法人別リリース Mon, 28 Nov 2022 15:03:00 +0900 hourly 1 金沢大学ナノ生命科学研究所: 世界初―高速原子間力顕微鏡で細胞外小胞のナノ構造変化を捉えることに成功 /release/202211280460 Mon, 28 Nov 2022 15:03:00 +0900 金沢大学 金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース   発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所 DATE: 2022年11月28日   金沢大学ナノ生命科学研究所: 世界初―高速原子間力... 金沢大学ナノ生命科学研究所
金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース
 
発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所
DATE: 2022年11月28日
 
金沢大学ナノ生命科学研究所: 世界初―高速原子間力顕微鏡で細胞外小胞のナノ構造変化を捉えることに成功。
 
(Kanazawa 28 November) 金沢大学大学院新学術創成研究科ナノ生命科学専攻博士後期課程3年のエルマ・サキナトゥス・サジダさん,ナノ生命科学研究所のキイシヤン・リン特任助教とナノ生命科学研究所/新学術創成研究機構のリチャード・ウォング教授らは,同ナノ生命科学研究所の華山力成教授,安藤敏夫特別功績教授らとの共同研究において,高速原子間力顕微鏡(高速AFM)(※1)を用いることで,物理化学的ストレスに対する細胞外小胞(※2)のナノ構造変化をリアルタイムかつ3Dで捉えることに世界で初めて成功しました。
 
金沢大学ナノ生命科学研究所 ウエブサイト
https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/
 
細胞外小胞は,生体内でさまざまな脂質やタンパク質,核酸などの機能分子を運ぶことで,細胞間のコミュニケーションにおいて重要な役割を担っています。細胞外小胞はその性質から,バイオ医薬品として抗がん剤やワクチンなどへの応用が期待されています。従来,細胞外小胞の機能解析が世界中で活発に進められてきましたが,細胞外小胞は直径が100 ナノメートル前後と非常に小さいため,その構造の変化を直接リアルタイムで捉えることは困難でした。本研究では高速AFMを用いることにより,熱ストレス,pH,浸透圧などのさまざまな物理化学的ストレスに対する細胞外小胞のナノ構造変化をリアルタイムかつ3Dで捉えることに成功しました。その結果,高温,高pH,高浸透圧条件下では,細胞外小胞の構造は大きく変化しましたが,低pHや低浸透圧環境では,細胞外小胞は球形を保ったままであることが分かりました。このように,高速AFM はpHや浸透圧の変化に伴う細胞外小胞の不可逆的なナノ構造変化をリアルタイムで観察,評価することができる強力なツールであることが示されました。高速AFM は,高い時空間分解能(ナノ秒,ミリ秒レベル)で,定性的,定量的なデータを提供することができるため,将来,高速AFMが細胞外小胞のみならず,さまざまなナノ生体材料の評価ツールとして活用されることが期待されます。
本研究成果は,2022年11月1日(米国東部時間)に国際学術誌『Journal of Extracellular Vesicles』にオンライン掲載されました。
 
【研究の背景】
細胞外小胞は,脂質二重膜に包まれて細胞外へと放出される小胞の総称で,エンドソーム膜由来のエクソソーム,細胞膜由来のエクトソーム,死細胞膜由来のアポトーシス小体などが含まれます。細胞外小胞には,分泌細胞由来の脂質やタンパク質,核酸などの機能分子が含まれており,それを標的細胞へと受け渡すことで,さまざまな生理機能や疾患の発症を制御することが知られています。このことから細胞外小胞は,新たなバイオ医薬品として,ワクチンなどへの応用が可能なナノ生体材料であると期待されています。さらに,病的細胞由来の細胞外小胞では,これらの機能分子の組成が大きく異なることから,細胞外小胞は疾患の診断材料(バイオマーカー)としての活用が期待されており,細胞外小胞を構成する生化学的な分子組成だけではなく,細胞外小胞の物理的な特性評価も非常に重要です。従来の原子間力顕微鏡(AFM)でも,細胞外小胞のナノ構造変化を可視化し,その膜の硬さを測定することはできましたが,その画像は静的なスナップショットであるため,硬さの測定の時間分解能は低いと言わざるを得ず,ミリ秒単位での動的な変化をリアルタイムで観察・測定することは不可能でした。一方,本研究で用いた高速AFMは,高い時空間分解能を持つ強力なナノイメージングツールで,カンチレバーによってサンプルを穏やかにタッピングすることにより,試料にダメージを与えることなく,ミリ秒単位で画像を取得することができます。高速AFMを用いることで,ウォング教授らはこれまでに,ウイルスタンパク質,ヒストンへのDNAラッピング,真核生物のオルガネラ(核膜孔と細胞外小胞)のナノ構造変化を直接可視化してきました。
 
【研究成果の概要】
本研究では,温度,pH,浸透圧などさまざまな物理化学的ストレスに対する細胞外小胞のナノ構造の動的変化を明らかにしました。この結果は将来,細胞外小胞をバイオ医薬品として応用する際に,細胞外小胞の分離と品質管理において非常に重要なデータと成り得ます。一例として,陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて細胞外小胞を迅速に分離・濃縮する際に,細胞外小胞は1M NaClといった高塩濃度にさらされますが,本結果により,このような方法で分離された細胞外小胞は本来の形とは異なってしまう可能性が考えられます。このように,ある種の分離技術は細胞外小胞の構造に影響を与える可能性があるため,高速AFMを用いて細胞外小胞の構造を確認することはその品質管理において有効と言えます。さらに,温度とpHは一般的な保存パラメータであることから,高速AFMは保存条件と細胞外小胞ナノ構造変化との関係を研究するのに適していることが示唆されました。例えば,熱安定性の高い細胞外小胞を用いてCOVID-19に対するワクチンを開発する際に,高速AFMを使用して品質管理を行うことにより,多くのワクチンがより多くの人へと届くようになります。
細胞外小胞は標的細胞においてエンドソームという膜に包まれて取り込まれ,その後エンドソーム内のpHが低下します。本研究では,この過程をバッファーのpHを7から4に変化させることで再現したところ,細胞外小胞のナノ構造変化は酸性条件に対して耐性があり,構造の変化がほとんど見られませんでした。エンドソーム内の低pH状態はいくつかのウイルス融合タンパク質にとって重要であり,細胞感染時にエンドソーム内へと取り込まれたウイルスが細胞内へと侵入するための膜融合の引き金となっています。ウォング教授らは以前,高速AFMを用いて,A型インフルエンザウイルスのヘマグルチニン融合タンパク質やSARS-CoV-2のスパイクタンパク質の細胞外小胞膜へのドッキング機構を明らかにしています。高速AFMを用いると,例えばヘリコバクター・ピロリが放出する細胞外小胞のナノ構造変化の動態を研究することもできます。ヘリコバクター・ピロリは,極端に酸性な環境でも生存でき,通常は胃酸を増加させるためにウレアーゼを分泌しています。ヘリコバクター・ピロリの細胞外小胞には,慢性胃炎や胃がんを誘発するがんタンパク質CagAやVacAが含まれており,胃がん患者では胃にヘリコバクター・ピロリ由来の細胞外小胞が蓄積されていることが報告されています。高速AFMを用いることで,これらの細胞外小胞のpH 依存的なナノ構造変化を調べ,その結果を慢性胃炎や胃がんの発症機構と関連づけることができるようになります。
これらの結果は,将来,細胞外小胞の機能解明や医療への応用に貴重な知見をもたらし,さまざまな細胞外小胞を用いた研究に貢献できるものと考えられます。
 
 
【今後の展開】
 本手法を用いることで,細胞外小胞の pH依存的ナノ構造変化を高速AFMで調べ,慢性胃炎や胃癌の病態に関連付けることができます。現在,ウォング教授らは,低pHがエンドソームと細胞外小胞との膜融合を誘発し,これらの融合体が核内へ運ばれる前に核付近で細胞外小胞の内容物を放出している可能性を考え,このような細胞外小胞の非正規核輸送を追跡するために高速AFMイメージングを応用しようと試みています。この珍しい輸送経路が,細胞間コミュニケーションや,がん遺伝子/がんタンパク質,ウイルスタンパク質の核膜孔(※3)を介した輸送に必須であるかどうかを判断するために,さらなる検討を続けるとのことです。
 
本研究は,武田科学振興財団ビジョナリーリサーチ助成(研究テーマ: 「新型コロナウイルスのタンパク質のナノ立体構造変換反応と構造創薬への開発」),文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI),日本学術振興会科学研究費助成事業(19K23841, 20K16262, 21H05744 , 21K19043 22H02209, 22H05537),JST CREST (No. JPMJCR18H4),小林国際奨学財団,島津科学技術振興財団,金沢大学新学術創成研究機構ユニット研究推進経費,金沢大学超然プロジェクト,金沢大学「新型コロナウイルス感染症対策支援ファンド」研究費の支援を受けて実施されました。
 

図1:生理的緩衝液中の細胞外小胞のネイティブなコンフォメーションをリアルタイムで可視化
(a) HEK293T細胞由来細胞外小胞のTIM-4アフィニティ精製を示すフローチャート。(b) 異なる条件下で細胞外小胞をイメージングするための高速AFMのセットアップを示す模式図。(c) 生理的環境下でのネイティブ(NEV)とホルマリン固定(FEV)細胞外小胞のナノ構造を示す高速AFM画像(スケールバー,NEV:18 nm; FEV:10 nm)。(d) NEVとFEVの立体構造。(e) NEVとFEVの高さを線グラフで示した。その結果,FEVではNEVに比べて高さの変動が少ないことから,ホルマリン固定によって細胞外小胞の剛性が向上することが分かった。
 
 

図2:新しい核輸送機構の発見
細胞外小胞内容物の核への輸送は,近い将来,高速AFMを用いて研究される可能性がある(AEC:陰イオン交換クロマトグラフィー,INM:内核膜,ONM:外核膜,NPC:核膜孔複合体,NEI:核膜侵襲,MT:微細管)。
 
【掲載論文】
雑誌名:Journal of Extracellular Vesicles
 
論文名:Spatiotemporal tracking of small extracellular vesicle nanotopology in response to physicochemical stresses revealed by HS-AFM
(高速AFMで明らかにした物理化学的ストレスに応答する細胞外小胞のナノトポロジーの時空間追跡 )
 
著者名:Elma Sakinatus Sajidah1, Keesiang Lim2, Tomoyoshi Yamano2,4, Goro Nishide1, Yujia Qiu1, Takeshi Yoshida2, Hanbo Wang3, Akiko Kobayashi2,3, Masaharu Hazawa2,3, Forli R.P. Dewi3, Rikinari Hanayama2,4, Toshio Ando2, Richard W. Wong2,3
(エルマ・サキナトゥス・サジダ1,キイシヤン・リン2,山野友義2,4, 西出梧朗1, ユジア・チユ1,吉田孟史2,王瀚博3,小林亜紀子2,3, 羽澤勝治2,3,フイルリ・ラーマー・プリムラ・デウイ3,華山力成2,4,安藤敏夫2,リチャード・ウォング2,3)
 
1. 金沢大学大学院新学術創成研究科ナノ生命科学専攻博士課程
2. 金沢大学ナノ生命科学研究所
3. 金沢大学新学術創成研究機構
4. 金沢大学医薬保健研究域医学系
 
掲載日時:2022年11月1日(米国東部時間)にオンライン版に掲載
DOI: 10.1002/jev2.12275
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jev2.12275
 
【用語解説】
※1 高速原子間力顕微鏡(高速AFM)
探針と試料の間に働く原子間力を基に分子の形状をナノメートル(10-9 m)程度の高い空間分解能で可視化する顕微鏡。高速AFMは溶液中で動いているタンパク質などの生体分子をナノメートルの空間分解能とサブ秒という時間分解能で観察することが可能である。
 
※2 細胞外小胞
 細胞が分泌する脂質二重膜に覆われた小胞のこと。分泌細胞由来のタンパク質やRNAなどの核酸,脂質などを含んでおり,さまざまな細胞間情報伝達を担っている。
 
※3 核膜孔
細胞核を覆う膜にある穴である核膜孔を構成するタンパク質の集合体。普段は細胞質と核の間の物質輸送を担う。
 
 
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【本件に関するお問い合わせ先】
■研究内容に関すること
 
金沢大学ナノ生命科学研究所/新学術創成研究機構 教授
リチャード・ウォング(Richard Wong)
TEL:076-264-6250
E-mail:rwong@staff.kanazawa-u.ac.jp
 
金沢大学ナノ生命科学研究所/医薬保健研究域医学系 免疫学 教授
華山 力成(はなやま りきなり)
TEL:076-265-2727 (日本語対応)
E-mail:hanayama@med.kanazawa-u.ac.jp
 
■広報担当
 
金沢大学ナノ生命科学研究所事務室
米田 洋恵(よねだ ひろえ)
今永 藤子(いまなが ふじこ)
TEL:076-234-4555
E-mail:nanolsi-office@adm.kanazawa-u.ac.jp
https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/
 
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金沢大学ナノ生命科学研究所研究 国際共同研究: セルロースナノ結晶の原子レベルの欠陥構造を発見 /release/202211039194 Fri, 04 Nov 2022 15:00:00 +0900 金沢大学 金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース 発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所 DATE:2022年11月4日   金沢大学ナノ生命科学研究所研究 国際共同研究: セルロース... 金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)
金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース
発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所
DATE:2022年11月4日
 
金沢大学ナノ生命科学研究所研究 国際共同研究: セルロースナノ結晶の原子レベルの欠陥構造を発見
 
(Kanazawa 4 November) 金沢大学ナノ生命科学研究所のアイハン・ユルトセベル特任助教,福間剛士教授らは,原子間力顕微鏡を用いてセルロースナノ結晶(CNC)(※1)の液中の表面構造やその表面の水和構造を原子レベルで明らかにし,さらにその表面に欠陥があることを明らかにしました。本研究は,セルロースを分解して再生可能なナノ材料として利用し,生化学製品やバイオ燃料に応用するための重要な成果となる事が期待されています。本成果は,2022年10月14日(米国東部時間)に国際科学誌『Science Advances』のオンライン版に掲載されました。
 
金沢大学ナノ生命科学研究所 ウエブサイト
https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/
 
金沢大学の研究者を中心とした本研究グループは,3次元原子間力顕微鏡(3D-AFM)(※2)と分子動力学シミュレーションを用いて,液中におけるCNC繊維の表面構造やその表面の水和構造を原子レベルで明らかにしました。単一のCNC繊維の表面構造は,ハニカム(蜂の巣状)やジグザグの構造が並んだ結晶状態になっていましたが,その表面の一部には結晶構造が乱れた非結晶領域が不規則に点在する欠陥構造が存在していることが確認されました。福間剛士教授は,「これは,再生可能ナノ材料や化学製品へのバイオマス変換に関連するCNC分解メカニズムの理解のための重要な成果です。」と述べています。また,超分子材料のCanada Research Chair(註)であり,本論文の共著者であるカナダ・ブリティッシュコロンビア大学(UBC)のマーク・マクラクラン教授は,「本研究のように天然の結晶構造の表面や欠陥を可視化することは,その材料を用いた応用研究開発を進める上で大変重要です。これは,金沢大学ナノ生命科学研究所における国際共同研究の優れた研究例の一つです。」と述べています。
 
(註)Canada Research Chair (Program):カナダの国家的研究開発戦略の中心として2000年にカナダ政府によって創設された非常に権威ある称号(プログラム)。カナダの研究機関に在籍する世界的に評価の高い研究者をChairholderとして選出し,研究助成金を提供するもの。
 
【研究の背景】
セルロースは,植物やバクテリア,菌類などから生産されるバイオマス(再生可能な生体由来の有機資源)であり,毒性がなく,生分解性に優れ,高い機械強度を持ち,多彩な表面修飾が可能であることから,さまざまな分野で応用が検討されています。特に,直径2~30 ナノメートル,長さ数百ナノメートルの繊維状構造を持つCNCは,既存の材料と混合して力学物性を改善するコンポジット材料の開発や,複雑なナノ構造を形成して特殊な光学特性や電子物性を持つ機能素子の開発などへの応用が盛んに研究されています。これらの応用において,CNCの結晶性やその表面状態は,材料の強度や機能素子の性能を左右する極めて重要な物性であるにも関わらず,それを直接確認することは実現していませんでした。
 
【研究成果の概要】
本研究では,福間剛士教授らがすでに開発した液中周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)技術を用いて,CNCの表面構造を原子レベルで直接観察することに成功しました。観察に使用したCNCはマクラクラン教授らが合成・精製したもので,その観察結果から,CNC表面では,分子軸方向の周期性は高い均一性を有しているのに対し,分子軸に対する回転方向の角度は,分子鎖ごとに大きなばらつきをもっていることが分かりました。また,表面の結晶性が完全ではないアモルファス状の構造が部分的に存在することも確認されました。このような欠陥の存在は,CNCをコンポジット材料にした場合に,その性能を左右する重要な知見となります。福間教授らが開発した3次元原子間力顕微鏡(3D-AFM)を用いることで,CNC上の3次元水和構造を分子レベルで観察することにも成功しました。この結果を,フィンランド・アールト大学のアダム・フォスター教授らが行った分子動力学計算の結果と比較することで,CNC表面には親水的な部分と疎水的な部分が混在していることが確認されました。このような水和構造は,CNC表面におけるイオンや分子の吸着や反応に大きな影響を与えるため,CNC材料の化学的安定性や表面修飾技術の開発において,極めて重要な知見となります。
 
【今後の展開】
 本研究では,CNCの結晶性は必ずしも完全ではなく,分子配向の不均一性やアモルファス欠陥などが存在することが示されました。また,CNC表面では,親水基と疎水基の影響で複雑な3次元水和構造が形成されることも明らかにされました。さらに,これらの原子レベルの表面構造や表面物性を,最新のAFM技術を用いることで直接観ることができることが実証されました。これらの結果から,今後はCNC表面の欠陥分布や水和構造を直接観て,確認しながら,それらを制御する技術の開発が進められるようになり,CNCを使ったコンポジット材料や機能素子の性能改善や,その実用化が進展するものと期待されます。
 
本研究は,文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)事業,日本学術振興会科学研究費助成事業(21H05251, 20H00345, 19K22125, and 20K05321),Discovery Grant(F16-05032,NSERC,カナダ),The Academy of Finland’s Flagship Programme(318890, 318891 and 314862,フィンランド)の支援を受けて実施されました。
 
【参考図】
 


© 2022 Yurtsever, et al.
(A) 水中で取得したCNC表面の欠陥のAFM像。(B) CNC表面の高分解能AFM像。界
面の分子スケール構造が明瞭に可視化されている。(C) (B)に示した画像を2D-FFTフィルタ処理を施して取得した画像。 (D,E) セルロース/水界面で取得した3次元周波数シフト分布像の2次元垂直断面。規則的に構造化された水分子の分布を示している。
 

 
© 2022 Yurtsever, et al.
(A) 水中のCNCのMDシミュレーションモデルのスナップショット。 分子軸(c軸)は,画像に対して垂直方向。(B) シミュレーションにより計算したCNC周囲の水分子の3次元密度分布。(C,D)(010)面上の水密度分布の平均2次元密度分布。(E,F) (C, D)において白色と赤色の矢印で示したZ位置で取得した水平方向の2次元水密度分布。(G,H) 実験で取得した3次元周波数シフト分布像の垂直および水平2次元断面像。
 
【掲載論文】
雑誌名:Science Advances
論文名:Molecular insights on the crystalline cellulose-water interfaces via three-dimensional atomic force microscopy
(3次元原子間力顕微鏡によるセルロース結晶/水界面に関する分子スケール研究)
 
著者名:Ayhan Yurtsever*, Pei-Xi Wang, Fabio Priante, Ygor Morais Jaques, Keisuke Miyazawa, Mark J. MacLachlan, Adam S. Foster, Takeshi Fukuma*(Ayhan Yurtsever,Pei-Xi Wang, Fabio Priante,Ygor Morais Jaques,宮澤佳甫,Mark J. MacLachlan,Adam S. Foster,福間剛士)
 
掲載日時:2022年10月14日(米国東部時間)にオンライン版に掲載
DOI:10.1126/sciadv.abq0160
https://doi.org/10.1126/sciadv.abq0160
 
英語版関連記事:University of British Columbia (UBC) ホームページ
https://science.ubc.ca/news/chemists-uncover-cracks-amour-cellulose-nanocrystals
 
金沢大学ナノ生命科学研究所 ウエブサイト
https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/
 
【用語解説】
 
※1 セルロースナノ結晶(CNC)
セルロースは,機械的に強い非水溶性の繊維状の生体高分子であり,植物細胞の構造を保つ役割があります。CNCは,通常は化学薬品や機械操作によってセルロース原料の一部の微小繊維構造をロッド状の結晶に変換されることで精製されます。CNCは,酵素の固定,抗菌・医療材料,グリーン触媒,バイオセンシング,ドラッグキャリアの開発など,幅広い分野への応用が期待されている材料です。
 
※2 3次元原子間力顕微鏡(3D-AFM)
3D-AFMは福間剛士教授らによって開発されたAFMであり,従来のAFMにおける水平方向の探針走査に加えて垂直方向にも探針を走査させ,その時に探針が受ける相互作用力を計測することで,固体と液体の界面構造を原子・分子スケールで3次元計測することが可能な手法です。これにより,固体表面だけではなく,固体の表面に形成される水和構造(水分子の密度分布)も解析することができます。
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金沢大学ナノ生命科学研究所研究情報:高校生が「がん研究」に挑戦! がん研究早期体験プログラムを開催 /release/202208105008 Wed, 10 Aug 2022 17:30:00 +0900 金沢大学 金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース   発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所   DATE: 2022年08月10日   金沢大学ナノ生命科学研究所研究イベント情報:高... 金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI) https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/
金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース
 
発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所
 
DATE: 2022年08月10日
 
金沢大学ナノ生命科学研究所研究イベント情報:高校生が「がん研究」に挑戦! がん研究早期体験プログラムを開催
 
(Kanazawa 10 August)金沢発!がん克服プロジェクト がん研究早期体験プログラム「がん研EEP」~本物に触れ、未来を創ろう!~ 
 
金沢大学がん進展制御研究所・ナノ生命科学研究所「がん研究早期体験プログラム」については、こちらをご覧ください。
http://ganken.cri.kanazawa-u.ac.jp/graduate/gankeneep/
 
 金沢大学がん進展制御研究所とナノ生命科学研究所は、高校生を対象とした「がん研究早期体験プログラム(がん研究 Early Exposure Program)を令和4年8月1日(月)から8月5日(金)の期間で開催しました。
 
本プログラムは,高校生にリアルな研究現場を紹介し,研究の魅力を伝えることにより,将来の進路を考える一助となることを目的として初めて企画したものであり、国内外から延べ93名もの高校生が参加しました。
 
8月1日(月)から8月4日(木)にかけては、11の研究室で研究体験プログラムが行われ、少人数のグループに分かれた高校生たちが、研究者から直接指導を受けながら、フローサイトメーターによる細胞分取、遺伝子変異解析、蛍光顕微鏡による細胞観察、さらには高速原子間力顕微鏡の操作など、研究者さながらの実験に取り組みました。また、8月5日(金)に開催した授業編では、3名の講師の方から「臨床医学の立場からのがん転移と薬剤耐性」、「生物物理学的手法を用いた生命現象の理解」そして「情報科学をベースとした新しい創薬技術」という異なる視点で、いかにグローバルな難題に挑戦するのか、最先端の研究に関する特別授業を受講しました。
 
プログラムを終えた高校生からは、「高校では出来ない体験が出来た」、「研究の大切さを感じた」、「自分も新しいことを見つけたい」などの声が聞かれ、リアルな研究現場に興奮した様子が見て取れました。また、研究者からは「筋のいい質問がたくさんあった」、「顕微鏡を見る度に、おーっと声が上がっていて本当に反応がよかった」という感想が出るなど、お互いによい刺激になりました。
わずかな時間ではありましたが、研究体験をベースとした高校生と研究者の交流が、高校生が将来のキャリアについて考える一助となり、明るい未来を創る原動力になることを期待しています。
 
※本プログラムは令和3年度に実施したクラウドファンディングプロジェクト『金沢発!未来のがん研究者を育む「がん克服プロジェクト」』に寄せられたご寄附及び「和田哲がん基金」を運営資金として実施いたしました。
 
金沢大学がん進展制御研究所・ナノ生命科学研究所「がん研究早期体験プログラム」については、こちらをご覧ください。
http://ganken.cri.kanazawa-u.ac.jp/graduate/gankeneep/
 

研究体験プログラム:100万個の中のたった1個!幹細胞を集めてみよう!
 

研究体験プログラム:胃がん・大腸がんをモデルで再現!
 

研究体験プログラム:百聞は一見に如かず!~バイオイメージングで細胞の中を覗いてみよう~
 
 

授業編:生命科学・医学研究の最先端と未来
 
 
【本件に関するお問い合わせ先】
 
■広報担当
金沢大学ナノ生命科学研究所事務室
米田 洋恵(よねだ ひろえ)
TEL:076-234-4556
E-mail:nanolsi-office@adm.kanazawa-u.ac.jp
 
金沢大学医薬保健系事務部薬学・がん研支援課研究協力係
吉田 元博(よしだ もとひろ)
TEL:076-264-6702
E-mail:kucri-cf@adm.kanazawa-u.ac.jp
 
 
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金沢大学ナノ生命科学研究所:生きた細胞の内部をナノレベルで直接観察できる原子間力顕微鏡技術開発に成功 /release/202112265531 Sun, 26 Dec 2021 16:30:00 +0900 金沢大学   News Release   金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース 発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所 DATE:2021年12月26日 金沢大学ナノ生命科学研究所... 金沢大学ナノ生命科学研究所(NanoLSI)
 
News Release


 
金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース
発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所
DATE:2021年12月26日

金沢大学ナノ生命科学研究所研究・研究発表情報:生きた細胞の内部をナノレベルで直接観察できる原子間力顕微鏡技術の開発に成功!
 
(Kanazawa 26 December 2021) 金沢大学ナノ生命科学研究所の福間剛士教授,マルコス・ペネド特任助教(研究当時),産業技術総合研究所の中村史副連携研究室長らの共同研究グループは,生きた細胞の内部においてナノスケールの構造やその動きを直接観察できる原子間力顕微鏡(AFM)(※1)技術を開発することに成功しました。
 
生細胞内部におけるオルガネラ(※2)やタンパク質などのナノスケールの構造および動態を理解することは,さまざまな細胞機能やそれが関係する疾患,老化などの生命現象の仕組みを理解する上で,極めて重要な手がかりとなります。しかし,従来の観察技術では生きた細胞の中でそれらを直接観ることはほとんどできませんでした。
本研究グループは,生きた細胞の内部を直接観察できる新たな技術である「ナノ内視鏡AFM」を開発しました。この技術では,あたかも生きた人体に細長い内視鏡カメラを挿入してその内部を観察するように,生きたままの細胞の内部に細長いニードル状のAFM探針を挿入し,その探針の先端が細胞内の構造と接触する際に受ける微弱な力を検出することで細胞内構造を画像化します。本研究では,この技術を用いて細胞核やアクチン繊維(※3)などの3次元分布や,細胞膜を支えるナノスケールの裏打ち構造の動きを生きたままの細胞の内部で観察できることを明らかにしました。
ここで開発した技術は将来,従来技術では観ることのできなかったタンパク質やオルガネラの動きや硬さなどを細胞内で直接計測することを可能とします。さらに,この技術は,がんや感染症などの重大な疾患の発生や悪性化のメカニズムを解明し,診断・治療法の改善に貢献することが大きく期待されます。
 
本研究成果は,2021年12月22日午後2時(米国東部時間)に米国科学誌『Science Advances』のオンライン版に掲載されました。
 
 
【研究の背景】
生きた細胞の中で働くタンパク質,核酸(※4),脂質,代謝物質などのナノスケールの構造および動態を理解することは,疾患や老化などのさまざまな生命現象を根本的に理解するために極めて重要です。しかし,既存の観察技術では,それらを生細胞内部で観ることはほとんどできていません。例えば,蛍光顕微鏡(※5)では蛍光ラベルをつけた生体分子の位置を知ることはできますが,分子自身の形を観ることはできません。一方,電子顕微鏡(※6)では凍結した細胞の内部をナノレベルで観ることはできますが,液中で動作する様子を観ることはできません。それに対し,原子間力顕微鏡(AFM)は,液中で生体分子の構造を直接観察できる現在唯一の技術であり,その点において非常に有望です。しかし,従来のAFMは,観察対象の表面を鋭くとがった針でなぞることで表面形状を知るという原理から,膜に覆われた細胞の内部にある立体構造を観ることは不可能でした。
 
【研究成果の概要】
本研究グループは,生細胞内部の構造や動態を直接ナノスケールで観察できる「ナノ内視鏡AFM」を初めて開発することに成功しました。この技術では,あたかも人体に細長い内視鏡カメラを挿入してその内部を観察するように,生きた細胞の内部に細長いニードル状のAFM探針を挿入し,その内部構造を可視化します。探針を細胞内部に挿入する際に,探針先端は内部構造を押しのけるための反発力を受けますが,その力を3次元的に記録することで細胞内構造を可視化できます。本研究では,この技術を用いて細胞核やアクチン繊維などの3次元分布や,細胞膜を支えるメッシュ状の裏打ち構造の動きを生きたままの細胞の内部で観察できることを明らかにしました。
これまでにも,細胞表面をAFM探針で強くたたいて硬さ分布を計測する方法や,細胞内を伝搬する振動波の減衰を測定する方法により,AFMで細胞内構造を観察しようとする試みはありましたが,いずれも細胞内構造の2次元投影図しか得られていませんでした。それを本研究では,はじめて3次元的に可視化することに成功しました。さらに本手法では,細胞内構造と探針を直接接触させられるため,原理的には,分子分解能観察や,力学物性計測,分子認識イメージングなどのほぼすべてのAFM機能が活用できます。これらの計測は従来法では原理的に不可能だったものであり,本技術の開発によって新たな計測の可能性が拓かれました。
 
【今後の展開】
 本研究で開発した技術により,将来,細胞内のさまざまな生命現象が直接ナノスケールで観察できるようになることが期待されます。例えば,細胞核や,ミトコンドリア,細胞骨格の表面で働くタンパク質の様子や,細胞-細胞間の接着構造,細胞核やミトコンドリアの硬さの細胞老化に伴う変化などを生細胞の内部で直接観察できる可能性があります。これらの方法により,がんや感染症などによって生じる細胞内の変化を詳細に知ることができれば,それらの診断や治療法の改善につながることが期待されます。
 
本研究は,文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI),日本学術振興会科学研究費助成事業(基盤研究(A),20H00345),科学技術振興機構未来社会創造事業(18077272),金沢大学戦略的研究推進プログラムの支援を受けて実施されました。
 
 

図1. ナノ内視鏡AFMによる細胞内3次元観察の原理と測定例.(a)動作原理.(b)生きたHeLa細胞の3次元AFM像.(c)生きた繊維芽細胞内部のアクチン繊維の3次元AFM像.
 
 

図2.ナノ内視鏡AFMによる細胞内2次元観察の原理と測定例.(a)動作原理.(b)繊維芽細胞の細胞膜の内側にある裏打ち構造の2次元AFM観察像.メッシュ状のアクチン繊維の分布とその動的な変化が観察されている。
 
 
【掲載論文】
雑誌名:Science Advances
 
論文名:Visualizing intra-cellular nanostructures of living cells by nanoendoscopy-AFM
(生細胞内部のナノ構造を可視化するナノ内視鏡AFM)
 
著者名:Marcos Penedo, Keisuke Miyazawa, Naoko Okano, Hirotoshi Furusho, Takehiko Ichikawa, Mohammad Shahidul Alam, Kazuki Miyata, Chikashi Nakamura, Takeshi Fukuma
(マルコス・ペネド,宮澤佳甫,岡野直子,古庄公寿,市川壮彦,モハマド・シャヒドゥル・アラム,宮田一輝,中村史,福間剛士)
 
掲載日時:2021年12月22日午後2時(米国東部時間)にオンライン版に掲載
 
DOI: 10.1126/sciadv.abj4990
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj4990           
 
 
【用語解説】
※1 原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy: AFM)
 鋭く尖った探針で固体表面をなぞることで,その表面形状を観察することのできる表面分析技術。液中で原子や分子を直接観ることのできる顕微鏡技術。
 
※2 オルガネラ
 細胞核やミトコンドリアなどの細胞内小器官であり,細胞の増殖やエネルギーの生成など,細胞の機能を維持するための様々な機能を果たす。
 
※3 アクチン繊維
 細胞骨格の一種。細胞の形状維持や運動のために重要な役割を果たす。
 
※4 核酸
DNAやRNAの総称。遺伝子情報の保持や,その情報に基づいてタンパク質を生成するために重要な役割を果たす。
 
※5 蛍光顕微鏡
蛍光分子を興味のあるターゲット分子に結合させ,蛍光の分布を観察することで,ターゲット分子の分布や,それが局在する細胞内の立体構造を可視化する顕微鏡技術。生命科学分野での細胞観察に幅広く利用されている。
 
※6 電子顕微鏡
試料に電子線を照射して,そこで放出される2次電子や反射電子,あるいは透過電子を検出することで,物質の構造をナノレベル以下の分解能で観察できる顕微鏡技術。細胞観察においては,凍結もしくは樹脂包埋などの方法で固定して,静止構造を観察する。
 
 
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【本件に関するお問い合わせ先】
■研究内容に関すること
金沢大学ナノ生命科学研究所 教授
福間 剛士(ふくま たけし)
TEL:076-234-4574
E-mail:fukuma@staff.kanazawa-u.ac.jp
 
金沢大学ナノ生命科学研究所 特任助教
国岡 由紀(くにおか ゆき)
TEL:076-234-4574
E-mail:kunioka@staff.kanazawa-u.ac.jp
 
■広報担当
金沢大学ナノ生命科学研究所事務室
米田 洋恵(よねだ ひろえ)
TEL:076-234-4556
E-mail:nanolsi-office@adm.kanazawa-u.ac.jp
 
※ 世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)
研究分野や国のボーダー,言語や制度のバリアーを越えて,世界から第一線の研究者が集まる「目に見える国際研究拠点」の形成を目指して,2007年に文部科学省が開始しました。2021年現在,日本各地で14の研究拠点が研究活動を展開し,世界最高水準の研究成果を生み出し続けています。
 
※ 金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)
2017年度世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択され設立された研究所です。
液中で原子や分子の動きを直接観ることのできるナノプローブ技術の開発で世界をリードしています。本研究所は,これらのユニークなイメージング技術を基盤として,細胞の表層や内部という「未踏ナノ領域」を開拓し,人類が観たことのない現象を直接可視化することで生命科学分野に飛躍的な進展をもたらすとともに,「ナノプローブ生命科学」という新たな学問分野を形成することを目指しています。
Website: https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/
Twitter: https://twitter.com/nanolsi
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金沢大学ナノ生命科学研究所研究イベント情報:未来のナノ分野研究をのぞきみませんか? /release/202112084629 Wed, 08 Dec 2021 18:00:00 +0900 金沢大学 金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース 発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所 DATE:2021年12月8日   金沢大学ナノ生命科学研究所研究イベント情報:未来のナノ分野... 金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)
金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)プレスレリース
発信元:金沢大学ナノ生命科学研究所
DATE:2021年12月8日
 
金沢大学ナノ生命科学研究所研究イベント情報:未来のナノ分野研究をのぞきみませんか?
 
(Kanazawa 8 December 2021) 第10回WPIサイエンスシンポジウム開催12/18(土)【市民参加型シンポジウム】
 
金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)は,「未来へ向かうNano World」をテーマとし,2021年12月18日(土)に第10回世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)サイエンスシンポジウムを開催します。(事前予約制、登録数制限なし)
 
WPIサイエンスシンポジウムは,第一線の研究者が世界から集まり,優れた研究環境ときわめて高い研究水準を誇るWPI研究拠点の成果を広く紹介するために毎年開催するものです。
 
Nano World,“10億分の1メートルのスケールの世界”には,あらゆる物性や現象の起源があります。
 
今年のWPIサイエンスシンポジウムでは,このNano Worldにスポットをあてます。
世界トップクラスの研究者たちが挑む,Nano Worldの謎と不思議。研究の最前線を知り,研究の醍醐味に触れ,科学の未来をのぞいてみませんか?
 
午前の部の講演会では,医学及び医療,材料科学,環境科学,生命科学を切り口に,Nano Worldを舞台とする最先端の研究成果をご紹介します。午後の部では,高校生と世界トップクラスの研究者との研究交流を企画しています。
 
◆プログラム
日 時  2021年12月18日(土)09:00 – 17:30
会 場  石川県立音楽堂よりオンライン配信 
 
◆対象
 中高生,大学生,社会人など誰でもご参加いただけます。
 
◆申込
https://10th-wpisymposium-nanolsi.jp/
「事前申込」 から必要事項をご入力の上,事前にお申し込みください。
 
◆お問い合わせ
金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)
nanolsi-office@adm.kanazawa-u.ac.jp
 
世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)
研究分野や国のボーダー,言語や制度のバリアーを越えて,世界から第一線の研究者が集まる「目に見える国際研究拠点」の形成を目指して,2007年に文部科学省が開始しました。2021年現在,日本各地で14の研究拠点が研究活動を展開し,世界最高水準の研究成果を生み出し続けています。
 
金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)
2017年度世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択され設立された研究所です。
液中で原子や分子の動きを直接観ることのできるナノプローブ技術の開発で世界をリードしています。本研究所は,これらのユニークなイメージング技術を基盤として,細胞の表層や内部という「未踏ナノ領域」を開拓し,人類が観たことのない現象を直接可視化することで生命科学分野に飛躍的な進展をもたらすとともに,「ナノプローブ生命科学」という新たな学問分野を形成することを目指しています。
Website: https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/
Twitter: https://twitter.com/nanolsi
 
関連図

招待講演者
 
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