慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授、栗原俊英特任准教授、森紀和子(大学院医学研究科博士課程3年)らの研究グループは、ロート製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役会長兼社長:山田邦雄)と、bcゲーム 入金反映の進行を抑制する方法について検討してまいりました。
このたび、慶應義塾大学医学部の研究グループにおいて、クチナシ由来の色素成分「クロセチン(注1)」にbcゲーム 入金反映進行抑制に関連する遺伝子の一つである「EGR-1」の発現量を増やす効果があること(図1)、bcゲーム 入金反映誘導モデルでクロセチンがbcゲーム 入金反映進行の程度を示す「眼軸長の伸長」や「屈折度数の変化」を有意に抑制することが世界で初めて確認されました(図2)。今回の研究成果はクロセチンがbcゲーム 入金反映進行を抑制する可能性を示唆する新しい知見であり、この知見を発展させることで、子どものbcゲーム 入金反映進行抑制に有用な製品の開発に繋がることが期待されます。
今回の研究成果は、1月22日(グリニッジ標準時)に学際的総合ジャーナル『Scientific Reports』(オンbcゲーム 入金反映ン版)に掲載されました。
1.研究の背景と概要
近年、全世界でbcゲーム 入金反映の有病率が増加し、人類の3分の1がbcゲーム 入金反映だと言われています(Holden BA. et al. Ophthalmology. 2016)。特にアジア諸国におけるbcゲーム 入金反映の有病率上昇が顕著であり、中国では成人の9割以上がbcゲーム 入金反映であると報告され、中途失明原因の第2位となっています。
日本においても子どもの視力低下は進んでおり、最近の統計では、高校生の6割以上、中学生の5割以上、小学生の3割以上が視力1.0未満であると報告されています(文部科学省 平成29年度「学校保健統計調査」)。また、bcゲーム 入金反映の程度が強い「強度bcゲーム 入金反映」の有病率は40歳以上で5%程度と推定され、以前行われた全国調査では失明原因の第4位であると報告されました(平成17年度厚労省網膜脈絡視神経萎縮症調査研究班報告書)。
このようにbcゲーム 入金反映は生活の不便さだけでなく、状態によっては視覚障害に繋がる可能性があり、社会問題となっています。強度bcゲーム 入金反映を防ぐためにも、特にbcゲーム 入金反映が進みやすい学童期に有用なアプローチが望まれています。
bcゲーム 入金反映進行を抑制する遺伝子「EGR-1」
従来bcゲーム 入金反映には遺伝が関与すると考えられてきましたが、近年、遺伝だけでなく生活習慣などの環境因子も大きく関与することがわかっています。
中でも屋外活動が短いほどbcゲーム 入金反映が進行することがこれまで複数の研究グループから報告されており、慶應義塾大学医学部眼科学教室の先行研究で屋外環境に豊富にある波長域360-400nmの光がbcゲーム 入金反映進行を抑制することを発見しました。この光を浴びると実験bcゲーム 入金反映モデルで眼軸長伸長が抑制され、bcゲーム 入金反映を抑制する遺伝子の一つとして知られている「early growth response 1(EGR-1)」が有意に上昇していることが確認されました(Torii H et al. EBioMedicine. 2017)。
2.研究の成果と意義・今後の展開
(1)クロセチンに、EGR-1の発現を高める効果があることを発見
この「EGR-1」遺伝子に着目し、EGR-1遺伝子の発現を高める食品素材のスクリーニングを実施。200種以上の素材の中でもクチナシ由来の色素成分であるクロセチンに、極めて高いEGR-1発現促進効果があることを発見しました(図1)。
【図1】細胞に成分を添加した時のEGR-1遺伝子の発現量を測定した。コントロールを1として比較した。クロセチンの投与により、EGR-1の発現量が有意に上昇した。(*p<0.05)(慶應義塾大学医学部眼科学教室実施)
(2)bcゲーム 入金反映誘導モデルでもbcゲーム 入金反映進行抑制効果を確認
慶應義塾大学医学部で開発した、凹レンズを装用させてbcゲーム 入金反映を誘導するモデル(Jiang X et al. Sci. Rep. 2018)にクロセチンを投与すると、bcゲーム 入金反映化の指標である「眼軸長の過剰伸長」(注2)ならびに「屈折度数の変化(bcゲーム 入金反映化)」(注3)が抑制されることが確認されました(図2)。
【図2】bcゲーム 入金反映誘導モデルにクロセチンを投与し、眼軸長ならびに屈折度数の変化を測定した。クロセチンの投与により、bcゲーム 入金反映化の指標である眼軸長の伸長(左)ならびに屈折度数の変化(右)が有意に抑制された。(*p<0.05, **p<0.01)(慶應義塾大学医学部眼科学教室実施)
さらに、眼軸が伸びてbcゲーム 入金反映が強くなると、見え方(屈折)が変化するだけでなく、網膜の外側にある脈絡膜(注4)が薄くなるという現象が伴いますが、クロセチンを投与したときは、このような脈絡膜の変化が抑制されました(図3)。
【図3】bcゲーム 入金反映誘導モデルにクロセチンを投与し、脈絡膜厚の変化を測定した。クロセチンの投与により脈絡膜の菲薄化が有意に抑制された。(**p<0.01)(慶應義塾大学医学部眼科学教室実施)
クチナシ由来の色素成分「クロセチン」はbcゲーム 入金反映進行抑制に関連する遺伝子の一つである「EGR-1」の発現を高める効果があり、さらに、bcゲーム 入金反映誘導モデルにおいてもbcゲーム 入金反映進行の程度を示す「眼軸長の伸び」と「屈折度数の変化」を有意に抑制することが世界で初めて確認されました。
学童期の眼軸長の伸長がbcゲーム 入金反映の進行に大きくかかわるといわれており、10歳位で眼軸長の伸長が止まることなく過剰に伸長するとbcゲーム 入金反映が進行します。
今回の結果はクロセチンがbcゲーム 入金反映進行を抑える可能性があることを示唆する新しい知見です。本知見を活かし、さらに研究を進めることで、子どものbcゲーム 入金反映進行抑制に有用な製品の開発に繋がることが期待されます。
3.論文
タイトル:Oral crocetin administration suppressed refractive shift and axial elongation in a murine model of lens-induced myopia
著者名:森紀和子、栗原俊英、宮内真紀、石田文子、姜效炎、池田真一、鳥居秀成、
坪田一男
掲載誌 :Scientific Reports
【用語解説】
(注1)クロセチン:サフランやクチナシの実に含まれる黄色の天然色素で、その鮮やかな色は食品の着色に利用されています。ニンジンに含まれるβ-カロテンやトマトのリコピンの仲間で、体の錆びつきを防ぐ「抗酸化力」に優れたカロテノイドの一種です。
(注2)眼軸長:角膜から網膜までの長さ。眼軸長が伸びすぎて網膜上で焦点が合わない(網膜より前に焦点を結ぶ)とbcゲーム 入金反映となり、眼軸長が長いほど強いbcゲーム 入金反映となります。学童期に眼軸長が過剰に伸長することがbcゲーム 入金反映の進行に大きくかかわるといわれています。
(注3)屈折度数:眼に入った光は角膜と水晶体で屈折され、焦点を結びます。屈折の強さを表したものが屈折度数です。屈折が強すぎると網膜の前で焦点を結び、bcゲーム 入金反映となります。屈折度数がマイナスになる程bcゲーム 入金反映が進んでいることを表しています。
(注4)脈絡膜:脈絡膜は網膜の外側にある膜で網膜に栄養を与える組織。bcゲーム 入金反映が強くなり眼軸が伸びると、脈絡膜が薄くなる等の病的な変化が現れるといわれています。