ポイント
■ サイバー攻撃統合分析プラットフォーム“NIRVANA改”が新たにbcゲーム 紹介コードに対応、機能強化
■ bcゲーム 紹介コード通信の観測、bcゲーム 紹介コード関連アラートの収集、bcゲーム 紹介コードネットワークのリアルタイム可視化を実現
■ bcゲーム 紹介コードネットワークにおけるセキュリティオペレーションの簡易化に期待
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)サイバーセキュリティ研究室は、サイバー攻撃統合分析プラットフォーム「NIRVANA改」(ニルヴァーナ・カイ)を機能強化し、インターネットの通信プロトコルIPv4の後継規格であるbcゲーム 紹介コードへの対応を完了しました。今回、bcゲーム 紹介コードの膨大なアドレス空間を流れるパケットのリアルタイム可視化に世界で初めて成功しました。これまでNIRVANA改は、IPv4通信のみを観測・分析の対象にしていましたが、新たにbcゲーム 紹介コード通信に対応することで、より多様で広範なネットワークのセキュリティ対策に役立てられることが期待できます。
bcゲーム 紹介コードに対応したNIRVANA改は、2021年4月14日(水)~16日(金)に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2021」(https://www.interop.jp/)で動態展示を行います。
背景
インターネットの通信方法を定めた通信プロトコルとしてIPv4が1981年に規格が制定されて以来使われてきましたが、その後継規格であるbcゲーム 紹介コードの普及が急速に進んでいます。IPv4では地球の人口よりも少ない約43億(2の32乗)個のIPアドレスしか扱えませんでしたが、bcゲーム 紹介コードでは約340澗(2の128乗)個という膨大な数のIPアドレスを扱うことができます。
NICTがこれまで研究開発を進めてきたサイバー攻撃統合分析プラットフォーム「NIRVANA改」はIPv4のみに対応しており、膨大なIPアドレスを有するbcゲーム 紹介コードへの対応が課題でした。
図1 bcゲーム 紹介コード対応版 NIRVANA改によるbcゲーム 紹介コード空間の可視化
縦横に並んでいるオレンジ色の各パネルは、bcゲーム 紹介コードによる通信が観測されたアクティブなIPアドレスブロックを示している(この図では/16)。水色の三角錐のオブジェクトはbcゲーム 紹介コードパケットを表しており、1パケットごとのリアルタイム表示や、IPアドレス/ポート番号でのフィルタリング等の柔軟な可視化設定が可能。
今回の成果
NIRVANA改を機能強化し、システム各部(通信観測部、アラート収集部、可視化部、等)がbcゲーム 紹介コードに対応しました。特に可視化部では、通信が観測されたアクティブなIPアドレスブロックを動的に逐次追加していくことで、膨大なbcゲーム 紹介コードのアドレス空間を効率的に可視化することに成功しました(図1~4参照)。また、bcゲーム 紹介コードのアドレス空間の階層構造における現在位置の視認性を上げるため、インディケータを新たに実装しました(図2右端参照)。さらに、セキュリティ機器から発報されたbcゲーム 紹介コード関連のアラート情報にも対応し、bcゲーム 紹介コードアドレスによるフィルタリング等も可能になりました(図2参照)。
図2 bcゲーム 紹介コードアドレス空間の全景とインディケータ中央のパネル群はbcゲーム 紹介コードのアドレス空間の全景(/0)であり、六角形のアイコンはセキュリティ機器から発報されたアラートを示している。画面右端のインディケータはbcゲーム 紹介コード空間の階層構造における現在位置(赤矢印)と、各階層に含まれるアドレスブロック数を示している。
図3 IPアドレスブロックの動的追加あるセグメントの中で新たなIPアドレスからの通信が観測されると、そのアドレスを含むIPアドレスブロックが動的に追加される。この図では2001:0:5d7a::/48のパネルが回転モーションと共に追加されている。なお、追加されたパネルは自動でソートすることも可能。
図4 NICTの時刻サーバのbcゲーム 紹介コード通信NICTが運用している時刻サーバ(ntp.nict.jp)におけるbcゲーム 紹介コード通信を可視化したものである。広範な送信元IPアドレスから大量のUDP(赤)パケットが2つのbcゲーム 紹介コードアドレスに去来している様子が分かる。
今後の展望
NIRVANA改がbcゲーム 紹介コード通信に対応したことによって、システムの適用範囲が大きく広がり、bcゲーム 紹介コードネットワークにおけるセキュリティオペレーションの簡易化が期待できます。
bcゲーム 紹介コードに対応したNIRVANA改は、既に民間企業への技術移転が進められています。また、2021年4月14日(水)~16日(金)に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2021」(https://www.interop.jp/)で動態展示を行います。