  伊豆という言葉は、輝く海、険しい山、温泉、歴史、文学など、さまざまなイメージを思い起こさせます。 川端康成は、伊豆が「詩の国」、「歴史の縮図」、「南国の模型」、「海山のあらゆる風景の画廊」であると述... 公益財団法人 上原美術館
伊豆をめぐる名画ー伊豆市所蔵の名品を公開ー
 伊豆という言葉は、輝く海、険しい山、温泉、歴史、文学など、さまざまなイメージを思い起こさせます。 川端康成は、伊豆が「詩の国」、「歴史の縮図」、「南国の模型」、「海山のあらゆる風景の画廊」であると述べて、その魅力を語っています。こうした豊かな伊豆の自然と文化は、多くの日本画家たちをも惹きつけてきました。
 明治  41(1908)年、奈良で古画を学ぶ安田靫彦(ゆきひこ)は、胸を病んで帰京を余儀なくされます。そのとき、旅館を営む友人の 相原沐芳(あいはらもくほう)の勧めにより、伊豆・修善寺で静養することにしました。静養中に研究を重ねて自らの画風を見出した靫彦は、その後もたびたびこの地を訪ね、画家仲間の今村紫紅(しこう)や小林古径、速水御舟(ぎょしゅう)らも集まるようになりました。
 明治末、横山大観も夫人や自らの静養のため修善寺を訪れ、沐芳と交流するようになります。昭和 5(1930)年には大観らの渡欧壮行会が修善寺で開かれるなど、その繋がりは長く続きました。
 こうした交流から伊豆は名画が生まれる場所となり、多くの作品が残されることになりました。本展では、伊豆市が所蔵する絵画を通じて、伊豆の魅力、そして日本画の魅力をご紹介いたします。


展覧会概要
1)展覧会名 
伊豆市共同企画展
「伊豆をめぐる名画 ―横山大観、安田靫彦を中心に―」

2)会期 
2019 年 10 月 12 日(土)~2020 年 1 月 13 日(月・祝) 101 日間
前期:2019 年 10 月 12 日(土)~11 月 24 日(日)
後期:2019 年 11 月 27 日(水)~2020 年 1 月 13 日(月・祝)
※11 月 25 日(月)、26 日(火)は中間展示替えのため全館休館

3)開館時間 
9:00–17:00(最終入館は 16:30 まで)

4)会場 
上原美術館 仏教館・近代館
〒413-0715 静岡県下田市宇土金 341

5)料金 
一般 1,000 円/学生 500 円/高校生以下無料
※団体 10 名以上 10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります

6)関連イベント
〇学芸員によるギャラリートーク(作品解説)
展覧会を学芸員が作品を一緒に見ながらご案内します。
日時:会期中の毎月第3土曜日  11:00~/14:00~(所要時間約 40 分)
会場:上原美術館 ※要入館券 当日、仏教館にお集まりください。

〇学芸員によるミニ講座
『伊豆をめぐる名画』をより深く楽しむための講座です。展覧会に出品されている画家と  温泉地・修善寺をめぐるエピソードなどについて、画像を交えてお話します。
日時:11/8(金)、12/14(土)  13:30~15:00(開場 13:00~)
*各回とも同じ内容です
会場:上原美術館【近代館】会議室
定員:各回とも 30 名。予約制、先着順。※要入館券
参加方法:①お名前 ②郵便番号とご住所 ③お電話番号 ④参加人数(2 名様まで)⑤参加希望日を明記の上、郵便はがき、もしくはEメール(info@uehara-museum.or.jp)にてお申込みください。

7)販売物 
本展図録:『伊豆をめぐる名画―横山大観、安田靫彦を中心に―』
価格:1 冊 500 円(税込)
本展絵葉書:計 12 種 1枚 100 円(税込)


―展覧会の見どころ
■ 伊豆市が所蔵する日本画 43 点を紹介[前期:24 点/後期 20 点]
平成 16(2004)年に修善寺町、土肥町、天城湯ヶ島町、中伊豆町が合併した伊豆市は、山々や森、温泉など豊かな自然に囲まれ、その中から多様な文化が育まれました。とりわけ修善寺町には多くの画家が訪れ、日本画の名品の数々が伊豆市に残されています。
本展では伊豆市が所蔵する日本画を前期と後期の 2 期に分けて 43 点を紹介します。


■ 新井旅館・相原沐芳と安田靫彦の友情
伊豆市の日本画コレクションの多くが修善寺の新井旅館が寄贈した作品です。
新井旅館の 3 代目当主を務めた相原沐芳(もくほう)(1875-1945)は、東京で学業を修める一方、日本画を学びました。芸術に深い理解のあった沐芳は、友人の日本画家を修善寺に招いて、彼らをサポートしました。中でも安田靫彦(ゆきひこ)は、20代前半で病気をした際に沐芳に誘われて修善寺で療養、二人の友情は生涯続きます。修善寺には、靫彦の友人である今村紫紅(しこう)、小林古径、前田青邨(せいそん)、速水御舟(はやみぎょしゅう)など多くの画家が集うようになります。



明治 42(1909)年、新井旅館にて。左から安田靫彦、相原沐芳、中村吉右衛門


■ 横山大観と修善寺
相原沐芳が支援した画家の一人に横山大観がいます。明治時代後半から療養のために沐芳のもとを訪れていた大観は、次第にこの地で制作もするようになります。昭和 3(1928)年、沐芳は大観のために離れの「山陽荘」を設けます。昭和 5(1930)年1 月には横山大観が総代を務めるローマの日本美術展のために、日本美術院の壮行会が新井旅館で開かれました。そこには大観や靫彦のほか、多くの日本画家が参加します。大観≪神州第一峰≫、靫彦≪萬古天風≫はそのときに描かれたものといわれています。



昭和 5(1930)年、新井旅館中庭にて、日本美術院の渡欧同人壮行会の記念写真


■ 伊豆の仏教文化や地形にも注目
平成30(2018)年、伊豆半島はユネスコの世界ジオパークに認定されています。こうした豊かな自然は古くからさまざまな文化が花開きました。空海が開いたという伝承をもつ修禅寺のほか、伊豆各地には平安時代や鎌倉時代の古い仏教文化の痕跡が数多く残っています。こうした長い歴史が近代の芸術家たちを惹きつける魅力の一つになったかもしれません。
今回の展示では、修禅寺から発掘された平安時代の独鈷杵や、ジオスポットである旭滝に関係する仏像などを展示し、伊豆の仏教文化の一端をご紹介いたします。


―主な出品予定作品

1.  安田靫彦≪萬古天風≫昭和 5(1930)年  [前期]
2. 安田靫彦≪鴨川夜情≫昭和 9(1934)年頃  [後期]
3. 横山大観≪神州第一峰≫昭和 5(1930)年  [後期]
4. 横山大観≪松竹遊禽≫大正元(1912)年頃 [後期]
5. 今村紫紅≪枇杷叭叭鳥≫大正元(1912)年頃 [前期]
6. 菱田春草≪秋郊帰牧≫1909(明治 42)年 [後期]
7. 速水御舟≪手向≫大正 2(1913)年 [後期]
8. 川端龍子≪湯浴≫1927(昭和 2)年 [後期]
9. ≪独鈷杵≫平安時代、修禅寺蔵 [全期]


以上

―関連動画のご紹介
・展覧会につきまして、担当学芸員による解説動画を公開しております。

・TVCM


―広報用画像
本展紹介記事等を記載される場合、以下の画像と展覧会チラシデータをご提供できます。電話、または メールにてご連絡ください。 ※画像掲載をする場合、作品クレジットの明記をお願いいたします。
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新収蔵品の数々をご紹介!夏の伊豆・下田で楽しむ美術鑑賞。上原コレクション名品選1 /release/201908059466 Sat, 10 Aug 2019 17:00:00 +0900 上原美術館  個人コレクター上原昭二のまなざしによって集められた上原コレクション。そこには、個人コレクション特有の優しく穏やかな気配が満ちています。仏教美術、近代絵画からなる上原コレクション名品選では、収蔵品の中... 公益財団法人 上原美術館
仏のまなざし、和みの美 -上原コレクションの魅力を紹介
 個人コレクター上原昭二のまなざしによって集められた上原コレクション。そこには、個人コレクション特有の優しく穏やかな気配が満ちています。仏教美術、近代絵画からなる上原コレクション名品選では、収蔵品の中から数点をピックアップして詳しくご紹介し、その魅力に迫ります。
 仏教館では、仏教美術コレクションの中から、2018年度に新たに収蔵した薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)にスポットをあて、ご紹介していきます。丸みを帯びた気品のあるお顔、繊細な衣の襞(ひだ)が生み出す優美な佇まいは、上原コレクションらしい、やさしい雰囲気をまとっています。
 近代館では、岡鹿之助(おかしかのすけ)≪三色すみれ≫をはじめ、スーラの最初期デッサン、ルドンの版画(岡鹿之助旧蔵)など、新収蔵・当館初公開となる作品をご紹介します。これらの作品は染色家・志村ふくみのコレクターとしても知られる佐久間幸子氏が愛蔵したものです。小さいながらも、美しく輝く宝石箱のように愛らしい、新たなコレクションをどうぞお楽しみください。



展覧会概要
1)展覧会名  【両館】 企画展「上原コレクション名品選1」

2)会期     2019年7月6日(土)~10月6日(日)  93日間 

3)開館時間   9:00–17:00(最終入館は16:30まで)

4)会場    上原美術館 仏教館・近代館
        〒413-0715 静岡県下田市宇土金341

5)料金    一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
        ※団体10名以上10%割引
        ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります

6)関連イベント 
〇学芸員によるギャラリートーク(作品解説)
両館の展覧会をそれぞれ学芸員がご案内します。
日時:会期中の毎月第3土曜日 11:00~/14:00~(仏教館・近代館約30分ずつ)
会場:上原美術館  ※要入館券 当日、仏教館にお集まりください。

○学芸員による仏教美術ミニ講座
展覧会出品作品の中から、薬師如来にスポットをあてて、写真を見ながら、学芸員が作品の見どころや、どのような仏様かを分かりやすくお話いたします。
演題:お薬師さま入門
講師:田島整(当館主任学芸員)
日時:9/7(土) 13:30~15:00(開場13:00~)
会場:上原美術館【近代館】会議室
定員:40名。※先着順、要予約、要入館券。
参加方法:①お名前 ②ご住所 ③お電話番号 ④参加人数(2名様まで)を明記の上、郵便はがき、もしくはEメール(info@uehara-museum.or.jp)にてお申込みください。




―展覧会の見どころ
【仏教館】
■ 昨年度新収蔵、平安時代の優美な薬師如来坐像
 2018年度、新たに収蔵した薬師如来坐像は平安時代(12世紀後半)に造られた仏像です。像高は52.8㎝ほど、優雅ながらも小ぶりな大きさはどこか親しみをも感じさせます。
 華奢で薄い体、小ぶりで伏し目がちな目鼻立ちは、11世紀の大仏師・定朝(じょうちょう)に由来します。定朝が生きた時代には、遣唐使の廃止から百数十年を経て、日本独自の文化が花開きました。仏像の和様(わよう)化を完成させた定朝の作品は、「尊容(そんよう)満月の如し」「仏の本様(ほんよう)」とされましたが、本像もそうした気品に満ち溢れており、中央の名だたる仏師が造ったものと考えられます。なお像底の修理墨書には江戸時代の京仏師による修理が記録されており、この美しい手はそのときのものと言われています。

■ 鎌倉時代の慶派仏師による仏像もあわせて展示
 平安時代の薬師如来坐像のほか、鎌倉時代の慶派仏師による阿弥陀如来立像や、伊豆を代表する松崎町吉田区の阿弥陀如来坐像(静岡県指定文化財、当館寄託)を展示。平安時代の華奢で優美な姿と、鎌倉時代の量感のある写実性を比べて、それぞれの時代に異なる美をお楽しみください。

■ 平安時代の古写経を展示
 平安時代後期に書写された美麗な装飾経もあわせて展示いたします。

【近代館】
■ 新収蔵の名作、岡鹿之助≪三色すみれ≫を初公開
 今年6月に新収蔵したばかりの岡鹿之助≪三色すみれ≫(1966年)を当館初公開します。
 この美しい小品はコレクター佐久間幸子氏が愛蔵したものです。新橋芸妓として活躍した佐久間氏は川端康成や梅原龍三郎など多くの文化人と交流しました。染色家・志村ふくみのコレクターとしても知られ、長年収集した全コレクションは15年前に滋賀県立近代美術館が譲り受けました。また細川家第16代当主・細川護立氏から古美術の手ほどきを受け、アジアを中心とする古美術も収集しました。自分が好きなもの、信じるものだけを少しずつ集めたそのコレクションには佐久間氏の人柄を思わせる凛とした佇まいがあります。

■ 新収蔵となるスーラの最初期デッサン、ルドンの版画を初公開
 さらに新収蔵となる2点も初公開します。ジョルジュ・スーラ≪ウェルギリウス≫とオディロン・ルドンの版画≪Ⅺ.突然三人の女神が現れる≫(版画集『聖アントワーヌの誘惑 第三集』より、1896年)は同じく佐久間幸子氏の旧蔵品。今回、岡鹿之助≪三色すみれ≫と一緒に、上原コレクションに仲間入りしました。ルドンの版画は、佐久間氏が岡鹿之助からプレゼントされた作品です。岡は佐久間氏が生活費を切り詰めて≪三色すみれ≫を手に入れたことを聞き、自らの手元に所蔵したこの版画を贈ったといいます。

■ 新収蔵品となる小倉遊亀≪チューリップ≫を初公開
 その他、小倉遊亀≪チューリップ≫も今年6月に新たに収蔵、今回初公開致します。岡鹿之助≪三色すみれ≫を含め、本年度新収蔵・初公開の作品は合わせて4点展示となります。
  
■ 2017年度寄贈作品3点を、収蔵後初公開
  2017年度に寄贈を受けた須田国太郎≪薔薇≫、安井曽太郎≪焼岳(上高地晩秋)≫、梅原龍三郎≪冨士山図≫を収蔵後、初公開します。


―主な出品予定作品
【仏教館】
1.≪薬師如来坐像≫平安時代後期 像高52.8㎝
2.≪阿弥陀如来立像≫鎌倉時代 像高99.8cm 
3.≪阿毘達磨倶舎論巻第二十六(中尊寺経)≫ 縦25.3×横965.5㎝ ※重要美術品 ほか
※古写経作品は一部、会期中に展示替えがございます。

【近代館】
1. 岡鹿之助≪三色すみれ≫1966(昭和41)年 油彩、カンヴァス 34.0×24.0㎝
※新収蔵、当館初公開
2. 須田国太郎≪薔薇≫1950(昭和25)年頃 油彩、カンヴァス 37.8×45.3㎝
3. 安井曽太郎≪焼岳 (上高地晩秋)≫1941(昭和16)年 油彩、カンヴァス 39.0×50.7cm


―関連動画のご紹介
・展覧会につきまして、担当学芸員による解説動画を公開しております。
・TVCM
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静岡デスティネーション・キャンペーン記念 美術館で旅する伊豆半島と、美しき風景 /release/201904255847 Fri, 26 Apr 2019 20:00:00 +0900 上原美術館  火山が生んだ大地を大小の河川や海が長い時をかけて刻み、複雑で美しい地形を作り上げた伊豆半島。変化に富む地形は、人々の多様な営みを生み、地域ごとに特色ある歴史を紡ぎだしてきました。  仏教館特別展「伊... 公益財団法人 上原美術館
静岡デスティネーション・キャンペーン記念
美術館で旅する伊豆半島と、美しき風景
 火山が生んだ大地を大小の河川や海が長い時をかけて刻み、複雑で美しい地形を作り上げた伊豆半島。変化に富む地形は、人々の多様な営みを生み、地域ごとに特色ある歴史を紡ぎだしてきました。
 仏教館特別展「伊豆半島仏像めぐり」では、伊豆に存在する7つの市と6つの町からそれぞれ1点ずつ仏像を選び、展示いたします。時代は平安時代から江戸時代まで、大きさも選ばれた基準もさまざまですが、それぞれ各地の人々の信仰を集め、護り伝えられてきた貴重な文化財です。13市町代表の仏像から、それぞれの土地の魅力を感じとっていただければ幸いです。
 また近代館では「画家たちの旅」と題した企画展を同時開催いたします。画家たちは旅をして、まだ見ぬ風景や人々と出会い、新しい絵画を生み出してきました。本展では梅原龍三郎、牛島憲之からルノワールやシスレーなど印象派の画家たちまで、旅からインスピレーションを得た絵画の数々をご紹介します。

 今回開催する2つの展覧会は、2019年4月~6月にかけて行われる静岡デスティネーション・キャンペーン*を記念して、伊豆半島各地のかくれた魅力と文化を発信、ご紹介する内容です。

*静岡デスティネーション・キャンペーン(静岡DC)
本キャンペーンは静岡県内の自治体・関係者、JR各社及び観光会社が協力し、観光地としての静岡県の魅力を全国に発信し、観光誘客をはかり、さらに地域の活性化を目指すキャンペーンです。

―展覧会概要
1)展覧会名   【仏教館】 特別展「伊豆半島仏像めぐり-伊豆13市町の仏たち-」
         【近代館】 企画展「画家たちの旅-梅原龍三郎、牛島憲之、ルノワールが見た風景-」
2)会期     2019年4月6日(土)~6月30日(日)  86日間 
3)開館時間   9:00–17:00(最終入館は16:30まで)
4)会場     上原美術館 仏教館・近代館
         〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金     一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
         ※団体10名以上10%割引
         ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
6)関連イベント 〇学芸員によるギャラリートーク(作品解説)
          両館の展覧会をそれぞれ学芸員がご案内します。
          日時:会期中の毎月第3土曜日 11:00~/14:00~
          (仏教館・近代館約30分ずつ)
          会場:上原美術館 ※要入館券 当日、仏教館にお集まりください。

         ○学芸員によるレクチャー(ミニ講座)
         開催中の特別展『伊豆半島仏像めぐり』の展覧会担当者が映像を交えながら、展覧会の見どころをお話します。
         演題:伊豆半島仏像めぐり
         講師:田島整(仏教館本展担当者・主任学芸員)
         日時:4/22(月)、5/26(日)、6/2(日)13:30~15:30(開場13:00~)
            ※各回とも講座内容は同じになります
         会場:上原美術館【近代館】会議室 ※要入館券
           定員:各回とも30名。要予約。先着順。
           参加方法:①お名前 ②ご住所 ③お電話番号 ④参加人数(2名様まで) ⑤希望参加日を明記の上、郵便はがき、もしくはEメール(info@uehara-museum.or.jp)にてお申込みください。
7)出版物    仏教館特別展「伊豆半島仏像めぐり」は展覧会図録を発行いたします。
         図録販売開始:2019年4月27日(土)より販売予定
         価格:1冊500円(税込)予定です。
         ※今回は近代館の展覧会図録発行はございません。

―展覧会の見どころ

【仏教館】伊豆半島仏像めぐり ―伊豆13市町の仏たち―

■ 魅力的な仏像、久々の寺外公開!
伊豆の国市・北條寺からは、鎌倉後期~南北朝時代につくられた≪観音菩薩坐像≫(静岡県指定文化財)を公開します。本像は片足を踏み下げ、くつろいだ姿と女性的でどこか妖艶な姿が印象的なお像で、中国・宋~元時代の影響を強く受けた仏像。東京国立博物館、MOA美術館、遠くイタリアでと、何度も展示されてきた伊豆を代表する美しい仏像ですが、今回14年ぶりの寺外公開が実現しました。
三島市からは光安寺の≪地蔵菩薩坐像≫(市指定文化財)を展示。鎌倉時代の等身大の像で、自ら牛の鼻緒を引いて水田の代掻きを手伝い、農家を助けたと伝えられ、「鼻取り地蔵」の愛称で知られる伝説の仏像です。本像の寺外での公開は27年ぶりです。

■ 伊豆半島の魅力再発見!個性あふれる仏たち
伊豆半島を構成する13の市町には、それぞれの歴史があり、個性的な信仰や文化が今に伝えられています。本展で初公開される東伊豆町・個人蔵の≪野嵜(のざき)牛(うしの)助家(すけいえ)次(つぐ)像≫は、従来知られてこなかった伊豆東海岸の戦国武士の面影を今に伝える江戸時代の傑作です。
また南伊豆町・青龍寺の≪阿弥陀如来像≫は、手石弥陀窟(国天然記念物)の上に建てられた今は失われたお堂の本尊。手石弥陀窟は海に開口した洞窟で、洞内を小舟で進むと、闇の中に光り輝く阿弥陀三尊の姿が浮かぶといい、江戸時代には大変な人気スポットとして遠く江戸の町にまでその名が知られていました。弥陀窟にまつわる本像は像高15cmほどの小像ながら精緻な作りで、江戸の町で活躍した江戸仏師による力作です。

■ 当館の調査で見出された新発見の仏像を公開!
沼津市赤野観音堂の天部立像は、秘仏本尊・十一面観音立像を守る仏像。両腕や右足を失う姿ながら、当館の調査で、写実的で力強い作風から鎌倉時代の貴重な仏像と判明。今回が初公開となります。また伊豆市・修禅寺の伝観音菩薩坐像は、当館の調査で、伊豆では作例が知られていなかった院派仏師が制作した仏像であることが判明しました。

【近代館】画家たちの旅 -梅原龍三郎、牛島憲之、ルノワールが見た風景-

■ 新収蔵の牛島憲之≪夕月富士≫初公開
牛島憲之≪夕月富士≫(1987年)は2018年度、当館で新たに収蔵した作品の一つで、本展で初公開となります。山中湖の夕暮れの富士を描いたこの作品は、牛島が87歳のときに描いたもの。牛島は歳を取るほど豊かな芸術を生み出しましたが、人生の旅路の後半に近づきつつも、これほど美しい風景画を描き出すその力に圧倒されます。
また牛島は伊豆・下田に別荘を構え、度々この地を訪れました。82歳の時に描いた≪雨明かる≫(1982年)は下田の白浜・板戸海岸で描いた風景で、柔らかに光る雨上がりの海面を見事にとらえています。本展では、下田周辺を捉えたスケッチブックも展示する予定です。

■ 梅原龍三郎、安井曽太郎らの旅の風景
梅原龍三郎は1939(昭和14)年に北京を訪ね、その美しさに魅了されました。日記には「四方の眺め美しく誠に夢の國なり」、「北京の四十二日夢の如し」と記されており、後に「これまでの人生の中でも一番張りのある時であったと思っている」というほど、そこでの制作は充実していました。戦後、大きく改変された北京の街並みですが、緑豊かな≪北京長安街≫(1939年)の風景を見ると、旅先で出会った画家の新鮮な感動が甦るようです。
また、ヨーロッパは画家たちの憧れの地でもありました。20歳で渡欧した安井曽太郎は、はじめピサロやミレーなどに学びながら、次第にセザンヌへと傾倒し、「何を見てもセザンヌのやうに見えるので困りました」と後に述べるほど大きな影響を受けました。その様子は安井が渡欧期に描いた≪小高き丘≫(1913年)にも見ることができます。

■ ルノワール≪アルジャントゥイユの橋≫など印象派の旅も紹介
第2展示室では、フランスの画家たちの旅に焦点を当てます。≪アルジャントゥイユの橋≫(1873年)はルノワールが32歳で描いた作品です。当時、友人の画家モネは、パリから鉄道で約20分のアルジャントゥイユに暮らしていました。ルノワールは度々ここを訪ね、ともに制作を重ねます。この絵に描かれた鉄道は1851年に完成したばかり、当時アルジャントゥイユは日帰りのレジャー地として人気を集めていました。煙を吐きながら鉄橋を渡る機関車には、当時の旅の様子が垣間見えます。
関連資料として、19世紀後半に発行されたフランスのガイドブックも展示します。
   
―主な出品作品
[仏教館] 
1. ≪観音菩薩坐像≫鎌倉後期~南北朝時代 像高48.6㎝ 伊豆の国市・北條寺
※静岡県指定文化財
2. ≪地蔵菩薩坐像≫貞和5(1349)年 像高18.4cm 熱海市・保善院 ※熱海市指定文化財
3.≪地蔵菩薩坐像≫鎌倉時代 像高73.5cm 三島市・光安寺 ※三島市指定文化財
4.≪野嵜牛助家次像≫江戸時代 像高36.7cm 東伊豆町・個人蔵
5.≪伝観音菩薩坐像≫南北朝時代 像高44.2cm 伊豆市・修禅寺 ほか
(函南町・かんなみ仏の里美術館蔵≪観音菩薩立像≫≪地蔵菩薩立像≫は4/24以降の展示)

[近代館] 28点(そのほか第3展示室では上原コレクション9点を展示します)
1. 牛島憲之≪夕月富士≫1987(昭和62)年 油彩、カンヴァス 53.3×91.0㎝
2. 梅原龍三郎≪北京長安街≫1939(昭和14)年 岩彩・油彩、紙 40.0×65.5㎝
3. 安井曽太郎≪小高き丘≫1913(大正2)年 油彩、カンヴァス 35.0×38.0㎝
4. オーギュスト・ルノワール≪アルジャントゥイユの橋≫1873年 油彩、カンヴァス 46.0×63.0㎝ほか

―動画のご紹介 
 展覧会につきまして、担当学芸員による解説動画も公開しております。

・特別展「伊豆半島仏像めぐり―伊豆13市町の仏たち―」

・企画展「画家たちの旅―梅原龍三郎、牛島憲之、ルノワールが見た風景―」

・TVCM


お問い合わせ
公益財団法人 上原美術館
【仏教館】櫻井和香子  【近代館】土森智典
〒413-0715 静岡県下田市宇土金341  
Tel. 0558-28-1228 / Fax. 0558-28-1227
E-mail: info@uehara-museum.or.jp
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展覧会「春をおもう―東洋と西洋、それぞれの春―」で一足早く春を満喫! /release/201812131425 Sat, 15 Dec 2018 09:00:00 +0900 上原美術館    冷たい冬のさなか、慎ましやかに梅が花開くと、雪に覆われた静寂な世界から、しだいに色彩が広がり、活気あふれる豊かな季節へと変化していきます。刻々と季節が移りゆくさまを、画家たちは細やかにみつめ、... 上原美術館
―同時開催「下田の古刹―太梅寺(たいばいじ)の寺宝」にて戦国文書初公開!

 
 冷たい冬のさなか、慎ましやかに梅が花開くと、雪に覆われた静寂な世界から、しだいに色彩が広がり、活気あふれる豊かな季節へと変化していきます。刻々と季節が移りゆくさまを、画家たちは細やかにみつめ、多くの絵画に描いてきました。春のひとときが切り抜かれた情景には、画家たちそれぞれが抱く春へのおもいを感じることができます。
 本展では上原コレクションより、横山大観、小林古径ら日本画家を中心に、印象派の画家たちや岡鹿之助らが描いた春の気配を感じる作品をご紹介します。ぜひこの機会に、東洋と西洋の絵画に隠された春の予感をお楽しみいただければ幸いです。
 また仏教館では、企画展『下田の古刹―太梅寺(たいばいじ)の寺宝』を同時開催いたします。太梅寺は下田の山間に建つ歴史の古い寺院。太梅寺に遺された、伊豆最古の禅語録や戦国文書、南北朝時代の仏像などから、下田の歴史の一端を解き明かしていきます。

【展覧会概要】
□ 展覧会名   【近代館】 企画展「春をおもう―東洋と西洋、それぞれの春―」
         【仏教館】 企画展「下田の古刹―太梅寺(たいばいじ)の寺宝」
□ 会  期  2018年12月15日(土)~2019年3月31日(日) 
        ※会期中無休 (年末年始も開館しております)
□ 会  場  上原美術館
        〒413-0715静岡県下田市宇土金341
□ 開館時間  9:00-17:00 (入館は16:30まで)
□ 入 館 料   大人1,000円/学生500円/高校生以下無料(団体10名以上10%割引)
□ 主  催  公益財団法人 上原美術館
□ 関連イベント 〇学芸員によるギャラリートーク(作品解説)
          日時:会期中の毎月第3土曜日 11:00~/14:00~
         (仏教館・近代館各30分ずつ)
          会場:上原美術館  ※参加無料、要入館券
          〇親子でたのしむアート トーク(絵画鑑賞)
          日時:2019年1月13日(日)、2月10日(日)、3月10日(日)
             13時~(20分程度)
          会場:上原美術館 近代館
          対象:未就学児~中学生とその保護者  ※保護者は要入館券
          内容:美術館の学芸員とお話ししながら展示室で作品を鑑賞します。
―展覧会の見どころ

■ 東洋と西洋、それぞれの春をたのしむ
伊東深水≪春雪≫の雪景色とアルフレッド・シスレー≪サン=クルー近くのセーヌ川、増水≫にみる雪解けの川、横山大観≪夜桜≫の妖艶な山桜とオディロン・ルドン≪花瓶の花≫にみる幽玄なアネモネなど、東西の画家による春の情景を比べてご紹介します。東洋と西洋の絵画に描かれた春を見比べながら、画家たちのおもいを感じ取っていただければ幸いです。

■ 雪を好んだ深水らしい春の光景―日本
今回の展覧会では、上原コレクションの中から春を感じさせる選りすぐりの作品を展示いたします。なかでも伊東深水≪春雪≫は、寒さが戻り紅梅も凍えそうな状況にもかかわらず、障子を開けて微笑みを浮かべる女性が描かれています。深水は雪を好み、さまざまな作品に描いてきました。本作でも、春のひとときを捉えながら、雪が降る光景を単純に喜ぶ無垢な画家の心情が画面に表れているかのようです。作品に描かれた春の世界をお楽しみください。

■ 雪解けにみる春の訪れ―フランス・パリ
フランスのセーヌ川では雪解けによる増水が春の到来を告げるといいます。厚い雲に覆われ、薄暗く寒い日が長く続くパリの冬において、ようやく明るさを取り戻す春の到来はより待ち遠しいことでしょう。シスレー≪サン=クルー近くのセーヌ川、増水≫の画面に描かれた人々は、水が溢れた川を見ながら春の気配を感じているのかもしれません。ぜひ、本作をみながら絵画に隠された春の予感を感じていただければ幸いです。

■ 仏教館では『下田の古刹―太梅寺(たいばいじ)の寺宝』展にて戦国文書を初公開!
仏教館では企画展『下田の古刹―太梅寺の寺宝』を同時開催します。太梅寺は下田の山間に建つ歴史の古い寺院。平安時代に草庵が結ばれ、のちに曹洞宗の寺院として発展してきました。太梅寺には、戦国時代頃に書かれた伊豆最古の禅語録など、下田の歴史を知る上でも貴重な資料が遺されています。本展では、地元の領主と考えられる吉田泰盛が太梅寺で土地を寄付した≪吉田泰盛寺領寄進状≫(1567/永禄10年・下田市指定文化財)を初公開するほか、南北朝時代に造られた地蔵菩薩坐像や、幕末に描かれた涅槃図などから、下田の歴史の一端を解き明かしていきます。

―主な出品予定作品

[近代館]
 1. 横山大観≪夜桜≫1947(昭和22)年 紙本彩色、額装 55.9×68.8㎝
 2. 鏑木清方≪恵方詣≫制作年未詳 絹本彩色、軸装 40.0×51.8㎝
 3. 小林古径≪草花≫1951(昭和26)年 紙本彩色、軸装 64.9×42.6㎝
 4. 小倉遊亀≪梅≫1962(昭和37)年 紙本彩色、額装 61.0×51.0㎝
 5. 伊東深水≪春雪≫1965(昭和40)年頃 紙本彩色、額装 60.5×50.0㎝
 6. アルフレッド・シスレー≪サン=クルー近くのセーヌ川、増水≫1879年
  油彩、カンヴァス 38.4×55.3㎝
 7. カミーユ・ピサロ≪ エラニーの牧場≫1885年 油彩、カンヴァス 54.5×65.5㎝
 8.岡鹿之助≪パンジー≫制作年未詳 油彩、カンヴァス 35.0×27.3㎝

[仏教館]
 1. ≪地蔵菩薩坐像≫南北朝時代 像高65.1㎝ 太梅寺蔵
 2. ≪寂用英順(じゃくゆうえいじゅん)図≫1885(安政2)年 紙本着色 96.0×41.4cm 太梅寺蔵
 3. ≪吉田泰盛寺領寄進状≫1567(永禄10)年 31.8×46.4㎝ 太梅寺蔵 *下田市指定文化財
 4.≪安国寺恵瓊(あんこくじえけい)奉制札≫1590(天正18)年 巻子 太梅寺蔵 *下田市指定文化財
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リニューアル1周年記念 特別展 『伊豆の平安仏―半島に花ひらいた仏教文化―』 /release/201809077719 Fri, 14 Sep 2018 09:00:00 +0900 上原美術館 公益財団法人 上原美術館(静岡県下田市)では、リニューアル1周年を記念して、秋の特別展『伊豆の平安仏―半島に花ひらいた仏教文化―』を開催いたします。伊豆半島は全国でも珍しく平安仏が多く残る地域です。そ... 公益財団法人 上原美術館
伊豆の貴重な平安仏19点を一堂に展示
公益財団法人 上原美術館(静岡県下田市)では、リニューアル1周年を記念して、秋の特別展『伊豆の平安仏―半島に花ひらいた仏教文化―』を開催いたします。伊豆半島は全国でも珍しく平安仏が多く残る地域です。それらの仏像は古くより発達した海上交易、そして豊かな自然を畏怖するいにしえの人々の心が育み、花ひらいた美しい文化です。
本展では、上原美術館の開館以来35年の継続調査により見出された平安仏の数々をご紹介します。60年に一度公開される秘仏や通常非公開の仏像まで、伊豆の自然が守り、育んだ仏教文化をお楽しみください。
また近代館では、京都が生んだ洋画家を紹介する企画展『須田国太郎―上原コレクションから―』を開催いたします。

―展覧会概要

1)企画展名 【仏教館】 リニューアル1周年記念 特別展「伊豆の平安仏-半島に花ひらいた仏教文化-」
2)会期    2018年9月22日(土)~12月9日(日) ※会期中無休
3)開館時間  9:00–17:00(最終入館は16:30まで)
4)会場   上原美術館 仏教館 〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料  ※団体10名以上10%割引
         ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります

6)出品作品   19点

7)関連イベント 〇学芸員によるギャラリートーク(作品解説)
         会期中の毎月第3土曜日 11:00~ /14:00~ 
         近代館と合わせて約1時間
           ※参加無料。ただし入館券が必要となります

           〇ミニ講演会『伊豆の平安仏―半島に花ひらいた仏教文化―』
           日時:2018年11月3日(土)/11月24日(土) 14:00~15:30
           場所:上原美術館 近代館・会議室
           講師:田島整(当館主任学芸員) 
           定員:先着50名、要予約、要入館券
           予約方法:郵送、またはメール(info@uehara-museum.or.jp)にて、
           ①お名前 ②参加人数 ③ご住所 ④お電話番号 ⑤ご希望日をお知らせください。
           後日、チケットを郵送いたします。

          〇ミニ講座『クローズアップでみる須田国太郎作品の魅力』
           日時:2018年11月10日(土) 14:00~15:00
           場所:上原美術館 近代館・会議室
           講師:齊藤陽介(当館学芸員) 
           定員:先着50名、予約不要、要入館券

8)その他 近代館では、企画展『須田国太郎―上原コレクションから―』を同時開催します。


―展覧会の見どころ

■ リニューアル1周年記念に、貴重な伊豆の平安仏が一堂に集結
上原美術館は開館以来35年間、伊豆の仏教文化の調査を継続的に行っている数少ない美術館です。今回の展覧会では、当館の継続調査にもとづく貴重な平安仏の数々を伊豆半島の10ケ寺より19点(21体)、ご出品いただきます。

■ 知られざる伊豆、再発見
伊豆半島は全国でも珍しく平安仏が多く残る地域です。太平洋につき出した伊豆半島は、古くより海運が栄え、豊かな自然や海は自然への畏怖を生み、宗教的にも先進的な場所となりました。その歴史的な詳細は未だ分かっていませんが、平安仏を一堂に目の当たりにすると、平安時代の人々の心に触れ、歴史のロマンを感じることができます。
   
■ 寺外初公開、金龍院の千手観音立像
伊豆市大平の金龍院には平安時代の千手観音がまつられています。伊豆半島最古の千手観音と考えられ、大変貴重な作例です。この千手観音はこれまで美術館など寺外では公開されたことがありません。今回の展覧会ではご住職のご厚意により、本像を特別に出品いただきました。

■ 六十年に1度公開の秘仏を特別に展示
松崎町松尾区の不動明王、下田市須原にある法雲寺の如意輪観音像は、六十年に一度、本開帳される秘仏です。今回はご住職のご厚意により、特別に公開させていただくことになりました。普段目にすることさえできない秘仏を拝観するまたとない機会です。

■ 県指定、市・町指定の文化財を出品
静岡県指定文化財4点、市・町指定文化財4点を出品します。

■ 近代館では『須田国太郎』展を同時開催
近代館では企画展『須田国太郎―上原コレクションより―』を同時開催します。京都に生まれ、スペインで伝統絵画を学んだ洋画家・須田国太郎の「墨色(黒)」に着目して、「東西の綜合」の上に立つ絵画を目指したその世界をご紹介します。

―出品予定作品

1. 千手観音立像 平安時代 金龍院(伊豆市大平) 県指定文化財 像高68.5cm
2. 不動明王坐像 平安時代 金龍院(伊豆市大平) 県指定文化財 像高109cm
3. 観音菩薩立像 平安時代 林際寺(河津町沢田) 像高102.8cm
4. 吉祥天立像 平安時代 地福院(河津町縄地) 像高123.1cm
5. 梵天立像 平安時代 河津平安の仏像展示館(河津町谷津) 県指定文化財 像高168.9cm
6. 帝釈天立像 平安時代 河津平安の仏像展示館(河津町谷津) 県指定文化財 像高191.6cm
7. 薬師如来坐像 平安時代 曹洞院(下田市大賀茂) 下田市指定文化財 像高90.1cm
8. 二天立像 平安時代 曹洞院(下田市大賀茂) 下田市指定文化財 像高各70cm
9. 観音菩薩立像 平安時代 観音寺(下田市須崎) 下田市指定文化財 像高148.3cm
10. 如意輪観音坐像 平安時代 法雲寺(下田市須原) 像高77.1cm
11. 不動明王立像 平安時代 松尾不動堂(松崎町岩科南側) 松崎町指定文化財 像高85.2cm
12. 二童子立像 室町時代  松尾不動堂(松崎町岩科南側) 像高30.9cm
13. 如来坐像 平安時代 差田区(南伊豆町差田) 像高22.8cm
14. 薬師如来坐像 平安時代 青龍寺(南伊豆町手石) 南伊豆町指定文化財 像高97.0cm
15. 不動明王坐像 平安時代 河津平安の仏像展示館(河津町谷津) 河津町指定文化財
像高102.0cm
16. 坐像脚部残欠 平安時代 河津平安の仏像展示館(河津町谷津) 河津町指定文化財
17. 腕残欠 平安時代 河津平安の仏像展示館(河津町谷津) 河津町指定文化財
18. 腕残欠 平安時代 河津平安の仏像展示館(河津町谷津) 河津町指定文化財
19. 仏手残欠 平安時代 河津平安の仏像展示館(河津町谷津) 河津町指定文化財

*近代館では須田国太郎作品39点のほか、ルノワールなどの収蔵品を展示します。
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上原美術館で新収蔵・薬師如来坐像を初公開する展覧会「すがた うるわし」開催 /release/201805103799 Mon, 21 May 2018 12:00:00 +0900 上原美術館  新緑の季節から夏にかけて、上原美術館では2つのコレクション展を同時開催いたします。  仏教館では絵画と仏像にみられる「うるわしい姿」を紹介する展覧会「すがた うるわし-仏像と近代絵画の出あい-」を開... 上原美術館
―夏にぴったりな展覧会「風のささやき、水のゆらめき」も同時開催
 新緑の季節から夏にかけて、上原美術館では2つのコレクション展を同時開催いたします。
 仏教館では絵画と仏像にみられる「うるわしい姿」を紹介する展覧会「すがた うるわし-仏像と近代絵画の出あい-」を開催。新収蔵の《薬師如来坐像》などの仏像と、ルドン《ブリュンヒルデ、神々のたそがれ》といった近代絵画にも共通するような美しいかたちを、ジャンルを超えてご紹介します。
 近代館は、新緑にふさわしい風や水の音が感じられる絵画を特集する展覧会「風のささやき、水のゆらめき-絵に描かれた美しき風景-」を開催。風景を描くときには、そこで聞こえる音や水の冷たさまで表したいと言った安井曽太郎が描く《十和田湖》や、モネ《ジヴェルニー付近のセーヌ川》などを展示します。
 夏休みにもぴったりな上原美術館へ、是非お越しください。


【概要】
□ 展覧会名 【仏教館】すがた うるわし-仏像と近代絵画の出あい-
       【近代館】風のささやき、水のゆらめき-絵に描かれた美しき風景-
□ 会  期 2018年5月26日(土)~2018年9月17日(月・祝) 
       *会期中無休
□ 会  場 上原美術館 仏教館・近代館
       〒413-0715静岡県下田市宇土金341
□ 開館時間 9:00-17:00 (入館は16:30まで)
□ 入 館 料 大人1,000円/学生500円/高校生以下無料(団体10名以上10%割引)
□ 主  催 公益財団法人上原美術館


【お知らせ】
※上原美術館の公式SNSがはじまりました!
 会期中の様子など、「いま」の上原美術館をご紹介します。
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Twitter
https://twitter.com/uehara_museum
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4月14日より、上原美術館と静岡県立美術館が初めての共同企画展―伊豆・下田から世界の美をめぐる /release/201803292444 Mon, 02 Apr 2018 12:00:00 +0900 上原美術館 【企画趣旨】  今回の展覧会は上原美術館と静岡県立美術館、双方のコレクションの特質に焦点を当てようという初めての試みです。  上原美術館は個人コレクションを出発点とした、穏やかで親しみやすい作品群が特... 公益財団法人 上原美術館
特別展「美を旅するー静岡県立美術館のコレクションとともにー」
【企画趣旨】
 今回の展覧会は上原美術館と静岡県立美術館、双方のコレクションの特質に焦点を当てようという初めての試みです。
 上原美術館は個人コレクションを出発点とした、穏やかで親しみやすい作品群が特徴です。一つひとつの作品には、それらを愛したコレクターのやさしいまなざしが垣間見えます。一方、静岡県立美術館のコレクションには、東西の風景、富士山、現代美術、ロダンなどをテーマに、多彩で質の高い作品が揃います。
 今回の展覧会では、上原美術館の邸宅のような穏やかで上質な空間を活かして、両コレクションが織り成す「美」の世界を旅していただきたいと考えております。
 伊豆を含む静岡の人々が自らの土地とそこにある名品を「再発見」していただくとともに、全国の方々に静岡の魅力を発信する機会になればと考えております。


【見どころ】
・上原美術館と静岡県立美術館が共同開催する「初めて」の展覧会です。
・伊豆・下田で、上原美術館と静岡県立美術館が「初めて」共同企画するイベントを多数開催します。
・5月19日、20日のイベントは下田市の「黒船祭」との協賛イベントです。
・5月4日のイベント「みんなで大きな黒い船を描こう!」は、モネ≪ルーアンのセーヌ川≫を黒船に見立てて描きます。完成作は黒船祭まで開国下田みなとの外壁に展示予定です。
・新緑が美しい伊豆・下田に、静岡が有する世界の名画・名品が集まります。
・上原美術館のテーマである「ジャンルを超えた美との出あい」が、さらにスケールアップして展開します。


【内容】
 上原美術館ではリニューアル企画第2弾として、静岡県立美術館との合同企画展を開催します。
 今回の美をめぐる旅は牛島憲之《雨明かる》が描かれた伊豆・下田からはじまります。伊豆の山を越えると《富士三保松原図屏風》に描かれた霊峰・富士を見ることができます。そして、富士山は遠くフランスで多くの画家を魅了しました。《雪中の家とコルサース山》を富士に見立てたモネをはじめ、ルノワール、ピサロ、ゴーギャン、ゴッホなど、多くの画家が日本の文化に影響を受けながら新しい風景を描き出しました。
 また、美しいものは人々を内なる旅へといざないます。須田国太郎《筆石村》、レンブラント《三本の木》は時代も場所も異なりますが、どこか時間と場所を超えて見るものを内なる世界へと導くようです。そうした旅へのいざないは平安時代の仏像から、モーリス・ルイス《べス・アイン》の抽象絵画にも感じることができるでしょう。
 伊豆の自然に囲まれた新しい上原美術館で、ジャンルを超えた美の世界への旅をお楽しみいただければ幸いです。


【展覧会概要】

展覧会名:リニューアル記念Ⅱ 美を旅する ―静岡県立美術館のコレクションとともに―
主  催:公益財団法人上原美術館、静岡県立美術館
後  援:下田市教育委員会
会  期:2018年4月14日(土)~5月20日(日) 
      *会期中無休(2018年4月9日~4月13日は展示替えのため休館します)
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
会  場:上原美術館 (仏教館・近代館) 展示室
入 館 料:一般1,000円、学生500円、高校生以下無料 *団体10名以上は1割引
そ の他 :展覧会関連企画として、静岡県立美術館との共同イベントを多数開催します。
      *別紙参照
出品作品:46点 (上原美術館27点、静岡県立美術館19点) *予定
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11月3日・文化の日、上原美術館が伊豆・下田にリニューアル・オープン /release/201710257174 Thu, 26 Oct 2017 14:00:00 +0900 上原美術館  11月3日・文化の日、伊豆・下田に上原美術館がリニューアル・オープンします。  これまで上原仏教美術館と呼ばれていた建物は「仏教館」に、隣接する上原近代美術館は「近代館」へと改称し、2つのギャラリー... 公益財団法人 上原美術館
11月3日・文化の日、上原美術館が伊豆・下田にリニューアル・オープン
開館記念となる展覧会を開催
 11月3日・文化の日、伊豆・下田に上原美術館がリニューアル・オープンします。
 これまで上原仏教美術館と呼ばれていた建物は「仏教館」に、隣接する上原近代美術館は「近代館」へと改称し、2つのギャラリーをもつ「上原美術館」として新しく生まれ変わります。
 仏教美術と近代絵画が出あうこの美術館で、新しい美にふれる時間をお過ごしください。リニューアル記念の展覧会では、コレクションの中から選りすぐりの名品をご紹介します。


【概要】
□ 展覧会名 上原コレクション名品選―印象派の絵画から仏像、写経まで―
□ 会  期 2017年11月3日(金・祝)~2018年4月8日(日) 
       *会期中無休
□ 会  場 上原美術館
       〒413-0715静岡県下田市宇土金341
□ 開館時間 9:00-17:00 (入館は16:30まで)
□ 入 館 料 大人1,000円/学生500円/高校生以下無料(団体10名以上10%割引)
□ 主  催 公益財団法人 上原美術館

【学芸員のイチオシ!展覧会のみどころ】
1.新しくなった仏教館の展示室!
仏教館は今回のリニューアル工事によって新しい展示室が誕生しました。国宝や重要文化財などを展示できる展示空間が完成し、最新技術を取り入れた照明によって作品のもつ魅力を存分に味わうことができます。

2.新収蔵品を当館初公開!
新収蔵の≪大日如来坐像≫(鎌倉時代、1270年)や≪中阿含経≫(奈良時代、8世紀)、≪観世音菩薩立像(興福寺 千体仏)≫(平安時代、12世紀)を仏教館で初公開します。

3.仏教美術と近代絵画の出あい!
新しい上原美術館では、仏教美術と近代絵画のジャンルを超えた美を見ることができます。下田に古くより伝わる≪阿弥陀如来坐像≫(平安時代、当館寄託)と、下田を描いた牛島憲之≪雨明かる≫(1982年)が並ぶ一室。そこには時代を超えて、どこかあたたかな伊豆・下田の風土が感じられます。印象派から平安の仏像、写経まで、ジャンルを超えた美が出あう上原コレクションをお楽しみください。
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上原美術館 山田五郎氏による講演会開催 /release/201710106680 Thu, 12 Oct 2017 19:30:00 +0900 上原美術館 2017年11月3日、上原近代美術館と上原仏教美術館がひとつになり、上原美術館が誕生します。これを記念して、山田五郎氏による特別講演会を開催いたします。 公益財団法人 上原美術館
上原美術館 山田五郎氏による講演会開催
 2017年11月3日、上原近代美術館と上原仏教美術館がひとつになり、上原美術館が誕生します。これを記念して、山田五郎氏による特別講演会を開催いたします。
 下田は古くから東西の文化が出あう町でした。そして、新しい上原美術館はさまざまなジャンルの美術が出あう場所です。今回は上原コレクションに見る西洋と日本の絵画の関係についてお話いただきます。画家たちはなぜこのような描き方をしたのか、そんな疑問を出発点に絵をたのしく見ていきます。

上原美術館 講演会
演題:上原美術館リニューアル記念 山田五郎氏講演会
   『下田は東西の美術が出あう町―上原美術館のたのしみ方―』
日時:2017年12月2日(土) 13時30分~15時(開場12時30分)
会場:下田市民文化会館 大ホール 〒415-0024 静岡県下田市4丁目1番2号
定員:800名 要予約、抽選制

申込締切:11月5日(日) はがきは必着、メールは同日24時まで
*抽選結果の発表は11月中旬に郵送でお知らせいたします。当日は、当館から郵送する入場券を必ずご持参ください。

申込方法:下田市民文化会館、メール、はがきにて申込を受け付けております。
     1件につき5名様までお申込できます。
1.下田市民文化会館でお申込の場合 
受付にて、所定の申込書に必要事項をご記入ください。

2.はがきの場合
郵便はがきに「1.山田五郎 講演会、2.申込者お名前、3.人数・ご同伴者お名前、4.郵便番号・申込者ご住所、5.申込者お電話番号」をご記入いただき、下記宛先までお申込ください。
申込先:上原美術館 講演会係 〒413-0715 静岡県下田市宇土金341

3.メールの場合
タイトルを「山田五郎 講演会 申込」として、メール本文に「1.申込者お名前、2.人数・ご同伴者お名前、3.郵便番号・申込者ご住所、4. 申込者お電話番号」を記入の上、下記のアドレスへ送信してください。 
申込専用アドレス:event2017@uehara-museum.or.jp
*メール申し込み後、受付確認メールをお送りします。2-3日経っても、返信がない場合は上原美術館までお電話ください。
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