法人別リリース Thu, 21 Nov 2019 15:36:42 +0900 hourly 1 花王とPreferred Networksが“Kao×PFN 皮脂RNAプロジェクト”を発表 /release/201911203781 Thu, 21 Nov 2019 14:36:25 +0900 花王グループ 発表会広報事務局   花王株式会社は、11月20日に、花王が開発した皮脂RNA(リボ核酸)モニタリング技術※1の実用化に向けて、株式会社Preferred Networks(代表取締役社長 最高経営責任者・西川徹、以... 花王グループ 発表会広報事務局
花王とPreferred Networksが
「皮脂RNAモニタリング技術」実用化に向け協働プロジェクトを開始
~肌状態にコミットする美容カウンセリングサービスの
早期構築をめざす~


 
  花王株式会社は、11月20日に、花王が開発した皮脂RNA(リボ核酸)モニタリング技術※1の実用化に向けて、株式会社Preferred Networks(代表取締役社長 最高経営責任者・西川徹、以下、PFN)との協働プロジェクト “Kao×PFN 皮脂RNAプロジェクト” を開始すると発表しました。
「皮脂RNAモニタリング技術」は、花王が2018年に発表した5つの技術イノベーションの一つで、日々変動する皮膚状態を反映する遺伝子発現情報「RNA(リボ核酸)」を顔の皮脂から単離し、分析する技術です。花王の皮脂RNAモニタリング技術で得られた情報に、PFNの機械学習・深層学習技術を用いて、高度な予測アルゴリズムを開発します。これにより、これまでの肌測定・解析技術では把握できなかった肌内部の状態を知ることや、将来の肌ダメージのリスク評価が可能になります。さらに遺伝情報をもとにパーソナライズされた美容アドバイスやスキンケアを提供することで、肌状態の改善・予防への道も拓けます。まずは2020年から一部機能のテスト運用を開始し、精度の向上と改良を進めていきます。

※1 皮脂RNAモニタリング技術:日々変動する体内状態を反映するRNAを皮脂から単離し、分析する技術。あぶらとりフィルムで皮脂を採取するという非侵襲性の(体に負担の少ない)試験で約13000種類のRNA発現量を得ることができる。
※2 深層学習(ディープラーニング)技術:機械が大量のデータから特徴や法則性を自動で抽出する技術。特に深層学習は画像認識・音声認識などの特定タスクにおいて精度を飛躍的に高めています。


当日、花王本社にて、花王とPFNの幹部4名がこのプロジェクトにかける想いを語りました。

■皮脂RNAモニタリング技術への驚き
花王  長谷部 専務

花王はビューティの研究に力を入れており、皮脂の研究もトップクラスだと自負しています。皮脂を細かく調べていく中で、1人の研究員がもしやと思ったのが最初でした。普通ですとRNAは皮膚上の酵素で簡単に分解されますのでその存在を思いもしませんが、その研究員が何回も試行してRNAの存在を確認しました。最初は誰もが疑ったのですが、今では花王の生物科学研究所最大の発見のひとつと思っています。
(花王の「皮脂RNAモニタリング技術」についてはこちらを参照ください   https://youtu.be/LXG4MOdQl7w

PFN 岡野原 副社長

まず最初に感じたことは、非常に有効な技術が突然登場したなということ。皮脂からRNAを抽出できるということは、とても重要なブレークスルーだと感じています。なぜかというと、現在遺伝情報を取得しようと思った場合は、血液の採取など、基本的には何かしら体に負担をかけることになりますが、皮脂RNAは簡単に採ることができます。毎日であったり1日数回であったりと頻度高く採ることができるという面で非常に画期的なことだと思います。

PFN 西川 社長

生物やバイオの分野にAI技術を応用する場合には、データをどう取得するかがいつも課題になります。血液などは毎日採ることが難しいので、皮脂からRNA情報が取得できるのであれば継続的なモニタリングもしやすい。定量的なデータを取り続けることができるということに、私たちは大きな可能性を感じています。社内でも重要なプロジェクトと位置付けており、このような発表ができてうれしく思っています。



花王株式会社 代表取締役 専務執行役員 長谷部 佳宏





株式会社Preferred Networks 代表取締役社長 最高経営責任者 西川 徹様





株式会社Preferred Networks 代表取締役副社長 岡野原 大輔様



■AIによる社会課題の解決

PFN 西川 社長

PFNは2014年の創業以来、各分野のリーディングカンパニーと協業し、ディープラーニングとコンピューティングで社会課題の解決に取り組んできました。特にバイオ、ライフサイエンス、ケミカルの分野でのディープラーニングの活用は非常に重要であると考えています。

PFN 岡野原 副社長

すでにガンの早期診断や医用画像解析などにディープラーニングなどのAI技術が使われ、これまで解けなかった課題のいくつかで成果を上げはじめています。皮脂RNAにおいても、今後さらにデータ量を増やし、データを細かく見ていくことで、より精度を高めていきたいです。

PFN 西川 社長
私たちが今まで取り組んできた事業は比較的BtoBが多かったのですが、今後はPFNとしても、生活者のニーズに合った提案をしていきたい。今回の花王との協業においても、技術が生活者にどう受け入れられるのかという視点が重要であると思っています。

■Kao×PFN皮脂RNAプロジェクトで拓ける未来

花王 澤田 社長

私は今回PFNと花王がこういう連携を発表できるに至ったということを、非常に嬉しく思っています。PFNのお力を得て、皮脂RNAモニタリング技術そのもののレベルも上がってきました。時間やコストの低減も見えてきて、カウンセリングの中に組み込んでいけるという実感を得ています。皆さまには楽しみにしていただきたい。

PFN 西川 社長

たとえば、あまりにもたくさんの現象を人が同時に理解することはできないが、機械の力を借りることでそういった現象を少しでも理解に近づけることができる。AIと人が協調することによって、人の創造力がもっともっと活かせると思います。それが私たちの目指しているAIですし、そういう世界を創っていきたいと思っています。

PFN 岡野原 副社長

AIの技術は着実に進化しているが、一般の方がAIによって生活が変わったなと実感する機会はまだまだ少ない。今回の花王との取り組みは、AIとおそらく今までほとんど接点がなかった方々にも認知いただける良い機会だと思っています。便利だな、こういう風に使えるんだという経験がたまっていくと、AIは我々の生活を豊かにしてくれる、人間の可能性を広げてくれるものだという理解が深まると考えています。

花王 澤田 社長

お互い社会に大きく役に立ちたいというのを企業理念のベースにしております。これから社会を大きく変えるためにいい連携を広げていければと思います。


トークセッションの様子





花王株式会社 代表取締役 社長執行役員 澤田 道隆
 
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技術イノベーション「ファインファイバーテクノロジー」事業化第一弾 /release/201911063188 Wed, 06 Nov 2019 19:28:59 +0900 花王グループ 発表会広報事務局  花王株式会社は、11月1日に、積層型極薄膜形成技術「Fine Fiber Technology(ファインファイバーテクノロジー)」を具現化する、高性能小型ディフューザーを開発し、化粧品ブランドの花王... 花王グループ 発表会 広報事務局
技術イノベーション「ファインファイバーテクノロジー」事業化第一弾
“フューチャースキン”を花王「est」・カネボウ化粧品「SENSAI」
から提案
 花王株式会社は、11月1日に、積層型極薄膜形成技術「Fine Fiber Technology(ファインファイバーテクノロジー)」を具現化する、高性能小型ディフューザーを開発し、化粧品ブランドの花王「est」、カネボウ化粧品「SENSAI」から発売すると発表しました。この機器はパナソニック株式会社 アプライアンス社と共同開発したもの。花王の技術イノベーション「ファインファイバーテクノロジー」の事業化第一弾を、化粧品領域のスキンケアから開始し、未来の肌体験“フューチャースキン”を提案します。



■当日の模様  会の冒頭、花王株式会社 代表取締役 社長執行役員 澤田 道隆は「昨年の11月の技術イノベーション発表会で、最も注目を集めたのがファインファイバーテクノロジー。このたびパナソニック様のご協力を得て、事業化にこぎ着けました。ファインファイバーは、花王のオムツや生理用品などの不織布研究から生まれた技術です。工業用の巨大な機械から、生活環境の中で簡単に使える物へ、15年かけて実用化を実現しました」と語りました。
発表会映像:https://www.youtube.com/watch?v=8v4lnQS1s7A

花王株式会社 代表取締役 社長執行役員 澤田 道隆

 「ファインファイバー」は、直径が1ミクロン以下の極細繊維を肌に直接ふきつけることで、軽く、やわらかく、自然な積層型極薄膜を肌表面につくる技術です。この「ファインファイバー」と化粧品の製剤を組み合わせることで、これまでにないスキンケア効果が期待できます。

 「ファインファイバーは、スキンケアからはじめますが、メイクアップ、ボディケア、アートといった化粧品領域に続き、将来的には医療領域での貢献も目指していきます。これまでの延長線ではできないことを、やっていきたい。ファインファイバーテクノロジーで、化粧品領域では女性の笑顔をサポートし、医療領域では、悩み、苦しみを持っている人のお役に立てればと思っています。花王らしいESGの柱として、大きく成長させることができる技術だと思っていますので、今後の展開にどうぞご期待ください」と述べました。

 続いて、花王株式会社 執行役員 化粧品事業分野担当 村上 由泰が、ファインファイバーテクノロジーを応用した化粧品事業の概要について紹介しました。
 村上執行役員は「私たちは“未来の肌”という意味だけでなく、未来を切り開くお手伝いをしたいという思いを込めて、ファインファイバーテクノロジーによりもたらされる体験を、“フューチャースキン”と呼ぶことにしました。

花王株式会社 執行役員 化粧品事業分野担当 村上 由泰

 今回ご提案するのは、2ステップからなるナイトケアです。夜のお手入れの最後にエフェクターをつけ、ポーションをセットしたディフューザーから、肌に直接極細繊維をふきつけます。肌を薄い膜で覆うことで、適切な水分状態を朝まで保てます。ファインファイバー技術の応用はまさに無限大です。研究は進んでおり、化粧品としてもスキンケアだけでなくさまざまな展開が可能になります」と説明しました。

エスト バイオミメシスヴェール
(左から)エフェクター、ディフューザー、ポーション


SENSAI バイオミメシスヴェール
(左から)エフェクター、ディフューザー、ポーション

■小型ディフューザー開発秘話  商品発表の後、高性能小型ディフューザーを共同開発したパナソニック株式会社 常務執行役員 アプライアンス社 品田 正弘 社長をお招きし、
 澤田社長、村上執行役員とともにトークセッションを行いました。
今回のプロジェクトについて品田社長は「約4年間、数々の試作、モニターの評価を繰り返し、ようやく実用レベルまで到達することができました。お客様に本質価値を提供できる機器が完成したのではないかと思っています」と語りました。

品田様、澤田社長、村上執行役員
トークセッションの様子

 「今回最も苦労したのは、小型化と使いやすさの両立です。中にヴェールを作るためのポーションをセットするのですが、ポーションの容量に伴い本体サイズが大きくなってしまうので、内部の部品配置を徹底的に見直しました。また、表面に滑り止めを設けるなどして、“女性が片手でグリップできる”形状に仕上げました。」と小型化への挑戦について語りました。
 さらに、機器の吐出口に搭載する独自の“ギアポンプ開発”では、「微量の化粧品溶液を安定してふき出せるよう、ポンプ室と、回転するギアの寸法をミクロンレベルの精度で確保する必要がありました。何度も試作して金型をつくり、試行錯誤を繰り返しました」と開発の様子を語りました。

■花王「est」とカネボウ化粧品「SENSAI」で展開  「est」は、2019年12月4日(水)から、花王直営店「BEAUTY BASE by Kao(銀座)」のほか、百貨店6店舗で販売を開始し、2020年春以降、全国展開を予定しています。「SENSAI」は、国内では「est」同様12月4日(水)より東京・大阪の百貨店で販売を開始し、2020年2月から、イギリス、フランスの基幹店で販売を開始、欧州を中心に展開していく予定です。
 未来を創る、世の中を変える、ファインファイバーテクノロジーを搭載した「フューチャースキン」の可能性は今後更に広がります。花王の技術イノベーションの今後の展開にご期待ください。




 花王は、2019年4月に公表したESG(環境・社会・ガバナンス)戦略「Kirei Lifestyle Plan(キレイライフスタイルプラン)」に基づき、より豊かな暮らしに貢献するため、これまで培ってきた“よきモノづくり”の思想を“ESG視点でのよきモノづくり”へと高め、環境や社会に配慮した商品提案に取り組んでいます。
 今後もESGを根幹に据えた経営戦略のもと、「ファインファイバーテクノロジー」を社会課題解決のためのソーシャルイノベーションのひとつとして位置づけ、化粧品のみならず、医療領域への展開も視野に入れ研究を深耕していきます。そして、将来的にさまざまな商品や顧客サービスなどに応用することで、グローバルで存在感のある企業をめざします。
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